はなかご*2



無防備に布団に横たえられた身体に触れる。男に直ぐに触れて貰えるように下着はつけることなく、外しやすく前でゆったりと結ばれた帯から襟を引っ張って寛げた。溢れ出る柔らかい乳房に***の体を仰向けから横向きにすると背中にピタリと寄り添った。脇から前に回した手で許可もなく包み込むと柔らかいそこを揉む。ふにゅりと形を変えるそこは何度も同じ手できもちいい事を教えこまれた体は容易に反応した。胸の中心がぷっくりと立ち上がって手のひらを押し上げる。
それにご褒美を与えるようにきゅうと摘んで転がすと、もぞりと眠っているはずの体が動く。
もっと触って、とでも言うように上半身は手に押し付けるように前に突き出された。
くりくりと指を押し付け腫れたそこを弾くと目の前にあるうなじに舌を這わす。
じゅっと吸っては舐めて。楼主に有るまじき商品に痕を残す行為。

「あっ…ん、ふ」

びくり。甘い声をもらしながら跳ねると下半身が布団の中でもぞもぞと動いた。
起きているのか寝ているのか分からない反応を気にかけることもなく、***の着物を腰までたくしあげると、もぞりと動く上側の腿を掴んで足を開かせる。その間に既に張り詰めた欲を挟み込んだ。
胸の中心を指で弾きながらゆったりと動かせば反った熱は秘所に擦り付けられる。柔い腿とふっくらとした割れ目。それを数度繰り返せばとろり、濡れた感覚が硬く張りつめた欲についてきた。
頭を抱え込みぐいと後ろを向かせる。起きているのかどうか確認をすれば、眉を寄せ悩ましげな吐息は出されるものの、瞼は閉じられたままだった。

「起きろ、目ェ開けねーとならしてもないここにこのままぶち込むよ?」

耳元で脅すように声をかけるも、擦る熱にとろりと蜜を零すだけで反応はない。
楼主の時間が空けば、弄ぶかのように嬲られ泣かされる***にとって眠りは深く、逃げる場所。そう簡単には目を覚まさなかった。

「じゃあ遠慮なく」

割れ目を擦っていた熱がぐっと角度を変え入り口を押し広げる。何度も押し入ったことのあるそこに言葉通り遠慮もなくずっぽりと嵌められた。

「〜っあ゛ああ!」

びくりと驚きに跳ねる***の身体を背後から押さえつける。

「ぁ、…ま…って、やっ…ぅ」
「なに呑気に寝てんだよ。本来は働く時間だ」
「やぁ…ぅ、ああっ、お、…おき…ったァ、おきたからああ」
「しらねーよ。でも偉いなァ。寝てても擦られればちゃんと入れてってココで返事ができて」
「ひ…してな、いいとか…いってなぁあッ」

入れたままぐにぐにと***の好きな所に押し付けるように動かす。ひくひくと動くうちがぐにっと押し返すように欲を舐める。

「はっ、言ってねーの?じゃあちゃんと心の底から言えるようにしてやんねェとな」

ごろり。***の身体をうつ伏せにすると入ったまの熱をぐうと奥まで押し上げる。寝バックの体勢だった。

「ああッ…、ひっ…そこ、!ダメぇ…はいちゃだめっ」
「ダメじゃねーだろ、奥まで入れてくれてありがとうございますだろ」
「んぅ…はあ、あ゛ああッ!」

腰周りから前に伸ばした手が女芯の裏をぐりっとほじくるように爪を立てて抉る。痛みがある筈なのにじゅわりと滲んでくる蜜がはまったままの熱を伝い落ちた。

「ほら、いい子なお前は言えるだろ」
「あ、ありがと、…ご、ざいます」

楼主が視界に入れば恨めしそうに見つめてくる目は、行為に及ぶ時には一切ない。痛みと甘い快楽。それを上手く使い分けながら躾れば、***は褥の中だけでは従順になっていく。

「だから…、どうして欲しい?」

今度は優しく諭すように、零れた蜜を擦り付けるように女芯をくるりと撫でてきゅうと摘む。それに答えるように隘路がきゅうと熱を食んでくる。

「あ…ああぁ、な…、なか…せつないの」
「切ないから?」
「んぅ、そこ…きゅて、しな…ぃで」
「なに、足りねェ?、もっと頭バカになんねーと分かんねェの」

かさり、クスリの入った紙包みを手元で鳴らせば肩が跳ねる。

「ひ、ちが…あああっ!あっ…、擦って!なか、ぐちゅぐちゅって擦って、いっぱい気持ちよくしてくださっ」
「お前だけ気持ちよくなんの?」
「ああっ…ごめ、ごめんなさい!ちがう!ちがっあああッ!」

ぐぷり、嵌った熱を引き抜くと奥を叩く。ぐちゅんと中でぶつかって組み敷いた体が跳ねた。

「じゃあどうすんの」
「するっ、するからァああっ」
「何をすんの」

体の中を押し上げてくるあつい熱に必死に上に逃げようとする腰を引き寄せて何度も奥を叩く。

「逃げんな、お前の体使ってきもちよくなってもらわねーといけねェんだろ」
「ああッ…ひっ…あぁ、も…やぁぁッ」

ぎゅーと敷布を握る手と同じように隘路が食い締めてくる。瞑った***の瞼からぼろりと涙か溢れ出た。

「上手、でも上の口で言ってくれねーと分かんねェな」

ずるりと熱を蕩けた秘所から引き抜くとうつ伏せの身体をひっくり返す。

「ほら、目開けて」

ぼろりと零れ落ちる涙を指で頬に撫で付け額をなでる。
それに誘われるようにまぶたを開いた。

「そう、いい子」

黒い潤んだ瞳が縋るように見つめてくる。
花街にいる女は本心を偽り美しい化粧と艶やかな笑みの下に隠し込む。そんな女しか知らない楼主にとって、***は毛色の違う女だった。
本心がむき出しで、その瞳が色濃くそれを伝えてくる。何度ねじ伏せて褥に沈めてもそれは変わることなく灯され続けた。こんな場所では生きていけない、無防備な女。
俺がきちんと躾てやらないと花街では息をするのも苦しいはず。俺が躾てやらないと。

「手、伸ばして」

投げ出された手を掴んで首に回させる。

「引き寄せて、口を吸え」

目の前の顔が苦痛に歪む。きゅうと唇を噛み締めた。

「噛むな。お前の体は俺のものだ、傷をつけるな」

引き結ばれた口唇を解すように舐めて吸う。何度も繰り返せば諦めたようにゆるりと緩む。

「口開けて、舌出せ」

そっと控えめに覗く舌。

「は…、それはそれで誘い上手かもな」

噛み付くように舌に吸い付く。じゅるりと啜り乱れた髪に指を差し込み頭を引き寄せる。もう片手で無防備に空気に晒されたままの柔らかな乳房をさする。尖った先をぴんっと弾けばぴくりと体を揺らし、首に回した腕がぎゅうとしがみついてくる。ただ気持ちよさに体を揺らしてたまたま回していた腕に力が入っただけ。そう分かっていても、無理やりに言わせた言葉でも、やらせた行動でもない。普段の***の恨めしそうな瞳からは想像がつかない行動に欲が張り詰めるのを感じた。

「んっ…は…ん、ふぅ…あ、あぁ」

息の上がった***の口唇から舌を抜く。しがみついてくる腕に、離れることも出来ずにこつりと額を合わせた。

「***、おねだりは?」

ぷくりと立った乳首を指で優しくこね、女芯に指を擦り付けるとぬるりとなかに押し込む。指を曲げるとくいと引っ掻くように擽った。

「ん…あっあ、楼主さまの、指がはいってる…わたしの…、ここ、使って…たくさん、ごほうしさせて、くださぃ」
「いいよ、泣いて何も分からなくなるまで奉仕させてやる」
「ひっ…」

自分の口にした言葉に首を絞められるかのように喉をひくつかる***に、中に入れていた指を抜くと痛い程に張り詰めた欲を押し込んだ。

「っあああ…っ」

2度目の挿入はほとんど馴らさなかった1度目より、遥かにぬかるんでいて奥まで熱がぴたりと入り込む。馴染むのを待つことなく熱を引き抜き、ぐちゅりと***の弱い所をぐいと擦る。

「ぁああっ!ろうしゅさま…っあ、いくっ、ごめんなさ、もいっちゃ…!」

言葉通りきゅうと締めて熱を食んでくる。追い詰めるように動きは止めずに、繋がった少し上で赤く腫れた女芯を優しく指ですりすりと擦る。

「っんあああぁ、だめっ…だめぇ!くるしっ、手…とめてぁああっ!」
「喉そらすな、相手を見ろ。ちゃんと誘え」

ぎゅうと瞑って喉を反らし過ぎる気持ちよさにぼろぼろと涙を零す***の手が首から離れ、女芯を弄る手を押し返してくる。
膝裏に手を入れるとぐっと押し上げ顔の横に押し付ける。

「あ…あ、まっ…て、それ…やだぁっ」
「嫌なことほど練習しねーとな」

真上から体重をかけぎゅうと奥まで潰すように押し入る。

「あああっ!はっ…あ、ああっひぃ」

大きく開かれた足先がびくりと跳ねる。それを押さえつけてゆっくりと腰を上下に揺らした。奥を叩くようにぐぷりとはめては抜く。その度に掻き出される蜜がいやらしく水音を立てて泡立つ。
苦痛の中でも拾う甘い痺れに再びきゅうきゅうと食んでくる。

「あっ、ああ、ろ…しゅさま…っ」

だらしなく開かれた口元からだらりと垂れる唾液。

「っ…なに?」
「いく、いっちゃう…っ!」

目がとろんとして、帯だけが体に巻きついて役に立たない背中に敷きこんだ着物をぎゅうと掴んだ。うちが先程の比にならないくらいきつく熱を食む。

「あああッ、!いってる、あぁ…はあっん」

堪えきれずに自然と早くなる腰の動き。数度狭い隘路を抉るように突くと奥で欲を吐き出した。

「…っ、は。おまえ、その着物いくらすると思ってんの?ぐしょぐしょに濡らしやがって」

押し上げていた足を下ろすと、はあはぁと必死に息を整える乱れた***の髪を梳く。

「ぁ、ごめ、…なさっ、!」
「いいよ、お前がゆくゆくは俺に返してくれればいいんだから。ココ使って」

ずるり、吐精して奥に入れっぱなしだった熱を入口ぎりぎりまで引き抜くと、ぐちゅん。中に出したものを押し出しながら再び奥に擦り付ける。

「あっ、あ…ぐ…っ、はっ、も…おねが、やすませて」
「まだダメ、ご奉仕おわってねーだろ。お前が先に潰れてどうすんの?」

昼も夜も休む暇なんて与えない。
男女の目交いがどれほど気持ちよくて頭の芯を蕩かす行為か、教えこまなければいけない。ここで生きていくために必要なことを。

「ほら自分で足を開いて手で抑えろ。できるよな」
「はあっんっ」

ばしんっ。つるりとしたおしりを軽く叩く。それだけできゅうっとうちが締まる。

「なに、お前尻叩かれて感じた?今きゅって奥が締まったぞ」
「ちがぁ、ああっ!」
「そういう趣向でもいいよ俺ァ」

腰を掴んで浮いたお尻をばしりと数度叩きながらずぶずぶと隘路を行ったり来たり。

「ひっ…いやァ、あっあっそんな、あああッ!」

自分でも叩かれる度に熱を締めるのに気がついたのか、困惑しながらも身体を震わせ***は上りつめた。ぐっと息をつまらせ自分の痴態に信じられないとでもいいだけな、茫然とした表情。

「約束のいくいくもできねーくらいショックかよ」
「ふ、ぇっ…」
「いいよ好きなだけ泣け。気が済んだら尻叩かれていっちまうくらい器量のいい女に躾てくれてありがとうございますって言えるよな。そうしたら終わりでいいから」

楼主から汗がぽたりと落ちて、***の肌を叩く。それに反応してひくりと跳ねる。
***を翻弄しているようで、こちらも熱に浮かされていた。

「言えたら明日1日、お前に触れないでいてやるよ」

泣き濡れる目が言葉を疑うように見てくる。

「嘘じゃねーから。たまには休まねェとな」

乱れた髪を耳にかけて指でくすぐる。
まるで猫のように首をすくめて目を細めた。

「ほら言うの?それとも意識飛ぶまで突こうか?」

何度も達してほぐれたそこはぽってりとはれて熱を締め付ける。ゆっくり引き抜いて腰を捕まえれば慌てたように口を開いた。

「や、!…ぁっ、おしり…叩かれて、いっちゃうような…お、おんなにしつけてもらって、あ…ありがとう…ござい、ます」

ぼろぼろと言葉と一緒に零れ落ちる涙。
しゃくり上げる度にまるで誘われているかのようにうちが収縮してきた。
堪らなく繋がったままの欲が張り詰める。これは***が悪い。

「あっあ゛あ!!…ひ、っやめるって、いったぁあっ」

容易に逃げられないように足首と腰を掴んで奥を叩く。

「お前バカじゃねーの。ココ締め付けてきて、誘われて我慢出来る男がいると思ってんの?」
「あっあっん、ひぐっ…あああっ、やだっ…っやあ」

揺れる胸に誘われるように手を伸ばすと、乱暴に掴む。ふにゅりと指が沈み込む感覚に柔く数度手を動かす。指の谷間に立ち上がった所を挟んで擦れば、たまらないとばかりに***の胸が突き出された。

「やっぱり意識飛ぶまでイきまくれっ」
「ぅ、…うそ、つきいっ!」
「嘘つきで結構、っお前のココはバカ正直だけどなっ」

ぐっと熱を押し当て***のいい所を数度擦る。

「あっ、いくっ…いっちゃ、あああッ」

きつく収縮するそこにどぶりと熱を吐き出せば、大きく体を震わせると限界だったのか、***の瞼が下がる。

「***、待て、まだ寝るな」

熱を引き抜くと、枕上に置いてある水差しの水をコップに移すと口に含み***の体を抱き起こして口唇を合わせる。
とろり、喘ぎすぎて痛むであろう喉に、むせないように少しづつ口腔内に送り込む。

「は、ぅ、…ん」

喉がこくりと飲み込む音がする。
もっと、そう言いたげな手がぎゅうとしがみついてくる。舌が、水を探るように口の中に差し込まれぬるりと拙く舐めてくる。

「ぅ、おい、…ん…まて、っ***…ん」

ぢゅる、ちゅるり。何度か舌を吸ってくると水がないと悟ったのか口唇が離れる。それを見計らってもう一度水を口に含むと、また***の唇に触れた。
ちゃんと意識がある時は下手くそな口付けが、こうして無自覚な時は甘えてくるように水を欲しがる***に堪らなくいじらしく感じた。

楼主なんてしていると目に入れたくなくても女は視界に入る。諦め、物になって売り買いされても美しくて優美で、そしてとても末恐ろしい。男との駆け引きだけでは無い。女同士のしたたかな争いの事もだ。だから女を可愛いなんて思ったことは無いのに。
この腕の中で意識を落とし、眉根を寄せて涙を零しながら眠る女だけは楼主にとって違う存在に映った。
強い意志の込もった目。思ったことをそのままに伝えてくる目。この花街ではそう見る事の出来ない真っ直ぐな目。
ただ意地を張っているだけなのかもしれない。でも、それがとても印象的だった。
目新しいだけで直ぐに飽きてしまうだろうし、その意地も直ぐに消えてしまうだろう。そう思っていたのに、

「随分と頑張るな、お前は」

何度快楽にその体を染めて落としても、怯えながらでも強い眼差しは消えない。

体を清めて新しい着物を着せると布団の上に寝かせて掛け布団をかける。

「おやすみ、明日はゆっくり休め」

額にかかる髪をかき分けるとそっと口づけを落とす。
せめて眠りについた間だけでも良い夢をと願って。



♭2023/03/14(火)


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