それぞれの想い


「うーん…やっと一息つけるっ」

職場のお昼休み、ごんべいはうーんと伸びをし、お弁当を広げ昼食を取り始める。
ピピッと音が鳴り、スマートフォンが震える。

「明日、仕事終わったら迎えに行くから。二人でゆっくり過ごそ」

愛しい彼からのラインであった。
ごんべいは楽しみにしてると返事をし、ポチッと送る。

「ヒロ君…まさか貴方と付き合える事になるなんて」

ごんべいはヒロとの再会を思い出し、思わず頬を染める。
ヒーローヒロは、ごんべいの高校の同級生であり、彼女が想いを寄せる人であった。
告白出来ずに卒業してしまい、つい最近あった同窓会で再会した。
会えただけで満足だったごんべいだが、ヒロも彼女の事がずっと好きだった事が判明。
無理やりホテルに連れ込まれたが、ごんべいもヒロの事がずっと好きだった事もあり、彼を受け入れ付き合う事になった。

「ヒロ君…早く会いたいな」

彼に会えるのが待ち遠しい。
ごんべいは昼食を食べ、仕事に打ち込みながらヒロの事を想うのであった。




そして、次の日の夕方。
週末という事もあり、職場の同僚達の足取りも軽い。
仕事終了のチャイムが鳴ると、みんな一斉に伸びをし、せっせと身支度をし帰路について行く。

「私も急がなきゃ」

急いで帰り支度をし、会社の外へと走る。
そこに愛する彼が待っている筈だったのだが、予想もしていない男性がそこにいた。

「…ごんべい」
「!ワキ…」

それは、ごんべいの元彼ワッキーワキであった。
彼女がヒロと付き合う事になった為、彼とは別れてしまっていた。

「どうしたの…?」

ヒロがもうすぐ来てしまう、ごんべいは早く用件を済ませたい。

「…ここじゃあれだから、そこの公園に行こう」

職場の近くにある大きめの公園を指差し、ワキは言う。

「…分かった」

ヒロが来るまで、まだ少しだが時間がある。
ごんべいはワキと共に、公園へと歩き出す。




「…ごんべい、俺達もう一度やり直せないか?」

公園の中を歩きながら、ワキは重い口を開く。
ここに来るまで、一言も言葉を交わしていなかった。

「ワキ…」
「ごんべいが新しい男の方が好きなのは分かってる。けど…俺もまだごんべいの事好きなんだよ。…諦めきれねぇ…」
「…」

ワキの悲痛な思いを聞き、ごんべいは胸が締め付けられる感覚がした。

(私が同窓会に行かなければ、今でもワキと付き合ってた。突然別れを告げられて…ワキだって納得出来る筈ないよね…)

ごんべいは立ち止まり、ワキの顔を真っ直ぐに見つめる。

「ワキ…ごめんね。一方的に別れるなんて言っちゃって…。でも、私…やっぱり今の彼が好きなんだ。ずっと昔から好きで…その彼と再会して私…まだ彼の事好きだって分かった。だから…貴方とはもう付き合えない。ごめんね…」
「ごんべい…」

はっきりと、ごんべいは自分の想いを伝えた。
彼とはもう付き合えない、私が好きなのはヒロだと。

「…そっか、分かったよ。ごめんな…お前を困らせて」

苦い表情を浮かべ、ワキは笑う。

「どうしてもごんべいに会いたくてさ、やり直せたらって。…けど、もうお前の事すっかり諦めるから。ほんと、悪かったな…」
「ワキ…ううん、私こそ、ごめんね…」
「気にすんなよ、俺も新しい彼女見つけるからさ。ごんべいも幸せになれよ?じゃあな」

爽やかな笑みを浮かべ、ワキはそう言い走って行ってしまった。
彼なりの最後の優しさであった。

「ワキ…本当にごめんね、ありがとう…」

彼の幸せを願わずにはいられない。
ごんべいは彼の後ろ姿が見えなくなるまで見送ると、待ち合わせの職場へ戻る為歩き始める。

「ねえヒロ…良いでしょう?」
「!ヒロ…?」

歩く先から声が聞こえ始め、ごんべいは咄嗟にその歩みを止め、様子を伺う。
遠目だが、女性が男性に腕を組み歩いているようだった。

「私達すっごくお似合いだし…」
「…」

男性にうっとりとしながらそう言う女性、そして黙ったまま歩いている男性は、紛れもなくごんべいの彼であるヒロであった。

「ヒロ…」

ごんべいはいたたまれなくなり、その場から慌てて走り出す。

(あの女の子は誰…?ヒロの彼女…?私は遊び…?)

嫌な考えばかりグルグル渦巻いてしまい、ごんべいは公園を抜け、職場も通り越してしまう。

「…駄目、何にも考えたくない…」

ごんべいはヒロと会う気になどなれず、そのまま家へと向かう。
スマートフォンがブルブルと震え、着信があるという事を教えていたが、ごんべいはそのまま歩き続ける。

「はぁ…」

何にも考えたくなかった。
ヒロが女性と腕を組んでいた場面ばかり、脳裏に焼き付いてしまっている。

「何にも考えたくない…早く寝よう…」

家はもう目の前だ。
ごんべいが駆け出そうとすると、背後から突然ガシッと腕を掴まれる。

「?!」
「…何で電話に出ないの、ごんべい」

険しい表情をしたヒロであった。
ごんべいを強い瞳で見つめ、視線を外らせようとしない。

「会社にもいないし、電話しても出ない。どうして?」

口調は柔らかかったが、明らかに怒りを含んだ声である。
ごんべいはヒロの視線からゆっくりと目線を外し、口を開く。

「だって…ヒロ、女の子と…歩いてたから…」
「…何で知ってるの?ごんべいもあの公園にいたの?」
「…」

ワキの事は、ヒロに言いたくなかった。
ごんべいが黙っていると、ヒロは彼女の腕を掴んだまま歩き出す。

「!ちょっとヒロ…っ?!」
「…」

ごんべいが腕を外そうとしても、ヒロの力が強くビクとも動かない。
彼に連れてこられた先は、先程の公園。
遅い時間になったせいか、人はまばらであり、虫の鳴く声しか聞こえない。

「…俺はやましい事はしていない」

ヒロはやっとごんべいを解放し、彼女を見つめ言った。

「俺に腕を組んできたあの女は、ごんべいも知ってる筈だよ」
「え…」

ヒロの言葉に驚きの表情を浮かべるごんべい。

「同級生だよ、同窓会にも来てただろ」
「!あ…」

確かにと、彼女の姿を同窓会でも見たとごんべいは思い出す。
ヒロが来た事に、一番喜んでいたのが彼女であった。

「俺が仕事が終わったら外で待っててさ、話があるって。そうしたら腕組まれて、私と付き合ってとか言い始めて。勿論はっきりと断ったよ、俺には大切な人がいるからって」
「そう、だったんだ…」

真実を知り、ごんべいは納得する様に頷く。
確かに、嬉しそうに腕を組んでいたのは女性の方であり、ヒロは無言のままであった事を思い出す。

「俺はごんべいが好きだ。君しか…俺には見えない」

ヒロはそう呟き、ごんべいの頬に手を伸ばし優しく撫でていく。
彼の細く長い指が這い、頬に熱が帯びていくのを感じる。

「…さて、今度は君の番だよごんべい。どうしてここにいたの?」

真っ直ぐ強くごんべいを見つめるヒロに、彼女は慌てて口を開く。

「!あ、あの、元彼が待ってて話があるって言われて。…ここの公園まで来て、やり直したいって言われた」
「…」

ごんべいの言葉に、ヒロの整った顔が若干歪む。

「でも私はヒロが好きだから…やり直せないって断ったわ。私は…貴方がずっと好きだったから。10年前の時からずっと」

ごんべいは頬を染めながら、真っ直ぐにヒロを見つめそう言った。
高校の卒業式の時、彼に声をかける事が出来ず見ている事しか出来なかった。
だが今は違う、自分の言葉できちんと思いを伝える事が出来た。

「…大好きだよ、ヒロ」

ごんべいは自分から顔を近づけ、ちゅっとヒロの唇に優しくキスをした。

「…」
「!きゃっ、ヒロ?」

ごんべいのキスを受け、ヒロは無言のまま再び彼女の腕を掴むと、茂みの中へと入っていく。
そして、茂みの中の太い木にごんべいを押し付けると、そのまま唇を奪う。

「んっ!んん…っ」

ヒロの舌が直ぐに挿入され、ごんべいの歯列をなぞったり、舌を見つけると絡ませていく。

「ん…ふ…っ」

キスの合間に息継ぎをするが、すかさずヒロが唇を触れ、舌で口内を掻き乱していく。

「はぁ…ん…」

キスが終える頃には、顔中が蕩けてしまいそうな程火照ってしまっていた。
そんな彼女をじっと見つめるヒロ。

「ごんべい…君が好きだ。君は俺だけのものだ。元彼にも誰にも、君は渡さない」
「ヒロ…うん。私も…貴方が好き。私だけのヒロで…いてね?」
「ふ…当たり前だろ?俺はずっと君が好きだったんだ…」

そう微笑むと、ヒロはごんべいの首筋に吸い付き、赤い痕を残し始める。

「んっ…!ヒロ…だ、だめ…っ」

ごんべいのブラウスのボタンをプチンと音を立て外し始めるヒロに、彼女は首を横に振る。

「なんで駄目?君を抱きたくて仕方ないのに」

そう言いながら、ヒロはボタンを全て外してしまい、ごんべいのブラに包まれた乳房を露わにさせる。

「だ、だって…ここ外だよ?誰かに見られたら…」
「大丈夫、今の時間この公園あんまり人いないから。…君が可愛すぎて、もう我慢効かないんだよ…」
「で、でも…っ、あっ、あぁっ…!」

ヒロに反論する前に、ごんべいの声は甘いものへと変化する。
ブラに包まれた乳房をヒロが両手で掴み、ぐにゅぐにゅと指を食い込ませながら揉み始めていた。

「ごんべいのおっぱい…ほんと大きくて可愛い…。夢中になっちゃうな…」

ごんべいの大きな形の良い乳房に、ヒロの整った顔が赤く熱を帯びていた。
ブラの上からでもその柔らかさが分かり、ヒロは夢中で揉みしだいていく。
そして、指先で乳房の中央辺りを左右に撫でていくと、ごんべいがビクッと反応する。

「あんっ!やぁ…ヒロだめぇ…」

フルフルと首を横に振るごんべい。
その行動がヒロの理性を更に奪っている事を、彼女は知らない。
ブラ越しに何度も擦られ、ムズムズとした甘い渇きと共に乳首かその存在を強調してしまった。

「ほら…乳首が硬くなっちゃった。可愛いな…」

既にヒロの理性はない。
彼の中でも、ごんべいが元彼からよりを戻そうと言われた事が、嫉妬となって行動に現れていた。

(ごんべいは10年前からずっと俺のもの。…他の男になんか絶対渡さない…)

ごんべいと再会して以来、ヒロの瞳には彼女しか映っていない。
他の女性から幾ら誘われても、まるで興味などない。

「…好きだよ、ごんべい…愛してる」
「あっ…ヒロ…私も…愛してる…」

お互いの想いを確かめ合い、二人は再びキスを交わす。
何度も舌を絡ませ、お互いの存在を確かめ合う。
そうしながら、ヒロの指は背中を這い、ブラのホックをパチンと音を立て外してしまう。
すると、窮屈さから解放された二つの乳房がぷるんっと揺れながら露わになる。

「…綺麗だ…ごんべいのおっぱい、本当に綺麗だよ…」
「ヒロ…嬉しい…」

思わず見惚れてしまうヒロに、ごんべいは嬉しそうに答える。
そして、彼はその乳房に吸い込まれる様に顔を埋め、硬く尖る右の乳首を口の中に含み、ちゅううっと音を立てながら吸い始めた。

「あぁんっ!」

ビクンと、ごんべいの身体が震える。
右の乳首をちゅうちゅうと吸いながら、左の乳房を丹念に揉み込み、親指と人差し指で摘み、くいくいっと捻る。

「ああんっ、あっあっ…あぁん」

ここはホテルや家の中ではなく、夜の公園の茂みの中だ。
木に囲まれ人から見えないとはいえ、いつ此方に人が来てしまうか分からない。

(声押さえなきゃ…誰か来たら…)

ごんべいはそう思い、口を自分の手で押さえる。
が、ヒロはそんなごんべいの口から甘い声を引き出そうと、硬い乳首に舌を絡ませながら舐め上げていく。
そして、左の乳首も捻りながら上へと引っ張り擦り上げる。

「はあんっ、あんっ、あっあぁん…ヒロ…っん、あぁん…」

声を押さえる事が出来ず、ごんべいは甘い声を響かせてしまう。

「可愛い声…ん、もっと聞かせて、ごんべいの甘い声…ちゅ、ん…」

ヒロはそう呟き、指で愛撫した左の乳首に今度は吸い付き、その硬さを堪能する様に音を立てていく。

「はあんっん…あんっあぁん…」

硬く乾いてしまった乳首に熱い舌が這わされ、何とも言えず心地良い。
右の乳首は変わりに指で摘まれ、ヌルヌルとした感触を楽しむ様にコロコロと転がしていく。

「ああぁん…はぁん…良いよぉ…ん、はああん…」

ヒロの頭を抱え、ごんべいは背にある木に頭を当て仰け反ってしまう。
人が来てしまうかもしれないのに、ごんべいは声を我慢する事が出来ない。

「ちゅうっ…ごんべい…」

理性などとっくに何処かへ行ってしまったヒロ。
ごんべいの甘い声に煽られる様に、彼は乳首から顔を上げ、お腹を通り越し彼女のスカートの中へ。
下着をすっと足首辺りまで下げてしまうと、そのまま快楽の蜜で濡れた脚の間へ顔を埋め、舌を当て舐めていく。

「はあぁあんっ!」

ごんべいの声が更に大きく上がる。
手で再び口を押さえるが、あまり意味はない。

「ごんべい…声我慢しないで。誰も来ないよ…ん、じゅるっ」

ごんべいの声が聞きたいヒロ。
両手で内腿を押さえぐいっと開かせると、蜜の入り口がひくっと疼く。
そこに吸い付き、じゅるじゅると音を立て溢れ出る蜜を舐め取っていく。

「ああぁんっ、あんっ、あんっ、はぁあん…」

近くまで来なければ分からないだろうが、ごんべいの声は大きく響き、甘美な雰囲気を漂わせている。
ヒロも大きく口を開き蜜の入り口に吸い付き、何度も彼女の甘い蜜を堪能していく。

「はあぁん…あっあっ、あぁあんっ…良い、よぉ…はああん…」

脚の先がツンと張り始め、頭の中が白く靄がかかり始める。
そんな彼女の気配をいち早く察知し、ヒロは蜜の入り口から直ぐ上にある赤い突起を口に含み、ちゅううっと吸っていく。

「あぁああんっ!ヒロだめっだめぇ…っはああんっ!」
「駄目じゃないだろ…そんな、ん、良い声上げて…ん、じゅるっ」

一度口の中から抜き、レロレロと舌先で突いてから再び口の中に含み、小刻みに吸い上げると、ごんべいが腰を浮かせてしまっていた。

「あぁああんっ、だめぇっ、イっちゃ…ん、はぁんっ、あっあっあぁあん!」

ごんべいは全身を大きく震わせ、背後の木に身体を預けながら達してしまった。

「…ごんべい、イっちゃった?」

分かってはいるが、ヒロは確認する様に微笑みながら問う。

「はぁ…ん、イっちゃった…」

潤んだ瞳で頷くごんべい。
ここが野外の公園だという事を、彼女も既に忘れてしまっていた。

「…じゃあ…俺も我慢限界だから…」

ヒロはそう言うと、一応周囲を見渡す。
ごんべいの身体を誰かに見られるのは、彼にとって許せない。
確認すると人の気配もなく、ヒロはごんべいをくるりと身体を反転させ、お尻を突き出させる。
そして、そのまま熱くなった自身を取り出し、ごんべいのトロトロに蕩けた蜜の入り口に当てる。

「はあぁあ…」

ズプリと音を立て、ヒロのものがあっという間にごんべいの中へと呑み込まれていく。
奥へと辿り着くと、ヒロは直ぐに自身を先端部分を残して抜き、そして一気に奥へと突き上げる。

「あぁああんっ!」

思わず木をぎゅっと掴み、刺激に耐えるごんべい。
彼女の腰を掴み、ヒロは抜き挿しを繰り返していく。

「はあぁんっ、あぁあん、ヒロの、硬い…っ」

硬く熱いヒロのものが膣の壁を擦りながら抜き挿しされる感覚が、何とも言えず心地良い。

「く…ッ、ごんべいが可愛いから…君が好きだからだよ…ッ」
「あっあぁあんっ!嬉しい…っはあんっあっ、あぁああん」

グンとごんべいのお尻がヒロの肌に触れる程奥まで入り、強い快楽にお互い表情を歪ませる。
ごんべいも自ら腰を打ち付け、ヒロのものを感じていると、彼のものが嵩を増し、壁を更に擦りながら奥へと突き上げられていく。

「はあぁあんっ、あんっあんっ、ヒロ…っ」
「は…ッ、ごんべい…ッ…」

抜き挿しのリズムを早め、ヒロは奥へ奥へと自身の先端を打ち付ける。

「良い…っはああん…ヒロっ…ああっ、あっ、あぁああん!」
「ごんべい…ッ…!」

ごんべいが声を響かせると、ヒロのものがドクンと波打ち、熱い欲望が彼女の中へと流れていく。

「はあ…はぁ、ん…」
「ごんべい…」

ごんべいの背に身体を預け、ヒロは彼女のお腹に両手を回す。

「…好きだよ、ごんべい。ずっと一緒にいよう」

そう囁き、ヒロはごんべいの耳朶にキスをする。

「うん…ずっと、ずっと一緒にいてね、ヒロ…」
「ああ…」

熱が冷めるまで、二人は暫く抱き合っていた。
お互いの想いが再確認され、ごんべいとヒロの愛は更に深まるのであったー。


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