喧嘩する程仲が良い


「もう…何で出ないのよ」

ごんべいは、恋人であるヒロロウに電話をかけていた。
トゥルルル…と、無機質な呼び出し音が上がるだけで、一向に出る気配がない。

「ロウ早く出て…」

無性に、ロウに会いたくて仕方がなかった。
会えないなら声だけでもと、ごんべいは最近お互い忙しくてなかなか会えない寂しさを、何とか紛らわしたい。
だが、そんな思いは届かず、ロウの呼び出し音は留守電へと変わっていた。

「…もう!何よロウの馬鹿っ」

ごんべいはスマートフォンをベッドに置くと、そのままふて寝する様に顔を埋める。
寂しさは、段々と眠気とへと変わりそのままごんべいは眠りに落ちて行った。



ブーブーッと、スマートフォンがベッドの布団の上で震えている。

「ん…何…?」

頭の中が寝ぼけたまま、ごんべいはスマートフォンをゆっくりと掴む。
その呼び出し名は、ヒロロウと表示されていた。

「…もしもし」

通話ボタンを押し、ごんべいは低い声でそう言った。

「ごんべい?ごめん、電話に出られなくて。ちょっと忙しくてさ」

電話の向こうで、ロウが申し訳なさそうに言った。

「…忙しくって何?私に会いたいとか思わなかったの?」

直ぐに許そうとは思えず、ごんべいは低い声のままそう返す。

「会いたかったよ、ごんべいに滅茶苦茶甘えたいし。けど忙しくてさ…ほんとごめん」

ロウは、本当に心から申し訳ないという気持ちが言葉に秘められていた。
だが、ごんべいはどうしても許そうという気持ちが芽生えてこない。

「会いたかったんなら直ぐ電話出られるでしょ?!私だってロウに会いたかったのに、忙しい忙しいって。…もういいよ」
「んだよ、そんな言い方ねぇだろ?好きで電話出られなかったんじゃねぇんだから」

ごんべいの言葉に、ロウも思わず反論していた。
それが更に彼女の怒りに火を付け、スマホをぎゅっと握り締める。

「何よ、私が悪いって言いたいの?」
「だからそうじゃねぇって…」
「そう言ってるじゃん!もういいっ!」

ごんべいは通話終了ボタンを押し、そのままベッドに再び置くと、はあっと息を吐く。

「はぁ…こんな事言うつもりじゃなかったのに…」

ロウから電話がかかってきて、謝ってくれた事はとても嬉しかった。
なのに、嬉しい気持ちより怒りの気持ちが大きくなってしまい、思ってもいない事を言ってしまった。

「もう嫌…」

ごんべいは再びベッドに突っ伏し、そのまま眠ってしまった。




ロウと喧嘩してしまってから数日経ったが、彼からはまだ何の連絡も無い。
自分が悪いんだから仕方ないと、ごんべいは自分にそう言い聞かせようと思ったが、やはり寂しい。

「ロウの馬鹿…私に会いたくないの?…私…会いたいのに…」

スマートフォンと睨めっこをしながら呟くごんべい。
だが、幾ら待ってもスマートフォンは無言のまま、真っ黒な画面でただ彼女を見返しているだけ。

「はぁ…私ってほんと意地っ張りだよね。…もう少し素直になりたい」

いつまでも意地を張ってたら、このままずっとロウと仲直り出来ないかもしれない。
それだけは絶対に嫌だと、ごんべいは意を決してロウへ電話をかける。
無機質な音の後、今回は直ぐにガチャっと応答する音が上がった。

「…何?」

何日振りかに聞く、ロウの低い声。
出てくれた事だけでも良かったと、ごんべいはふうっと息を吐いてから話し始める。

「ロウ…?あの…この間はごめんね。つい、カッとなっちゃって…」
「…」

ごんべいの言葉に、ロウは無言のままだ。

「ロウに会いたくて仕方なかったの。でも会えなくて頭に来ちゃって…。ロウが忙しいの分かってたけど、でも…我慢、出来なくて…。ほんと、ごめんね…」

見えないと分かっているが、ごんべいはその場で頭を下げる。
ロウに対して、本当に悪い事をしたと思っているからこそ、咄嗟に彼女は行動に移していた。

「…今から来いよ、俺んとこ」

無言のロウがごんべいの言葉を聞き、低い声のままそう言った。

「え?」
「…」

ごんべいが声を上げる前に、ロウの電話は切れてしまっていた。
彼はまだ怒っている、そう思うと彼女は思わず溜息を吐く。

「やっぱり…ロウまだ怒ってるよね。…よし、怖いけど、来いって言ってるんだし、直接会ってちゃんと謝ろう」

怒っているロウに会う事が怖かったが、そんな事も言っていられない。
ごんべいは素早く支度をすると、彼のマンションへと急ぐのであった。




「…ロウ?」

ロウのマンションの部屋のインターフォンを鳴らし、ごんべいは彼が出てくるのを待つ。

「入れよ」

ドアが開き、中から顔を覗かせたロウは、一言そう言った。

「う、うん…」

久しぶりに会う愛しい彼に抱き着く事など出来ず、ごんべいはゆっくりと部屋の中へと入る。
部屋に入っても彼女を見ようとせず、ロウは背を向けたままであった。
ごんべいは意を決して、玄関のドアを閉めると彼の腕を掴む。

「ロウ、ほんと…ごめんね。ロウに会いたくて仕方なくて、我慢出来なくてあんな事言っちゃって…。本当、ごめんなさい…」

ごんべいは精一杯、気持ちを込めてそう言った。
ロウが許してくれなかったらと思うと怖かったが、それでも謝るしかない。

「…」
「っん…!」

ロウがごんべいの方へと振り向いた瞬間、彼女の唇は彼に奪われていた。
唇をこじ開けられ、舌が挿入されると、歯列をツーっとなぞられ、そのまま口内を掻き乱される。

「んん…っ、ふぁ…っ」

ロウの激しい口づけに、ごんべいは吐息を漏らしてしまう。
ちゅうっと舌を吸われていくと、彼はやっと彼女を解放した。

「…ごんべい」

キスを終えると、ロウはごんべいをじっと見つめる。
その強い瞳は、有無を言わさない鋭いものであった。

「…俺だってな、ずっとごんべいに会いたかったんだよ」
「え…そう、なの?」
「お前が一番知ってるだろ、俺が構ってちゃんってのは。…ごんべいに甘えたくて堪らなかった。けど忙しくて会う暇もなくてよ…」

ロウはそう呟くと、ごんべいの頬に指を這わせていく。

「どんだけこうやって触れたかったか…。…もう、我慢出来ねぇからな」
「!んっ…!」

ロウの瞳が鋭く光ったと思ったら、ごんべいの唇は再び奪われていた。
舌が口内を波打つ様に動き、彼女の官能の渦を刺激していく。

「んん…ぁ…っ、ロウ…」
「ちゅ、ん…ごんべい…ッ…」

ごんべいがここに来た時から、ロウの理性は既に無くなっていた。
彼女を玄関の壁に押し付けると、唇から首筋へと舌を這わせ、その白い肌を舐め上げていく。

「あっ…あ…っ」
「ん…ごんべい…悪ぃ…ベッドまでお前を連れて行く余裕ねぇ…」

愛しい彼女の肌にずっと触れたかった。
それが叶った今、ロウを縛るものは何もない。
首筋に強く吸い付き赤い痕を残しながら、彼はごんべいの服の裾を掴むと、そのまま上へとたくし上げていく。

「あっ、や…ロウ…私、シャワーも浴びてない…」

シャワーを浴びないと気持ち的に嫌であり、ごんべいは慌てて言った。

「シャワーなんか浴びさせねぇ。言っただろ、もう我慢出来ねぇって」
「で、でも…」
「…もう黙れよ…んっ、ちゅう」
「あんっ!」

ごんべいの声を遮る様に、ロウはブラもたくし上げてしまうと、露わになった彼女のピンク色の右の突起に吸い付く。
ちゅうちゅうと音を上げながら吸い続けると、突起は硬く尖っていき、ロウの唇にその硬さを伝わらせる。
彼はその硬さを味わおうと、何度も吸い上げていく。

「あぁんっ!やぁ…ああんっ」
「可愛いな…。ごんべい…その声、もっと聞かせろ…」

ロウは甘くなったごんべいの声にニヤリと笑うと、左の乳首も親指と人差し指で摘むと、くいくいっと捻る。

「はあんっ!ああん…っ、ロウ…っん、ああん」

両方の乳首を摘まれ、ごんべいは堪らずロウの肩を掴み、首を仰け反らせてしまう。
その甘い声に誘われる様に、彼は彼女の硬い乳首を唇に挟み吸い上げ、左の乳首も捻りながら上へと引っ張っていく。

「はあんっ、ああん…あんっ、あん」
「ちゅ…乳首、すげぇ硬いぜ…?」

限界まで硬くなってしまった二つの乳首を、ロウの舌と指がそれぞれ愛撫されていくと、ごんべいはビクンと身体を震わせる。

「あぁっ…ん、だって…ロウが…する、から…」
「ああ…こんな美味いご馳走目の前にして我慢なんか出来ねぇからな…」

ロウはそう頷くと、右の乳房の根元を掴む。
そうする事で乳首が前へと突き出たされ、その突き出た乳首を吸い、ちゅうちゅううっと音を立てていく。

「ああんっ、やあぁん、そんなに吸わない、で…っん、はあんっ」
「もっと吸っての間違いだろ…?」

ニヤリと笑みを浮かべ、ロウは右の乳首を吸いながら、左の乳首を人差し指で押さえ、コロコロと転がしていく。

「あぁんっ、あっあっ、ああんっ…良い、よぉ…」

腰の奥がツンと痺れ、甘い快楽が全身へと伝わる。
ごんべいはロウの頭を抱え、その快楽に身を任せていく。
仲直り出来ないと思っていた後の彼の激しい愛撫に、彼女は声を押さえる事が出来ない。
スッと、ロウの右手が左の乳首から離れ、下へと伝っていく。

「ひゃあっ…!」

ロウの細い指がスカートの中へと入り、下着に触れられると、ごんべいは思わず声を大きく上げてしまう。

「…良い反応だぜ…」

愛しい彼女の敏感な反応に、ロウも思わず頬を赤く染める。
下着の間から指を忍ばせると、そこは快楽の証である蜜で溢れ、彼の指を濡らしていく。
蜜を溢れさせる入り口に指を当て、上下に優しく動かし擦っていくと、ビクンと疼き、ごんべいが大きく声を上げる。

「はあぁんっ!」

ロウの肩にしがみつき、ごんべいは強い痺れとなった快楽に耐える。
彼は右の乳首を吸ったまま、蜜の入り口を擦り続けていく。

「あぁあんっ、あん、やぁっ…ああっ…!」

ごんべいの反応に、ロウは乳首から顔を上げ、彼女を見つめる。

「ん…凄いな…ごんべいの蜜、どんどん溢れてくるぜ…?」
「やぁ…言わないで…っ」

頬を赤く染め、フルフルと首を横に振る彼女が可愛い。
そんなごんべいの反応がもっと見たいと、ロウはそのまましゃがみながら、彼女の下着をするりと脱がしてしまう。
そして、ごんべいの左脚を持ち上げると、自分の肩に乗せる。

「こうするとごんべいのここ、よく見えるぜ…?」
「やあ…あっ、あぁあんっ!」

言わないでとごんべいが言う前に、彼女の声が高く上がる。

「ん、じゅるっ、ん…」

ロウが蜜で濡れたそこに顔を埋め、舌で蜜を舐め上げ始めていた。
入り口に舌を当て、下から上へと舐め上げると、入り口に吸い付き、じゅるじゅると水音を上げながら蜜を吸い取っていく。

「はあぁあんっ、あっあっ、あぁんっ。ロウっ…ああっ、だ、だめ、だめぇ…っ」

ロウの舌が動く度に、ごんべいは腰を震わせてしまう。
何かに掴まっていないと直ぐに達してしまいそうで、ごんべいはロウのサラサラの髪に触れる。

「ん、じゅるっ…駄目じゃねぇだろ…こんなに濡らして…」

ごんべいの駄目は、良いという事だ。
彼氏であるロウにしか勿論分からない。
彼は何度も蜜の入り口に吸い付き、溢れ出る蜜を丁寧に舐め取っていく。

「ああぁあん…あぁんっ、あっああん…良い…良いよぉ…」

駄目から、良いへとごんべいの反応が変わっていた。
ロウは蜜の入り口から直ぐ上にある突起を舌でぺろりと舐め上げ、そのまま吸い付く。

「はあぁあんっ!」

突起に吸い付かれた瞬間、ごんべいはロウの頭を抱え、後ろに仰け反ってしまっていた。
彼は突起にちゅうっと吸い付き、舌先でチロチロと弾いていく。

「あぁあっ、あっあっ、ああぁん!だ、だめぇ、ああっ、イっちゃ…ん、はあぁあんっ!」

ロウの頭を抱えたまま、ごんべいは全身を震わせながら声を響かせ、そのまま快楽の頂点へと達してしまった。

「…良い声だったぜ、ごんべい」

ごんべいの脚を持ち上げたまま、ロウは立ち上がり、彼女を見つめる。

「はあ…はあ…ロウ…」

ごんべいもロウを見つめ、荒くなった息を整えようとする。
だが、息が整わないまま、彼は熱くなった自身を彼女のヒクヒクと疼いている入り口に当てる。

「ああっ…」
「ごんべいのせいでこうなったんだぜ…?責任、取ってくれるだろ…?」

ロウはごんべいの脚を腕で支え、そのまま腰に回す。
そして、自身をグッと力を込め当てると、彼女の入り口がズプリと音を立てこじ開けられた。

「はあぁっ…!」

ロウの肩にしがみつき、ごんべいは彼の熱い感覚に声を上げる。
先端部分が挿入されると、蜜で濡れたごんべいの膣は簡単に彼を受け入れ、あっという間に全て呑み込んでしまった。

「は…やっぱ、ごんべいん中熱くて良いな…ッ」

挿れただけで、ごんべいの膣はロウのものを締めつけており、彼にも強い快楽を送る。

「あぁっ…ロウのも、硬い…っ」
「だろ…ッ…?」
「あっ、あぁあんっ!」

ロウがごんべいの腰を押さえながら、腰を動かし始める。
彼のものが先端部分を残し引き抜かれると、一気に奥へと突き上げられた。

「はあぁあんっ、あぁんっ」

突き上げられると、甘い快楽がそこからじんわりと全身に伝わり、なんとも言えない気持ち良さに包まれる。

「く…ッ…」

端正な顔立ちを歪ませ、ロウも腰を動かしていく。
引き抜こうとする度にごんべいの膣が強く締め付け、突き上げる際も待ち望んだ様に彼のものを包み込んでいく。

「はああんっ、あぁん、あんっ」
「ッ…」

ごんべいの甘い声にも、彼女の身体にも全てロウは反応してしまう。
彼は腰からお尻へと手を這わし、そのままぐいっと持ち上げる。

「あぁああんっ、やぁんっ、ロウの…奥に…あぁあんっ」

持ち上げられた事で、ロウのものが更に奥へと当たり、ごんべいは堪らず声を響かせる。

「この方がもっとごんべいを感じられるからな…ッ」

ロウはごんべいのお尻を掴み、自身を何度も抜き挿ししていく。

「ああぁあんっ、あんあんっ、はあぁん」

ごんべいの喘ぎ声と共に、抜き挿しが激しくなり、動く度にぐちゅくちゅっといやらしく水音が上がる。
ロウはそんな事気にせず、自身を打ち付け、抜き挿ししていく。

「あぁああんっ、あん、あんっ。良い…ロウ…はぁあんっ」
「ごんべい…ッ…」

抜き挿ししていく内に、ロウのものがビクンと波打ち始め、嵩も増し膣の壁を擦っていく。

「あぁあっ、だ、だめぇ…ロウの…あぁっ、あっあっ、あぁあっ」

ロウを見つめ喘ぐごんべい。
彼はちゅっとキスをすると、腰を激しく動かし嵩を増した自身を奥へと当てていく。

「はあぁあんっ!ロウ…っ、あぁあんっあっあっ、あぁああんっ!」
「は…ッ、く…ごんべい…ッ…!」

お互い腰を激しく打ち付け合うと、ロウのものがビクビクっと波打ち、ごんべいの中へ熱い飛沫を果たしていく。
彼のものが注がれていくのを感じ、ごんべいは熱くなった身体をロウに預ける。

「はあ…はあ…」
「ごんべい…悪ぃ、激しくしすぎた…お前に、会えた事が嬉しくて…」

中に入ったままのロウのものは、欲望を果たした後もビクンと疼き、ごんべいに刺激を送る。

「ん…大丈夫…。ロウと仲直り出来ただけで私…嬉しいから…」

ごんべいはロウを見つめ、そう頷いた。

「…怒ってねぇよ。俺は…ごんべいが側にいててくれればそれでいい。…ずっと、一緒にいような」
「ロウ…うんっ!」

ごんべいは笑顔で頷き、ロウの胸に顔を埋める。
喧嘩もお互いの想いを確かめ合う為には時には必要だと、ごんべいは改めて思った。
ロウとごんべい、二人はまた一歩仲良くなったのであったー。


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