愛が重いリゼルグ
「好きだよ」
「知ってる」
「付き合ってください」
「もう付き合ってる」
「こんなに可愛い子がボクと?」
「何回このやりとりさせる気?」
「君がボクのものだって実感できるまで」
「…とっくにリゼルグのものなのに」
「今のグッときた。アラームにしよう」
「目の前で盗聴器回収するのやめて」
「だって君の全部が好きだから」
「知ってる」
「一緒に暮らさない?」
「もう暮らしてる」
「こんなに可愛い子がボクと?」
「もういいから」
「大好きだよ」
「知ってるってば」
「結婚してください」
「もうして………えっ」
「え、もうしてたの?勝手に婚姻届出すのは流石に我慢してたのに」
「し、してない!してないから!」
「良かった。用意した婚姻届が無駄にならなくて」
「なんで私の欄も埋まってるの?」
「だって結婚するでしょ?」
「…する、けど…」
「けど何。キミはボクと結婚する。それでいいはずだ。だって愛し合っていて付き合っていて一緒に暮らしているのにそれ以上何が必要、」
「さっきの、もう一回聞きたい…です」
「…愛してる。ボクと結婚してください」
「えへへ。喜んで」
「可愛すぎる。もうだめだ。墓を買おう」
「早いから」
どうぞお幸せに。
@cherry
ホロホロと弱肉強食話
「弱肉強食って切ないね」
「なんだよ急に」
「テレビで動物見てたら…」
「あー、ドキュメンタリー番組だったのか」
「来世はペンギンになりたいと思ってたのに」
「食われるな」
「せめて狼が食べてくれないかなぁ」
「なんで狼ならいいんだよ」
「だってホロホロの名前だし…?」
「ばっ!オ、オレに食べられんのは良いのかよ!」
「え?いいよ?」
「はぁあああ!?!?!?」
「あ、でも痛いのは嫌だから優しくしてね?」
「もう嫌だ…オレは何を試されてるんだ…」
「あと天寿を全うするギリギリを狙って!」
「無茶言うな」
「じゃあせめて一息に…喉元をガブっとお願いします!」
「練習がてら今食ってやろうか」
「え?」
来世まで待てない
経済力しかないぼっちゃま
「お腹すいて力がでない」
「キサマという奴は…!」
「寝坊して朝ごはん食べ損ねたんだもん」
「仕方ない…鍛錬のためだ。そこの屋台で買ってやるから待っていろ」
「肉まんがいい」
「ここにあるものを全てよこせ」
「話聞いてた?肉まん一個でいいんだよ」
「支払いはこれで頼む」
「屋台でブラックカード出さないで」
「馬孫なんとかしろ」
「私が買うからやめてー!」
※学パロ(生徒会長ハオ×会計)
「おい会計」
「何ですか」
「今夜はカレーが食べたい」
「会計の仕事じゃないですね」
「……」
「誰かさんが仕事サボるから私はご飯食べる暇もないですし」
「わかったよ、ちゃんと仕事する。代わりに学食のシェフにインド人を雇っておけ」
「なんて?」
「本場の味が食べたくてね。予算管理は任せたよ、会計」
「清々しいまでの職権濫用ですね」
「それから僕のことは会長と呼べ」
「たった今リコールする予定が入りまして」
「へぇ、じゃあ君に会長を任せよう」
「えっ」
「今の倍は仕事に追われるだろうな」
「……」
「その間に僕はインドへ行こうか――」
「今日の晩ご飯はカレーの予定なんですが!」
「仕方ない。呼ばれてやる」
(やられた!)
ドア・イン・ザ・フェイス
ハロウィン×蓮
「蓮の虎コスプレすごいね!」
「フン、親父が勝手に送りつけてきただけでオレの趣味ではない」
「どうりでモフモフ具合が上質…なんて気持ちよさ…!」
「いつまで触っている」
「だってすっごく気持ちいんだもん。温かいし最高」
「こんなのは暑苦しいだけ…オイ何をする」
「一度大きなモフモフに抱き着いてみたかったんだよね!」
「は、離せ、そう易々と男に抱き着くのはやめ…」
「はぁ…良い、好き…」
「なっ!? 待て、オレから言わせろ。ずっと前からキサマのことを――」
「このモフモフ本当に最高〜!」
「〜〜この馬鹿者がぁあああッッッ!」
★トンガリが着ぐるみを突き破る夜――!
ハロウィン×葉
「ど、どうかなこの衣装」
「……へ、」
「ネットで選んだからこんなにセクシーだと思わなかったけど、でもホラこことか可愛い…」
「似合わん」
「えっ!?」
「今日のハロウィンは中止だ。服貸すから着替えろ」
「な、なんでよ楽しみにしてたのに!っていうか似合わないなんて…ひどいよ葉らしくない」
「……お前オイラを聖人かなんかだと思ってるだろ」
「え?」
「オイラらしくってなんだ?好きな奴をこんな格好で歩かせて平気だとでも思ったか?」
「あ……ちが、」
「着替えたくないならそのままでいい。自分で脱がす」
★触れてくれない恋人をその気にさせるつもりが想像以上の効果に後悔する夜――!
ハロウィン×ハオ
「トリックオアトリート!ハオ様、お菓子を献上しますのでこのドレスをご着用ください!」
「色々言いたいことはあるけどなんで僕が着るの?コホン…それを着て隣に立つのは君だろう」
「否!断じて否!」
「プロポーズを食い気味に否定するのやめてくれる?」
「透き通ったお肌、美しい髪、長い睫毛から覗く死んだ瞳に反して幸せを象徴するキラキラのドレス…アンバランスさゆえに輝く仮装が見たいのです!」
「さりげなく恋人をディスるのもやめて」
「ダイヤをあしらった婚約ティアラもご用意しましたよ?綺麗でしょう?」
「婚約……、」
「大好きなハオ様をみんなに自慢しながら練り歩きたいのです!さあ!」
「ぐっ……仕方ないな今回だけだ!」
「ありがとうございます!」
★チョロすぎる未来王――!
鈍感幼なじみホロホロ
「好きな奴がいるって聞いたぞ。ホントか?」
「えっ、誰に!?」
「関係ねぇ。相手は誰だよ」
「それこそホロホロには関係ないでしょ」
「ある。変な虫がつかねぇようオマエの親父からだって頼まれて、」
「何よいつもお父さんお父さんって!幼馴染みだからって何でも知れるなんて思わないで!」
「うるせぇ!オレはオマエが好きなんだから気になって夜も眠れねぇんだよ!!」
「…………え、」
「あ……チクショウつい勢いで…、ってなんでオメェが赤くなるんだ?」
「う……うわぁああんこの鈍感男ーー!」
「あっ待てよこら逃げんなぁああ!」
もしかしてアイツの好きな奴って、という可能性に気づく一時間前のこと。
互いに救われた友達の話
「ぼく、霊なんて信じてなかったんだよ」
「そうなんか」
「シャーマンはうさんくさい霊感商法だと思ってたくらいでさ」
「……のわりには、オイラのことあっさり受け入れたな」
「だって色々見ちゃったからね。あの日は星の力と葉くんの力が重なってぼくにもうつったのかなぁ?」
「オイラの力が?」
「そうそう」
「……、」
――近寄るな、霊がうつるだろ!
「……オイラのせ」
「だから改めて言うけど、ありがとう」
「へ?」
「温もりや優しさは伝染する。だからぼくは葉くんに出会えたことで、目に見えない者にも思いやりをもつ大切さを知ることができたんだ」
「優しさが、うつる……?」
「そうだよ。だから皆に出会えたんじゃないか。おかげで前よりずっと楽しくて……って思ったんだけど、あは、あはは、なんか改まると照れくさいね」
「ああ。ほんと恥ずかしい奴だな」
「否定しろよ!!」
「ウェッヘッヘ」
◆呪いの言葉は祝福に変わる