あれから何十分経ったか分からない。
ただただひたすら、私たちは泣く事しかできなかった。
そしていつの間にか、私たちをここに連れてきた暗部の人はいなくなり、代わりに違うお面を付けた人が後ろに立っていた。
その事に気づき、泣きじゃくりながら見つめているとお面越しに目が合った気がした。
「今後についてお話があります。この後火影様をお訪ねください」
その人は淡々とした声色で言葉に抑揚を付ける事なく言った。まるで機械のように。
しかし私はうなずく事も首を横に振ることも出来ず、ただただ泣きじゃくっていた。
ガラッ
「サスケ!なまえちゃん!」
病室のドアを勢いよく開いて入ってきたのはサスケのお母さん、そしてイタチ兄さんだった。
目の前に並ぶ私の両親の遺体が視界に入るなり、サスケのお母さんはポロポロと涙を零し、イタチ兄さんは泣き崩れる私とサスケの頭を一撫でし、2人同時に抱きしめてくれた。
「…みょうじ一族はなまえちゃんが最後の1人ってことよね」
サスケのお母さんがぽつりと言った。
「これからは火影様がお貸しくださる部屋で過ごす事になるでしょう、ご安心を。」
「…いや、この子はうちはが引き取ろう」
そう言ったのはサスケのお父さんだった。
私の両親とサスケの両親は古くからの友人らしく、よくお互いの家を行き来していた。
また、私の両親は2人とも任務で留守にしがちだったこともあり、物心ついた頃にはうちは家に入り浸っていたものだった。
「それは…」
「なんだ、うちはに引き取られたくない理由でもあるのか?それにこの子はー…」
サスケのお父さんがお面をした暗部の人を鋭い目で見つめながら話す。
「いえ」
「なら構わないだろう。」
こうして私はうちは家で暮らすことになった。
僅かな光見えない闇