ジリリリリリリリ…
太陽が沈みかけた頃、絶望のベルが鳴った。結局私たち3人はヤマト先生から鈴を取ることはできなかった。
「3人とも鈴は取れなかった。この試験は不合格だ。」
「じゃあ…」
トビオが恐る恐る次の言葉を促す。分かっているけれど、はっきりと言葉にされないと現実を受け入れられない。人間とはそういうものだ。
「そうだね、アカデミーでもう一度やり直しておいで」
頭が真っ白になった。せっかく下忍への第一歩が踏み出せると思っていたのに。これでやっと、両親の仇へと一歩近づけると思っていたのに。
「こんなの…こんなの無理に決まってるじゃないっすか!!」
真っ先に抗議の意を唱えたのはトビオだった。
「そうかな?全員まとめてかかってきてたら、鈴を取れたかもしれないとは思わなかったかい?」
やはりそうだった。この試験はチームワークを試されていたのだ。ただの個人戦の勝敗なら、アカデミーの卒業試験で上忍と戦わせて合否を決めれば良いのだから。
横でアミがキツく唇を噛んだのが見えた。
「忍をやっていく上で大切なのは、個人的な戦闘スキルもそうだけど、一番はチームワークだ。まあ、これはボクの先輩の受け売りなんだけどね。小隊で動く時にチームワークを乱す人がいるだけで命に関わることもある。分かるかい?」
ヤマト先生は横に並ぶ私たち3人の前をゆっくりと行ったり来たりしながら諭すように話す。
「例えば…」
バッ
ヤマト先生が私の背後を取り、首元にクナイを突きつける。速すぎて見えなかった。
「トビオ、アミを殺すんだ。さもないとなまえが死ぬよ?」
「えっ…!」
オロオロと私とアミを交互に見るトビオ。アミも表情に焦りが現れる。
「と、まあこうなるわけだ。なまえ、悪かったね」
怖がらせて、ということだろう。クナイをしまったヤマト先生は私を解放すると頭にポンと手を乗せて言った。
「昼の時、なまえに協力しないかと持ち掛けられても2人とも突っぱねた。結果的に3人とも個別で挑む選択をしてしまった。これが君たちの敗因だ。」
残念だけど、来年またおいで。そう言ったヤマト先生は私たちに解散を命じた。
閉ざされた道