私たちが目覚めたのは木ノ葉病院だった。
同じ病室にベッドが2台、隣り合わせで並んでいる。
寝たまま右に顔を向けるとベッドで上半身だけ起こしているサスケと目が合った。
「なまえ…」
口をきゅっと結んだまま、みるみる目に涙をためるサスケ。私が起き上がろうとしたら肩に激痛が走った。
「うああッ!」
「まだ動いちゃダメだよ!オレを庇って…兄さんに、刺されたんだ」
虚ろな目で下を向くサスケ。こんな時、抱きしめに行きたくても行けない自分に腹が立った。
「兄さんが…父さんと、母さんを、みんなを…」
「うん」
「オレ…何もできなくて…」
「うん」
「兄さん、泣いてた…」
「……」
泣いてた、とはどういうことだろう。さすがに実の両親に手を下すというのは心が痛んだのだろうか。子供ながらにそんなことを考えるが、殺った事実は変わらず、考えても分かりはしない。
「兄さん…イタチが、言ってたんだ…南賀ノ神社本堂、右奥から7枚目の畳の下に一族秘密の集会場があって、うちはの瞳術の秘密が隠されてるって…」
「うん」
「俺、退院したら行こうと思う。それで…えっと、なまえは…」
控えめに誘うサスケ。返事は一つだった。
「うん、行く」
ぱっと顔を上げて私を見上げるサスケ。
一呼吸置き、安心した様子で「ありがと」と言った。
後悔しても