愛しの確信犯
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「なまえさん?どうしたんですか?急に」
約2週間、これでも僕らからすると早い方で…やっと逢えると言う日の彼女の突然のわがまま。
どうしても逢いたいなら今いる場所まで来てって。
「……」
『も…もちろん来てくれるよね?相なまえさん』
どこか不機嫌な声で決定事項の様な問い掛けに唖然食らう僕。
「ごめん、其処には行けないよ。訳は言わなくても分かるよね?」
『…』
長い沈黙の後聞こえたなまえさんのため息は、最初から僕がどんな答えを言うかなんて分かってて、でもね?どうしていつもこうなの?やっと逢えるって時に最近多いよね。
なまえさん。
僕の仕事は傍から見たら裏方だけど担当する彼のこれからを少しばかりは担ってる。
一日のほとんど愛想笑いで過ごす事もある、最悪な事にサポート側の僕らが彼らと一緒に露出する機会が増えてその分連絡も減って、寂しい思いや不安や心配もかけてるって自覚あるよ。
だから逢えたら思いっきり甘やかせてあげたいって……いつも思ってるんだよ、なのに。
……‥ねぇ誰と電話してんのなまえ、もしかして男?
(そう言う男の貴方はどなた?なに人の彼女呼び捨てにしてるんですか?)
『…しっ─!あ、あのっ相なまえさん…ごめんなさ……「…なまえさん
……はい!
そちら随分楽しそうだから今日は止めときましょう」
『へ?!…ごめんなさいっ!ちょっと…あの…まっ…て…っ!だか…ら…』
「…私は…仕事に戻ります、あくまでも貴女は未成年ですよ、これ以上言わせない下さい」
我ながら、大人気ない。
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