願望

朝カーテンを豪快に開けて、ベットから離れる。
そしてベランダに出て、煙草を吸いながら外の桜を見る。
今日は、天気も良く温かいので桜が満開に咲いていた。 
ある程度桜観賞と煙草をして、中に入り朝の準備を始める。
迎えに来たので車に乗り、東城会本部に向かった。

本部に着いて会長室に向かい、秘書から今日のスケジュールを聞いて仕事をいつもどうり始めた。

夕方。
今日の仕事の書類を秘書が受け取り、会長室から出るのを確認してからメールを打つ。 
その相手は、俺がもっとも大切な相手
名無しだ。
今日は隠れ家として使っている家で、夜桜を見ながら飲む約束をしているのだ。
メールを送って返事を待ちながら煙草を吸うと、10分位か携帯着信音が鳴る。

「はい」

「今何処ですか?」

「まだ本部だ今から行く」

「分かりました。家で先に待ってます」

「分かった」

携帯を切って、内線で秘書に車を用意させ乗り込み、神室町で降りて、タクシーで隠れ家に向かった。

着くと、玄関のドアを開けて靴を脱ぐ。
早く会いたくてリビングに行くと、先に着いていた名無しが台所で何やら探していた。

「なにやってるんだ?」

「あっ!大吾おかえりなさい。ごめんなさい。でっかいお皿あります?」

「たしか……これでいいか?」

皿を渡すと名無しは 刺身を綺麗に盛り付けをした。

「美味しそうだな」

「ふふ。準備してますから、風呂でも入っててください」

「お言葉に甘えて」

風呂の準備をして風呂に入る。
今日の疲れを流して、髮をタオルで、ガシガシ拭いて、ルームウェアに着替えてリビングに戻ると、料理が用意されていた。

「ビールでいいですか?」

「あぁ」

ビール瓶を名無しから受け取ってソファに座り二人で乾杯した。 
名無し作る料理は、どれも美味しく、会話を楽しみながら時間が過ぎていった。


「夜桜もいいですね」

「あぁ」

庭に出れば夜桜が綺麗に咲いていた。
この桜を見ると 毎年続けばいいと願望してしまう。
桐生さんから頼まれ、東城会六代目になってから命は何回も狙われ続けてきた。こうして生きてる事に感謝で、出来たら毎年名無しと桜を見たい。 

「大吾さん?何か言いました?」

「いや……」

「そうですか?」

わがままな願望だと思う。
約束なんて出来ないのに。
お互い知ってるはずなのに。
でも……。

「名無し」

「はい?」

優しく抱いて、キスをする 。
最初は浅く、段々深くなっていく。

「……また来年も桜見よう」

「はい」




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