私には幼なじみがいる。
顔よし、頭よし、性格は…ちょっと問題があるが、とにかく全てにおいて完璧な幼なじみのうちはサスケ。
そんな幼なじみをもったせいか、私は相当な面食いに成長してしまったようだ。
「ネジさん本当かっこいいーっ!今日集合場所来る途中にネジさんに会ってね、頑張れよって頭撫でられたの!」
同じ第7班の親友であるサクラに今朝の出来事を話していた。
ちなみに今は任務の場所に行くため第7班でぞろぞろ移動中。
「ついこの前までカカシ先生にひっついてたのに…あんた本当面食いよね!」
「イケメンだともう何でも許せちゃうよね!」
そう返した私にサクラは大きくため息をついた。
イケメンは好きだが、別に交際経験があるわけではない。イケメンを愛でるのが好きなだけだ。
「なんであんなにかっこいい幼なじみをもっておいて他に目が移るのかしら…」
ちらっとサスケの方を見るサクラ。
「サスケはずっと一緒にいすぎて今更ときめけないんだもんー」
贅沢な悩み、そう言って呆れたサクラはナルトに引っ張られて道ばたに割く花をプレゼントされていた。
「おい」
先頭を歩くカカシ先生、道ばたの草をもぎ取るな!とナルトに鉄拳をかますサクラ、となると必然的に隣に来るのは一人だけだった。
「ん、何ー?」
不機嫌なサスケ。
でもいつもこんな顔だし、大して怖くはない。
「お前、俺にときめかないんだな」
ぐいっと腕を引っ張られ、みんなの視界から外れた木の陰に身体を押し付けられる。
顔の両隣にはサスケの腕。
所謂壁ドン状態だ。
「な、何す…ん」
突然の口づけ。
長い長いそれに私は苦しくなってサスケの胸を押し返す。
「はあっ、はあっ…」
「いろんな奴に目移りするな」
そう言ってサスケは私の耳元に口を寄せて言った。
「お前は俺だけ見てればいいんだよ」
END
「良かったじゃない、なまえ」
「は、初めてサスケ相手にドキドキした…!」
俺だけ見てれば良いんだよ