修学旅行で京都に来ていた私たちは無事宿についた。
「私たちの部屋はすぐ風呂よね?行きましょ!」
サクラに続いて私とイノ、そしてヒナタは風呂セットを片手に部屋を後にする。
「ふうーさっぱりしたー」
修学旅行の風呂は、班ごとに時間が決められており、さらに集団で入るため長湯はできない。
大浴場の外に出ると男子の大浴場からナルト、サスケ、キバ、シカマルという珍しい組み合わせのグループと鉢合わせした。
「サクラちゃーん!」
ナルトがサクラの前に躍り出る。他の3人は呆れた顔でナルトの後をついてきた。
「よお、お前らも風呂だったんだな!」
キバの陽気な声。
その質問を軽く流しながらそれぞれ談笑が始まった。
「なまえなんかいい匂いするぜ?」
そういいながら私の首に顔を近づけるキバ。
「ちょ、キバ…近っ…」
「おい」
ぐいっ
いきなり腕が引っ張られ、キバから遠ざかった。
「サスケ!」
サクラとイノに捕まっていたはずのサスケが私の腕を掴みキバを睨みつけている。
「…行くぞ」
そう言い、なぜか違う部屋の私がサスケに連行された。
たどり着いた場所は旅館のロビー。
普段は先生たちが拠点としている場所だが、今は風呂の見張りや明日に向けての会議などでそこは誰もいなかった。
「…気に入らねえ」
「え?」
サスケが私をソファに向けて突き放す。
突然の事で私は大人しくソファに倒れることしかできなかった。
「もしかして、さっきのキバが気に入らない、の?」
恐る恐る聞く。
状況からして、思い当たることはそれしかない。
「ああ気に入らねえよ、悪いか」
不機嫌な声。
しかし怒っているというよりは、どちらかといえば拗ねているような感じがした。
「無防備なんだよ、もうちょっと警戒しろ」
サスケの手が私の頬を優しく撫でる。
「…サスケも、サクラやイノに囲まれてたくせに」
ちょっとした反抗。
私だってサスケと話したかったのに。
「…悪かったな。俺だってなまえと話したかった」
そう言ってサスケは私に口づけた。
END
「こーら、サスケ!こんなところで何してんの!」
「っち!カカシ…いいところだったのに邪魔するな」
ああ気に入らねえよ、悪いか