死の街で 後編


「ここ…?」

木造の古い小さな民宿であったが、それでもしっかりとした建物であった。
ゾンビの声も聞こえなくなり、この周囲にはいない事を物語っていた。

「ロウは…あ!」

ロウの姿を探していると、彼も丁度こちらへと向かってくる所であった。

「ロウ!良かった、無事だったのね」

想いを寄せる彼に会えた事が嬉しく、ごんべいはお尻の痛みも忘れ、駆け寄っていた。

「この私が怪我など負うわけがないだろう。…お前も良く辿り着けたな」
「ほんとは心細かったけどね。でも、これがあったから何とか来れたわ」

ごんべいはふふっと、ロウに笑いながらハンドガンを見せる。

「ふん、まあ無事ならそれで良い。…どうやらまだ救助隊は来ていない様だな」

民宿を見渡しながら、ロウは言う。

「ロウ、この民宿真っ暗だけど…」
「何ヶ月か前に閉鎖しているからな。だからこそ、人もいない、イコールゾンビもいない」
「そういう事ね」

ロウの的確な説明に、ごんべいは直ぐに納得する事が出来た。

「救助隊が来るまで中で待つ。一応中もゾンビがいないか確認するぞ」
「分かったわ」

民宿の中へ入ると、真っ暗で埃の臭いが立ち込めるが、電気を付けたらゾンビに分かってしまう為、救助隊が来るまでは極力、この真っ暗な中で過ごす事になった。
二階建ての民宿の部屋を一つずつ確かめながら見回りし、全ての部屋にゾンビがいない事が確認された。

「良かった…ゾンビいなかったね」
「ああ。だが、奴らは動くものや明かりに反応する。極力明かりは付けるなよ」
「うん、分かったわ」

ロウの言う事が正確だと言う事は、彼と過ごして来た短い時間の中で確信されていた。

「…」
「…」

民宿のロビーで、ごんべいとロウはそのまま口を閉ざしていた。
ロウは窓を見つめ周囲を伺っており、ごんべいはそんな彼を見つめていた。

(ロウに会えて良かった。…でも、いざ会うと言えない…)

ロウに会ったら告白しようと思っていたが、彼を前にするとまるでその言葉が出て来ない。

(ロウは私の命の恩人。だからこれからもずっと側にいてほしい)

そう思っているのに、それはなかなか胸の中から口へと出て来ない。
ごんべいのお尻も今頃になってズキズキと痛み、身体中も汗でベトベトになっている事に気がついた。
先程民宿を見回りしていて、ごんべいは大浴場がある事に気がついていた。

「あ、あの、ロウ…」
「どうした」

ロウはごんべいの方へと振り向く。
その端正な顔立ちを見ただけで、ごんべいの胸がドキッとなり、頬を赤くさせていた。

「身体が汗でベトベトで…シ、シャワー浴びたいんだけど、良いかな」

しどろもどろになりながら、ごんべいは言葉を発する。

「ああ、浴びてこい」

ロウは一言そう言うと、再び窓の方へと向き直る。

「じ、じゃあ行って来るね」

ごんべいはそう頷くと、ロビーを後にし、すぐ近くの大浴場へと向かう。

「ふう…ダメだ、ロウを意識しちゃう…」

ロウを好きになってしまったごんべいに、今までの様に接する事は無理であった。

「ゾンビだらけの街で…いつゾンビが来るか分からないのに、私…ロウの事ばかり…」

恋は盲目とは、良く言ったものだ。
今のごんべいにぴったりな言葉であった。
そんな事を思いながら、ガラガラと、横に引くタイプのドアを開け、ごんべいは大浴場の更衣室へと入っていく。

「…今思ったけど、このお風呂…混浴?」

大浴場は民宿に一つしか無く、それは男女混浴を意味していた。

「…ま、いっか。誰もいないんだし…」

ごんべいはそう自分に言い聞かせ、服を脱ぎ始める。
下着だけの状態になった時、ドアが再びガラガラと開いた。

「!ロウ!?」
「何だ、まだ入っていないのか」

突然ロウが現れ、頭が一瞬でパニックに陥ったごんべいと違い、彼は冷静にそう言った。

「ちょ、ちょっと!どうしてロウも入って来るの?!」

慌てて両手を胸の前で組み床にしゃがみながら、ごんべいはロウに言い放つ。

「私もシャワーを浴びたくなった、それだけだ」

ロウは平然とそう言い放ち、負荷を脱ぎ始める。
更衣室も暗い為あまりお互いの姿は見えないが、それでも見えるだけの明るさはあった。

「だだ、だって…ゾンビは平気なの?」
「周囲を見渡したが姿は見えん。油断しなければ平気だろう」
「へ、平気って…」

アタフタするごんべいを尻目に、ロウはあっという間に腰にタオルを巻いただけの状態になっていた。
暗闇に浮かぶ引き締まった綺麗なロウの上半身に、ごんべいは思わず頬を赤く染める。

「おい、脱がないのか?」
「っ…あ、後から行くから…」

ごんべいの言葉に、ロウはそのまま大浴場へのドアを開け、中へと入っていく。
暫くすると、シャーッというシャワーが流れる音が上がり始める。

「…ど、どうしよう…今更入らないって言えないし…」

ごんべいは立ち上がり、どうしたら良いかと頭を悩ませる。

「…きっと、ロウは私の身体になんか興味ないよね!だからこそ、あえて私がいても入って来たんだろうし。よし、入ろう」

自分に言い聞かせ頷くと、ごんべいは下着も脱ぎ、ロッカーの中にあったタオルを巻き付ける。
シャワーの音が上がる大浴場へ入ると、古びてはいるが、それでも綺麗なこじんまりとした所であった。
奥には窓があり、すぐ側に湯船があるが、やはりお湯は入ってはいない。
窓から差し込む星と月灯りのせいなのか、大浴場は結構な明るさがあり、シャワーを浴びるロウの姿も良く見えていた。
ドキドキとしてしまう胸の高鳴りを押さえ、ごんべいはロウから離れた洗い場の椅子に座り、シャワーの栓を捻る。

「気持ち良い…」

閉鎖した民宿で、温かなお湯がまだ出る事自体奇跡であった。
その奇跡を堪能する様に、ごんべいはシャワーを持ち、身体に浴びせていく。
ゾンビがいつ来るか分からないが、今だけ、と思い、ごんべいはシャワーの熱いお湯に身体を預ける。

「おい」
「え?ロウ…?!」

突然ロウの声が上がったと思ったら、ごんべいの手からシャワーが外れていた。

「私が流してやろう」
「へ?」

背後にいるロウを見やると、彼は意地悪く微笑んでいた。
想像もしていなかった言葉に、ごんべいが間抜けな声を出すと、彼はそのままシャワーをごんべいにかけていく。

「どうだ、自分で流すより気分が良いだろう?」

ロウの片手がごんべいの肩に触れ、シャワーを当てながらそのままうなじへとなぞり、もう片方の肩へと撫でていく。

「う、うん…良いね…」

ロウに触れられた肩が、まるで熱を持ったかのように熱くなっている。
しかも、彼の細く長い指が動く度、ごんべいは身体がビクンと跳ねてしまいそうになるのを、必死に堪える。

(どうしてロウはこんな事を…?自惚れてもいいの…?)

ごんべいがそんな事を思っていると、ロウの手が後ろから前へと移動されていた。
鎖骨の部分を優しく指先が這いながら、シャワーの熱いお湯が流れていく。
それだけなのに、ごんべいの身体は敏感に反応し、彼女の中に快感というものを芽生え始めさせていた。

「ロウ…も、もう自分で流すから…ありがとう…」

これ以上ロウに触れられていたらおかしくなってしまうと、ごんべいはロウに向き直る。

「…」
「!んっ…!」

ロウの端正な顔立ちがごんべいの視界に入った瞬間、彼女の唇は彼の唇によって奪われていた。
ロウとキスしてると、ごんべいの頭の中で理解出来ると、彼は角度を変えながら舌を彼女の中に入れ始める。

「んっ…ん…」

ロウの舌は直ぐにごんべいの舌を見つけると、そのまま絡ませていく。
唾液が混ざり合い、キスを終えると二人の間には透明の糸が繋がっていた。

「…ロウ、どうして…」

ごんべいが呆然とロウを見つめると、彼はフッと優しく微笑む。

「女が風呂に入る所に男が一緒に入れば…する事は一つしかないだろう?」
「で、でも…ロウは私の事…」
「私は好きでもない女を抱く程馬鹿ではない」
「!」

その言葉を聞き、ごんべいは驚きの表情を浮かべる。

「…お前と離れ、いつになく他人を心配する自分がいてな。普通の私なら考えられない事であったが…」

ロウはそう囁きながら、ごんべいの頬に触れる。

「…ごんべい、私はお前が好きだ。お前を…私のものにさせろ…」
「!ロウ…っん…!」

ごんべいが頷く前に、再び唇を塞がれる。
先程より激しくロウの舌が入り、ごんべいの中を掻き乱していく。

「んっ…ふ…ロウ…」
「ごんべい…」

キスの合間に囁くロウの声が甘く、ごんべいの脳内まで響き、更に身体を熱くさせていく。
ロウはシャワーをあった位置に戻すと、自由になった両手をごんべいの身体へと這わす。
キスをしながら、ロウは両手をごんべいの脇から差し込み、その先にあるタオルに包まれた大きな膨らみを見つけると、指を食い込ませながら円を描くように揉み始める。

「ぁ…っ、ん…あ…」

身体をピクンと一瞬跳ねらせ、ごんべいは思わず声を漏らしてしまう。

「…やはり大きいな。走っているとよく揺れていたが、お前は気づいていたか?」

キスを終えると、ロウはニヤリと笑いながら言う。

「えっ…そうだったの…?あんまり分からなかった…」
「銃を撃っている時も、良く揺れていた。クク、この大きさなら仕方ないな…」

ロウはそう囁き、タオルの下からぷくっと膨らんでいる小さな突起を見つけると、人差し指の指先で擦り上げる。

「ぁあっ…!や…ロウ…っ」

ロウに揉まれていた為、乳首は既に硬く尖り始めていた。
タオルに擦れながら、ロウの指でも何度も左右に擦られると、乳首はあっという間に限界までに硬く尖ってしまった。

「ふあ…っ!あっ…ロウやだ…っ」
「今更止められる訳がないだろう…こんな良い身体を見せられればな…」

冷静を保っているロウでも、既に理性など無くなっていた。
ごんべいに惚れていると分かった時点で、彼女と同じ様に普通に接する事が出来なくなっていた。
ごんべいが風呂に入らなくても、ロウは違う場所で彼女を抱いていただろう。

(ここまで私が女を抱きたいと思ったのは初めてだな…不思議な女だ)

ロウはそう思いながら、乳首を擦るのを止めずごんべいのうなじや肩に舌を当て、ねっとりと舐め上げていく。

「ふあ…っ!」

ビクンと、再びごんべいが反応し、思わず彼女は首を仰け反らせてしまう。
ロウがそれを受け止めると、露わになったごんべいの首筋に噛み付く様に唇を這わせ、舌で舐め上げる。
そうしながら、タオル毎乳首を摘み、コリコリと捻らせていく。

「ああっ、あんっ!ロウ…っ、あぁ…」
「ちゅ。ごんべい…」

シャワーの湯気が白く立ち込める中、ごんべいの声は段々と甘いものへと変化していた。
その声に誘われる様に、ロウの指が乳首から離れ、既に取れかけていたタオルを取ると、そのまま剥ぎ取ってしまった。

「あ…っ」

床に落ちたタオルはシャワーで濡れてしまった。
そんな事は気にも止めず、ロウはフッと笑う。

「ふ…綺麗だ…」

タオルの中から露わになったごんべいの乳房は大きく揺れ、ロウの目の前にその大きさと形の良さを現していた。

「下着姿のお前を見た時から、私は既に限界だった。…ごんべい、責任は取ってくれるだろう…?」

ロウは耳元でそう囁きながら、直に乳房の根元を両手で掴むと、そのまま捏ねる様に揉んでいく。

「あぁっ…!はあ、っ…責任…」
「そうだ…お前は私のものだ。私をここまで夢中にさせてくれた責任…取ってもらう…」

耳朶を甘噛みし、乳房をぐにゅぐにゅと揉み込んでいく。
ロウの手に揉まれる乳房は大きく波打ち、その柔らかさを彼に伝えていた。
掌に当たる乳首は既に限界まで硬く、揉まれる度に押し潰されながらもその弾力を彼に伝えている。
ひとしきり乳房を揉み込んでから、その乳首を親指と人差し指で摘み、上へと引っ張り上げていく。

「あんっ!あっ、ああ…っ」

乳首から伝わる甘い快楽は、タオルの上からとは比べ物にならない程強くなり、ごんべいの声を大きくさせていた。
乳首を引っ張るのを止め、ロウは乳首の輪郭に沿う様に上下に指を動かしていく。

「はあっ!あんっ、ぁ…ああ…ん」

ロウの逞しい胸に首を押し付け、ごんべいは声を大きく上げてしまう。
ゾンビに気付かれたらと思ったが、好きな男性に触れられ、我慢出来る方が無理な話であった。
ロウは更にごんべいから甘い声を引き出そうと、乳首の根元を摘みクイクイッと捻る。

「ああっ、ん!あっ、あん。ロウ…っ」
「ごんべい…」

ロウの自分を呼ぶ声までもが、既にごんべいの官能を刺激していた。
ロウは一度愛撫を止め、ごんべいの肩を掴みクルリと自分の方へ反転させる。

「あ…ロウ…」
「ごんべい…愛している」

出会って僅かの間だが、ごんべいもロウもお互い惹かれ合っていた。
時間などは関係ないと、ロウはごんべいにチュッと軽くキスをする。

「お前の甘い声…もっとこの私に聞かせろ…」
「でも…ゾンビが来たら…救助隊の人も来ちゃうかもしれないし…」

それだけが気がかりであった。
ゾンビを呼び寄せても困る、救助隊に声を聞かれても嫌であった。

「ここに来るまでにゾンビはいたか?」
「ううん…街を抜けたらいなかった…」
「だろう。建物はここだけだ、ゾンビはいない。救助隊もまだ来ないだろう…」

ロウのその自信は何処から来るのか分からないが、彼の事なら信じられる、ごんべいはそう思った。
そして、ロウはごんべいを優しく見つめると、そのまま彼女の胸元に顔を埋めていく。

「あっ!」

ビクンと、再びごんべいは身体を跳ねらせていた。
ロウがごんべいの右の乳首にチュッと音を立て、キスを落としていた。
それに驚いている隙に、乳首はそのまま彼の口の中へ滑り込んでしまい、ちゅううっと音を立てながら吸われていた。

「ああん!」

今までで一番大きく、ごんべいの甘い声が大浴場の中へ響き渡った。
乳首の硬さを確かめる様にちゅうちゅうと音を立てながら吸い、左の乳房を円を描く様に揉みながら、指の間に乳首を挟み擦り上げていく。

「あぁんっ!あん、ああんっ」

ごんべいはロウの両肩を掴ながら、余りの強い快楽に再び首を仰け反らせてしまう。
そうする事でロウに乳首が突き出され、彼は強弱をつけながら乳首を吸い、乳房を揉みしだいていく。

「はあんっ、あんっ、あぁ…ん」
「ん、ちゅ…」

乳首がちゅぱっと引き抜かれると、濡れた乳首は光を浴び、妖しく光っている。
そんな乳首にロウは今度は舌先を尖らせ、乳頭に当たるとチロチロと優しく弾いていく。

「あぁんっ」

硬い乳首は、ごんべいの喘ぎと共にロウの舌に合わせ、コロコロと転がり始める。
左の乳首も親指と人差し指で再び摘むと、くいくいと捻らせていく。

「ああん、あん!あんっ…あぁん」

何方の愛撫も気持ちが良く、ごんべいの口からは喘ぎとなった甘い声しか上がらなくなっていた。
転がすのを止めると、右の乳首はピンッと元の位置に戻り、宙を向いて光を帯びながらそそり立つ。
そんな乳首をもっと味わいたいと、ロウは乳房の根元を掴み、グッと自分の方へと乳首を突き出させる。
キュッと引き締まり硬くなった乳首を、キスをしながら口の中に含み、ちゅうちゅうと音を立てながら再び強めに吸い始める。

「ああんっ、あんっ、ああっ」

左の乳房も力任せに捏ねる様に揉みしだき、掌に当たる乳首の感覚を楽しんでいく。

「あぁん!あん、あんっ。はあん」

ゾンビの事など、既にごんべいの頭の中から消え去っていた。
今はただ、ロウに抱かれたい、好きな人の温もりを感じたい、それだけであった。

「ん、ちゅう…良い声だ…」

左の乳首をクニクニと捻りながら、ロウは満足そうに呟く。

「ああん、ロウの…気持ち良い、から…」
「ふ…」

ごんべいの言葉に、ロウは少しだが頬を赤く染めていた。
クールなロウが私に反応してくれていると、ごんべいはそれを見て嬉しくなった。
彼は舌で愛撫した右の乳首を指で摘みながら、今度は左の乳首へと顔を埋めていく。

「はあぁ、あん」

ロウに掴まる手の力を強め、ごんべいは再び甘い声を上げる。
指で愛撫された左の乳首は、シャワーに濡れていたが乾きを帯び、更に硬さを増していた。
その硬さを解す様に、ロウの舌が絡みつき、チロチロと根元から先端へと舐め上げられる。

「あぁん。あんっ、あんっ」

ロウの熱い舌で舐め上げられると、乳首の硬さも解れる様な錯覚を覚えたが、実際は全く柔らかくなどなっておらず、その快感から更に硬さを増していた。
右の乳首もコリコリと捻り、人差し指だけで押さえると、コロコロと円を描く様に転がしていく。

「ああん、あんっ!あぁあ、ん」

根元から折れ曲がり、右の乳首はロウの指と共に転がりながら、その快楽をごんべいに伝えていく。
乾きがなくなった左の乳首も、そのまま口に含み、右の乳首と同じ様にちゅうちゅうと吸い上げていく。

「あぁあんっ!あぁん、ロウ…はあぁん」

ロウのサラサラの髪を両手で抱える様に持ち、ごんべいは声を上げ仰け反る。
脚の間からは快楽の証である甘い蜜が溢れ、座っている椅子を濡らしていた。
その事に気が付いていたロウは、空いている右手をするりと下へ下ろし、ごんべいの脚の間へと指を進ませる。
ロウの指が触れたそこは、シャワーではない、トロリとした蜜で溢れ、彼の指を濡らしていく。

「やああ…ロウそこは…っ」
「ふ…凄い濡れているな。シャワーのお湯ではなさそうだが…?」

分かっているが、惚れた女性の可愛い反応が見たく、ロウはそうニヤリと笑う。

「っ…ロウが…気持ちよくさせて、くれたから…」

ごんべいは目をトロンとさせ、ロウに言う。
その表情と言葉に、ロウは思わず頬を更に赤く染める。
そして、人差し指と中指を蜜が溢れでる入り口に当てると、そのまま上下に擦り上げていく。

「あぁあっ…!」

たったそれだけなのに、ごんべいは直ぐにでも達しそうな快楽を覚え、身体を震わせる。
入り口を擦りながら、ロウの指先はごんべいの最も感じる突起を見つけていた。
快楽によって、隠されていた突起が露わになり、その存在を知らしめている。
ロウはその突起、クリを指先で触れると、そのまま細かく指を動かし、その振動をクリに送っていく。

「あぁあん!ロウだめぇ…!はああんっ」
「ふ…お前の駄目は気持ち良いと言っているんだろう…?」

ごんべいの事を分かりきったロウは、彼女の反応にフッと笑う。
そして、クリに指の振動を当てながら、時たまに優しく指で撫で上げる。
乳首もちゅうっと吸い上げ、ごんべいに快楽を送る。

「あぁあんっ、あんっ!ロウっ…!」

頭の中が白く靄がかかり、脚が震え始めていた。
ロウに愛撫されたごんべいは、快楽の果てへと登りつめようとしていた。

「…イきそうか?」

乳首を口からちゅぱっと引き抜き、ロウはごんべいの目の前に顔を寄せる。
その間も、クリには振動を送り続ける。

「ああぁん!ロウ…っ、イっちゃう…っ」

瞳を潤せ、涙目で頬を赤く染めるごんべい。
ロウの激しい愛撫が待ち遠しいと、ごんべいはそのまま彼を見つめる。

「うう…」
「っ!」
「…」

突然聞こえた不気味なその声に、ごんべいは思わず口を押さえていた。
ロウは厳しい表情を浮かべ、ごんべいから大浴場の窓の方へと視線を移す。
すると、窓の影に人の影がゆらゆらと揺れながら映っている。

「っ…ゾ、ゾンビ…?」
「どうやらその様だ。お前の可愛い声に惹かれてやってきたか」

厳しい表情から一転、ロウはニヤリと笑いながら言う。

「そ、そんな事…」

ごんべいが否定しようとすると、ロウは笑みを浮かべたまま顔を下へと移動させていた。
シャワーで濡れた床に膝をつき、ごんべいの両膝を持つと、ぐいっと横に広げてしまう。

「っ、ロウ…!」

ごんべいは慌てて露わになってしまった、蜜溢れるそこを隠そうと手を動かす。
が、それより先に、ロウがそこへ顔を埋めてしまっていた。

「お前をイかせたい。…ふ、声は我慢しなくて良いからな」
「やっ、だってゾンビが直ぐ側に…っ」
「私の独学では、奴らは目で見たものに強く反応している。耳の機能はあまりないんだろう。だからごんべい、お前の可愛い声を聞かせてやれ…ここには入ってこない、安心しろ…」
「あっ!やっ…で、でも…っ」
「ゾンビは来ない、気にするな。お前は私の事だけを考えていろ…ん」
「あんっ、あぁんっあん!」

声を我慢しよあと思ったのにと、ごんべいは頭の中で理解出来ていたのに、それを実行する事は既に無理であった。
ロウの熱い舌が蜜が溢れる入り口に当てられ、そのまま蜜を舐め上げ始めていた。

「あぁん、あんっ!ロウ…っ、あぁあん」

指とは比べ物にならない程の快楽がごんべいを襲い、声を我慢する事など不可能であった。
ごんべいを快楽の果てまで達せさせようと、ヒクヒクと疼いている蜜の入り口を舌先で当て、チロチロと弾く様に刺激を送っていく。

「ああんっ、はあん、あぁんっ」

脚の間にいるロウの頭を抱え、ごんべいは快楽のまま大浴場に甘い声を響かせる。
ゾンビが窓の直ぐ外にいる事など、今のごんべいにはどうでも良い。
ロウに抱かれたい、想いはそれだけであった。
ロウが押さえていなくても、ごんべいの両膝は閉じられる事はなく、寧ろ快楽を求め大きく開いていく。
ロウは自由になった両手を後ろへと回り込ませ、ごんべいの尻を掴み、グイッと更に自分の方へ引き寄せると、そのままジュルッと音を立てながら素早く蜜を吸い上げていく。

「はぁあんっ、あんっ、いいよぉ…っ、あぁん」

ごんべいはロウの頭を抱えながら、首を仰け反らせて喘ぐ。
彼女の限界が近い事が分かり、ロウはヒクつく蜜の入り口の上にある、指で愛撫していたクリに舌全体を当て、ねっとりと舐め上げていく。

「あぁん!やあっ、ん、あぁあんっ」

ビクッと、ごんべいは思わず身体を震わせていた。
クリがごんべいの一番感じる所だと分かっていたロウは、丁寧に舐め上げ、そのまま口の中にクリを滑らせ、ちゅううっと強めに吸う。

「はあぁあんっ!あぁんっ、やあんっ、ロウ…はああんっ」
「ん…この実が良いのだろう…」

そう囁きながら、ロウは吸い上げたクリを唇で挟み、舌先でチロチロと弾いていく。

「やあぁん、ああんっ!だ、だめぇ…!」

細かな刺激は、ごんべいをあっという間に快楽の頂点へと登りつめさせていた。
お尻を掴む手に力を込め、ロウは再びクリを口の中に含み、何回もちゅううっ、ジュルッと音を立てながら吸い付いた。

「あぁあん!イく…イっちゃ…あっ、あっ、あぁんっ、あぁああん!」

脚を震わせ、ごんべいは大きく首を仰け反らせながら、今までで一番甘い声を大浴場の中へと響き渡らせた。
ごんべいがイった事が分かり、ロウは蜜口から顔を上げ、彼女と同じ目線に顔を上げる。

「…ふ、最高に良い声を聞かせて貰った」
「っ…ロウ…」

上気した頬を赤く染めながら、ごんべいはロウを見つめる。

「お前の可愛い声を聞いていたら…この私も限界が来てしまった様だ。…」

ごんべいに軽いキスをすると、ロウは彼女を椅子から立ち上がらせる。

「…手、壁に付けられるか?」
「うん…」

ロウに抱かれたい、ごんべいは自ら壁に手をつき、お尻を突き出す。

「…」

ごんべいのお尻にある青い痣を見て、ロウはそこに唇を這わす。

「あっ…!ロウ…っ?」

尻餅をついて出来た痣の場所に触れられ、ごんべいは思わず身体を跳ねらせる。

「やはり、怪我を負っていたか…」
「怪我なんて、程じゃないよ…尻餅ついちゃって…もうあんまり痛くないから大丈夫…」
「…」

ロウはごんべいの言葉を聞くと、痣から唇を離す。
そして、イった事で更にヒクヒクとなっているごんべいの蜜の入り口に、熱い自身を当てると、そのままグンッと勢いよく彼女の中へと自身を突き上げる。

「あぁあん!!」

腰の奥から頭のてっぺんまで甘い痺れが勢いよく流れ、ごんべいは思わず首を仰け反らせてしまう。
ロウはごんべいの腰を掴み、自身を先端の部分まで残して引き抜くと、再び勢いよく最奥へと突き上げる。

「はああん!あんっ、ああっ、あぁん…」

突き上げられると、そのままロウのものが膣の壁を擦りながら抜け出ていく事が分かり、ごんべいは悦びの声を上げる。

「ごんべい…お前には二度と怪我など、負わせん…。この私が…一生守ってやる…ッ」

自身を奥へと突きながら、ロウはごんべいの背中に身体を寄せ、彼女の仰け反らされた耳元で、そう囁いた。

「はあぁあんっ。ロウ…ほんと…っ?ああっ…」

真横にいるロウを見やりながら、ごんべいは呟く。

「ああ…私はお前を愛している。…二度と、傷など負わせん…ッ」
「んっ、あんっん…あぁんっ…」

ロウに唇を奪われ、舌を絡ませられる。
ごんべいも必死にロウの舌を味わうが、その間にも彼のものが奥を突き上げ、両手が揺れる乳房を掴み、ぐにゅぐにゅと揉みしだいていく。

「ああん、ん、ふ…あんっ、はあぁんっ」
「ッ…ごんべい…」

唇を離し、ロウは再び起き上がると、ごんべいの腰を掴み直す。
そして、お互いの肌がぶつかりパンッと音が上がりながら、ロウは腰を大きく動かしごんべいの奥を打ち付けていく。

「あぁあん!あんっあん!」

腰が砕けそうな程の快楽というのは、まさにこの事なのかとごんべいは思った。
ロウが突き上げる度に、強く甘い痺れがごんべいを侵食させていく。
ロウの自身が抜き出ると、キュッと彼を膣の壁か締め付けていく。

「く…ッ」

強い締め付けに心地よさを感じ、彼のものが更に大きく硬くなる。
そして、熱く狭いごんべいの膣の壁を擦りながら、大きく奥を突き上げる。

「ああぁん、あんっ。あん、はああん」

ロウに感じ、大きく大浴場の中をこだまする自分の声。
ごんべいはゾンビが聞いていない事を願いながらも、声を出す事は止められない。

「…」

そして、ロウが自身を外に抜き出し、いつも残っていた先端の部分まで外へと抜け出していた。

「あっ…ロウやだ…」

中を満たしていたものがなくなり、ごんべいはロウの方を振り向き懇願する。

「ふ…そんな可愛い顔をしなくても直ぐに満たしてやる…」
「あっ…」

ロウはごんべいの背を壁に押し付けると、そのまま彼女の片足を持ち上げ、再び自身を膣の中へと挿入させる。

「はああん…」

ぽっかり空いていたそこに熱いものが入り、ごんべいは満たされた悦びの声を上げる。

「この方が感じているお前を良く見る事が出来るからな…」

ロウは頬を染め、優しく微笑みながら言った。

「ロウ…嬉しい…っ、あぁあん!」

ごんべいは再び甘い声を上げる。
片足だけ持ち上げていたロウの手が、もう片方の足も持ち上げ、駅弁の体位へとさせていた。

「だめロウ…っ、私重い…っ」
「ふ…そんなもの私には感じん。感じるのは…可愛いお前そのものだ…ッ」

ロウはごんべいを見つめ、そう囁く。
そして、ごんべいのお尻を動かし、自らも腰を動かし、中にある自身で彼女の中に刺激を送る。

「あぁあぁん!」

先程とは違う刺激に、思わずごんべいはロウにしがみつき、声を上げる。
ロウは腰の動きを一定に保ち、グンッとリズムよくごんべいの奥を打ち付けていく。

「あぁあんっ、あん、はあぁん」

ロウのものが壁を擦りながら奥を突き上げる感覚は、何とも言えない快楽であった。
ごんべいも腰を動かし、ロウを感じようと彼の腰の動きに合わせ動かしていく。

「ッ…」

ごんべいが腰を動かすと、更にロウのものを締め付ける力が強くなる。
それを受け彼のものは波打ちながら、膣の壁に刺激を送る。

「はあぁんっ、ん、あぁん。ロウ…私…も、う…ああん」

ロウのものが壁を擦りながら奥を築き上げる感覚に、ごんべいは再び達してしまいそうになるのを堪えながら喘ぐ。

「またイきそう、か…ッ?」

自身を動かす度にごんべいの膣の締め付けが強くなり、ロウも自身が硬く更に大きくなるのを感じ、リズムよく腰を打ち付けていく。

「ああん、あんっ、あぁん。んっ、またイっちゃ…はぁあん」

ロウのものが抜き挿しされる度に、グチュグチュという水音が激しく上がり、行為の激しさを物語っていた。

「…ふ…この私も、そろそろ限界の様だ…くッ」

自身が熱を帯び硬く波打ち、ロウ自身も快楽の果てが近い事を物語っていた。
ごんべいのお尻を持ち直し、ロウは抜き挿しするスピードを早めていく。

「はあぁんっ、あぁあん!ロウ…っ」

しがみついていなければ、快楽と共に流されてしまうのではないかと、ごんべいはロウの背に両手を回ししがみつく。

「く…ごんべい…ッ」

お互い快楽の果てへと登りつめようと、二人は腰を打ち付け合う。
ロウのものを求めようと、ごんべいの膣はざわめき、彼のものを搾り取ろうと強く締め付ける。

「く…ッ」

その強い快楽にロウは端正な顔立ちを歪ませ、ロウは何度も最奥を強く突き上げる。

「あぁんっ!あんっ、あんっ!ロウっ!あぁああん!」
「ごんべい…ッ…!」

お互い何度も腰を打ち付け合いながら、ごんべいとロウは同時に快楽の頂点へと果てた。
ロウのものが大きくドクンと波打ち、放たれた熱い欲望はごんべいの中へと流れていく。

「はあ…はあ…」

息を整えながら、ごんべいはロウの胸に顔を埋める。
そんな彼女の額に、ちゅっと軽めのキスを落とす。

「…ごんべい、愛している。お前はこれでもう…この私のものだ」
「うん…私もロウを愛してる。…貴方だけのものでいられるなんて…幸せだわ…」
「ふ、それでこそこの私が惚れた女だ」

二人は繋がったまま、暫くお互いの温もりを感じていた。
窓から差し込む光は強くなり、朝日が昇り始めている事を意味していた。






「ロウさん、救助が遅くなり申し訳ありません」

民宿に救助隊がやってきたのは、日も昇りきった頃であった。
救助隊と知り合いなのか、彼はロウに頭を下げて言う。

「いや、生き残った者を捜す方が先決だ。状況は?」

ロウの言葉に、隊員は肩を落とし頭を横に振る。

「…全滅でした。街の人々はゾンビとなり、我々に向かってきました。全救助隊をあげて、ゾンビを一掃しました。この街もう…生存者は一人も…」
「そうか…。…だが、このファイルにはゾンビとなった原因が書かれているものが入っている。他の地域にも同じ様な事がないか…今後徹底調査だ」
「!はい!二度と…こんな悲劇を繰り返してはいけませんね」
「ああ…」

ロウと隊員はそう頷きあい、朝日の光を浴びる街を見渡す。

「ロウ…」

そんなロウの背中を見て、ごんべいは彼の名を呟く。
最初の頃のロウは、人命救助などせず、このゾンビとなったウイルスの原因を捜す事だけに専念したと言っていた。
だが、本当にそれだけだったらごんべいはここにはいない。
そして、ロウが原因を突き止めたからこそ、今後の対策が出来る。
ロウは本当は優しいと、ごんべいはより一層、彼の事が好きになった。

「ごんべい、行くぞ」

ごんべいの方へ振り向いた時の彼は、爽やかな笑顔を浮かべていた。

「うん!」

ごんべいも元気に頷き、ロウの元へ駆け寄る。

「ロウさん、この民宿の周りにも一体だけゾンビがいましたよ」

ヘリコプターがある所へ向かいながら、隊員がそう言葉を切り出す。

「ほう…いないと思っていたが」
「はい。民宿の大浴場の窓にへばりつく様に立っていたので、直ぐに倒す事は出来ましたが、何故あんな所にいたのか不思議です」
「…」

隊員の言葉を聞き、ごんべいは朝方までロウと愛し合っていた事を思い出し、頬を赤く染める。

「さ、此方へ」

隊員はごんべいとロウをヘリコプターに乗せ、ドアを閉める。

「…私とお前が愛し合う所を、やはりあのゾンビは覗いていた様だな」
「っ…だ、だね。失礼なゾンビだわ…」

しどろもどろになりながら答えるごんべいを見て、ロウはニヤリと笑い、彼女の脚に手を伸ばす。

「お前の可愛い声に誘われたんだろう。…クク、どうだ?あの隊員達にも聞かせてやろうか?」
「えっ…!」
「…冗談だ。お前の甘い声は…この私しか聞く事は許さん…たとえ生きていない者でもな…」
「ロウ…ん」

ロウはそう囁くと、ごんべいの唇にキスを落とす。

「愛している、ごんべい…お前のこの唇も身体も声も…全てこの私のものだ…」
「あっ…あん、ロウ…」

ロウの唇が唇から首筋へと移り、直ぐにごんべいは甘い声を漏らす。
ヘリコプターが宙に上がるまで、二人の影は離れる事は無かった。
死の街から生き延びたごんべいは、ロウと共に新たな人生を歩むのであったー。


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