リアタイ | ナノ

アタイ



03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


潤む瞳に自分だけが映っていた




03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


甘いものだとばかり思っていた。いつも生徒に飴やチョコを貰っていたから。最後に名前を読んで欲しかった。何かを隠す様に歪んだ口角がなんかムカついた。立場なら、さっき少し変わった。二度と会うことがないかもと思えば衝動的にネクタイを引けた。少しかさついた唇、コーヒーと煙草の味。ざまぁみろ




03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


先に目を瞑ると負けな気がした




03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


ネクタイはクラッカーの紐だったのだろうか。真っ白な頭に馬鹿な考えが過った。柔らかい衝撃は倫理観とか、葛藤とか、世間体とか、そういうごちゃごちゃしたものをパーンと一気に飛ばしてしまった「もう、俺生徒じゃないんで」真っ赤に熟れた甘そうな顔で覚悟しろと言う君に、気が付けば齧り付いていた




03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


茹だった顔でもう1回と呟いた




03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


バカ、と吐息混じりに君が言う




03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


かさついた唇は、苦くて甘い。



03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


息が、できない。溺れそうだ。




03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


気付けばネクタイを引いていた




03/09(Wed):#キスシーンを14文字で書く


目を逸らしたら負けな気がした