自意識過剰が愛を生む
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キャー!!なまえが相名字先輩に告白されてるー!
『…』
「聞かれちゃったね?ごめんね?」
『……』
「なまえさん?大丈夫?」
『…っあ!はい!』
「フフ、元気がいいね、そこが好きなんだ」
『!』
なまえさん、チュッ…
首を傾げ私に近付いた相名字先輩が何をしたか一瞬分からなかった。
「顔真っ赤、可愛い」
なまえさんの気持ちは僕と同じと信じてる。ツッコミどころ満載の言葉と、私の頬をひと撫でして去っていった。
「なまえ大丈夫?」
暫くして優しく声をかけてくれたのは親友の美香。眉尻を下げ心配そうな目。
『っ……美香』
「なまえより皆の方が羨ましそうに見てたよ」
『ん…』
「『でもね・・・』」
先輩の事は好きでも嫌いでもない。
と言うのも言葉をしっかり交わした事がない告白される意味が解らない。
私を好き?なんで?元気がいい?確かにいいけど。
私も同じ気持ち?どうしてそう思うんだろう。
相名字先輩。顔が小さくネコみたいなつり目、笑うと八重歯が可愛いと評判、背はそう高くないかな。
人気者だからすれ違った時は、必ずと言っていいほど女子がそばに居て楽しそうにしている。
ただ、その相名字先輩。
僕の告白に落ちない女子はいない。と豪語する自信家のウワサ。先輩ならそれでもいい、という者。女をバカにしてる、という者。
私はどちらかと言えば…後者だった。
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