夢では大吾にゃん

朝、目を覚ますと、何時もの視界が違う事を気がついた大吾。
家具が大きく見えて、自分の目がおかしくなったのかと目を擦ろうとしたら、猫みたいな仕草に驚き、鏡の方面を見ると、黒毛猫の姿がうつっている。

「これは……夢か?」

猫になった自分がいるのだ。
どうしたらいいのか分からず、取り敢えずベットから降りて、リビングに移動した。

「おはよう!大吾」

名無しが、大吾を軽々持ち上げ、ギュッと抱きしめると、変な感じになる。

「名無し大変だ!俺猫に」

名無しに伝えようと喋ろうとしても、猫になった大吾の言葉は、伝わる事はない。

「どうしたの?騒いで?あっ!分かった!餌が欲しいのね。ちょっと待ってて」

「違う!くそ!言葉が伝わらない」

伝わらない事にイライラすると、全身の毛が、一瞬にして逆立ちする。

「何怒ってるの大吾?」

餌を持ってきた名無しを見ると、少し落ち着いて。

「わ……悪い」

反省の声で鳴くと、大吾の目の前に餌を置き、笑顔で”お食べ“と言われると、食べないわけもいかず、勇気を出して一口食べると美味しく、夢中でガツガツ食べた。


「ふぅ〜旨かった」

と満足して、自然に毛ずくろいを初めて
終わると、猫らしい行動をする。家の中を点検するようにウロチョロするのだ。それが終わる頃、名無しが始めた掃除機の音に驚き、高い所に隠れる。猫は大きい音が苦手らしい。

「はぁ〜。いつ人間に戻るんだよ」

「大吾!終わったよ」

「ん?やっと終わったか」

ピョンと高い場所から降りてると、猫って凄いなと、ついつい関心してしまう。

「って関心してる場合じゃない!なんとか元に戻る方法考えねぇと」

名無しの側に寄ると。

「ブラシしてあげるね」

ブラシをして貰うと気持ちくて、この先猫でもいいなと思い始めてしまう。
次に猫じゃらしを持ってきて、フリフリと振ると猫の習性か大吾はそれに飛びかかリ、夢中で猫じゃらしと格闘してしてしまった。
散々遊んだ大吾は、疲れて、名無しの股の上に移動して寝る。

「ふふっ……お休み大吾」

キスされそうな所で夢から覚めた大吾は、ガバッと起きる。

「………夢か……」

時間を見れば朝5時で、横ではぐっすり眠る名無しがいて、今日は幹部会があり、二度寝する訳もいかず、リビングに移動すると、黒毛の猫が急に視界に入りビックリして、大声で叫んでしまったのだ。
後々名無しに笑われてしまう大吾なのでした。




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