遊園地デート

朝からバタバタしていた。
何故なら今日大吾さんと遊園地デートなのだ。
服もメークもバッチリ決めて、約束の時間前に外で大吾さんを待つと、高級車が1台、目の前で止まって。

「おはよう名無し」

「おはようございます大吾さん」

ラフな服装にシルバーアクセサリ、何時ものオールバックじゃなく髪をおろしてくるから、毎回私服デート度に頬が赤くなっている。

「ん?どうした?」

「なっ、何でもないです!」

「そうか?じゃあ行くか」

車に乗り遊園地に向かった。


遊園地に着くとそれなりの人混みで、ワイワイ盛り上がっていた。

「何から乗りますか?」

「名無しに任せる」

「じゃあジェットコースターに乗りましょう」

手を繋ぎながらジェットコースター乗り場に向かったが、人気なのか凄く列が並んでいて、お互い違う乗り物にしようと意見が一致した。

「どれも列がすごいですね」

「待つしか……名無し」

「はい?」

「あれだったら空いてるぞ」

大吾さんが指してる方を見ると、お化け屋敷。苦手のアトラクションだが。

「い、いですね。入りましょう」

大吾さんがいるから平気だろうと、自分に言い聞かせて、お化け屋敷の中に入ると、お化けが沢山出て怖かったが、大吾さんが手をギュッと繋いでくれたから、最後までお化け屋敷を行けた。

「あー怖かった」

「次はジェットコースターでも行くか?」

「はい」

ジェットコースターも他のアトラクションも楽しんでいると、お昼の鐘がなり休憩する事になって、売店で適当にお昼ご飯を買って、大吾さんが待っている場所に戻ろうとした時、ドンと人にぶつかって、しかも足を踏んでしまったのだ。

「痛っ!コラァ!!」

「ごめんなさい!」

「謝るなら慰謝料払えや!!」

どうしたらいいのか分からず困っていると。

「名無し!大丈夫か!」

「大吾さん」

心配になって来た大吾さんを見た男は、急にその場から離れていったのだ。

「何かあったのか?」

大吾さんに話すと、“一緒に行けば良かった”と反省していたが、気分を切り替えして昼ご飯を楽しく会話しながら食べて、午後はゆっくり買い物とかを楽しんだ。


夕方観覧車に乗り。

「夕日綺麗ですね」

「あぁ……名無し」

「はい?」

ポケットから小さな箱が目の前に出されて、リボンを解いてフタを取ると、綺麗なネックレスが入っていて。

「あっ……あの」

大吾さんはネックレスを手に持つと、首に着けてくれた。

「よく似合うよ」

「ありがとうございます」

お互いに頬が赤くなり、観覧車は一番上に到着すると、肩に手をまわされて
軽く視線が合い、大吾さんの顔が近づいて目をつぶると、唇が重なる。

「また来ような」

「はい」

手を繋ぎながら仲良く遊園地を後にしたのでした。




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