可愛い彼氏

誰でも拗ねる経験があるだろう。
今、私の彼氏の堂島大吾は、拗ねている。
何故なら私に何回も負けたからである。
今から一時間前の事だ。



「くっ!」

「大吾さん……。まだやるの?」

「当たり前だ!」

「いいけど……」

私達は、中通りのクラブセガでバーチャファイターで遊んでいる。
最初は楽しくプレイをしてたのだが、意外にも上手だった私に、連敗していた大吾さんが剥きになり、百円玉が、どんどん機械へと吸い込まれる。
流石に止めようと、大吾さんに言ったら、
素直には聞いてくれたが、不機嫌な顔になる。
それが今の状況だ。


喫茶アルプスに移動して、珈琲とショートケーキを頼む。 
無言が続く中、大吾さんが、煙草を取りだし吸い始めている。不機嫌な顔と、眉間を寄せて何を考えているかは分からないが、私はケーキを頬張る 。

「………」

「………」

対戦ゲームで、適度に勝たせてあげれば
こんな事にはならなかったかもしれない。
でも、意外に不器用な所がある大吾さんを思いだすと、子供みたいに拗ねるなんて、可愛さを感じてしまう。
仕事をしてる時は格好いい人なのに。

「………大吾さん」

「……なんだ」

「フフっ」

「何笑ってる?」

「可愛いです」

「!?」

「か、可愛い?」

「うん!可愛いです」

呆気に取られる大吾さんだが、不機嫌な顔がなくなった。

「名無し……すまない」

「謝る必要なんてないです」

「いや。言わせてくれ剥きになり過ぎた
大人げないな俺も……」

「そんな事ないです 大吾さんも剥きになったり拗ねる事だって有りますよ」

「本当にすまない。気分変えて楽しいデートしよう」

「はい!」

機嫌も治り、楽しく会話したり手を繋いで神室町を歩いたり、今日は楽しかった。
拗ねる大吾さんは滅多にないと思うけど、可愛い一面もある大吾さんに、またまた好きになる私でした。




戻る 進む
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -