Pale blue | ナノ

教室で新しい先生を待っていると、数班見送った後に私の班の担当上忍がやってきた。

「じゃあサスケ、また夜ね」
「あぁ」
「なまえちゃん、行くぜ!」
「うん」

班のメンバーに呼ばれ、手首を掴まれ引かれる。さっきはサスケと同じチームになれなかったことで頭が真っ白になり自分のチームメンバーが誰かまで頭がまわってなかったが、私の手を引いて集合場所まで行こうとしているのは、さっきナルトを肘で押してしまった人であるトビオという男子だった。
トビオはナルトを押してサスケとキスさせてしまっただけでなく、その直前に私に声を掛けようかという話をしていたようで、それを思い出したサスケはなおさら機嫌が悪くなる。

「チッ…触ってんじゃねーよ…」

背後でサスケの舌打ちの声が聞こえたが、これ以上教室にいると班のみんなに迷惑がかかるのでグッとこらえた。
さっきサスケに忠告されたばかりなので、とりあえずトビオには引かれている手を離してもらった。



それから生徒3人と担当上忍1人の合計4人は見晴らしの良い静かな場所へと移動し、自己紹介となった。

「じゃあ君たちにはまず自己紹介をしてもらおうかな、右の子からね」
「せんせー、具体的にはー?」

私とは反対側の端に座っていたトビオが手を上げて質問する。
すると、その担当上忍はうーん、と腕を組んで考えるそぶりを見せた。

「そうだね…名前とアカデミー時代の得意忍術、それと夢とかかな」

そう言うと、じゃあ右の子どうぞ、と私の方に顔を向けた。つられるようにチームメイトの2人も私を見る。

「はい、みょうじなまえです。得意忍術は手裏剣術、夢…というか目標は、私の両親を殺した男を殺すことです。」

「こっわ、サスケくんもドン引きだわ 笑」

隣から馬鹿にするような声で笑った女子の方をキッと睨む。アカデミー時代、サクラを執拗にいじめていたアミという子。サスケの側にいた私のことも敵視していたうちの1人だ。

アミの成績はあまり良くなかったと思う。班が発表されるときにイルカ先生が班の力が均等になるように組んだと言っていたが、成績が加味されているなら、首席の私と同じ班の2人はあまり優秀ではないのではないかと推測できる。
ということは、ダブル首席のサスケと私が同じ班になれないのも理解できた。

それはさておき、私とトビオ、そしてアミの3人でスリーマンセルということのようだ。…先が思いやられる。


「はいはい、喧嘩しないで」

「なまえちゃんは好きな食べ物とかねーの?」

パンパンと手を叩いて担当上忍の先生がアミを止める。
そして女子2人が喧嘩し始めやしないかとヒヤヒヤしていたトビオが話題を変えた。好きな食べ物…そういえば両親が死んで以来、あまり考えなくなったかもしれない。昔お母さんに作ってもらった食事を思い出し、記憶を辿る。

「うーん…ハンバーグ、とか?」
「ハンバーグとか言っちゃう私かわいいvみたいなやつ?きもいんだよ」

間髪入れずに何を言っても罵倒してくるアミ。普段いじめの標的にしていたサクラも、私の周りにべったり張り付いて色々牽制していたサスケもいない今、私は格好の的のようだ。
しかし言われるがままの私でもない。

「アミ、だる絡みやめてくれない?そういうの本当面倒なんだけど。」
「別に〜?あんたがサスケくんから離れたら考えてもいいけど?」
「いや、仮に私がいなくなってもアミにサスケが靡くとは思えないわ」
「はあ!?あんただってもう違う班なんだからサスケくんに捨てられるのも時間の問題でしょ!」

「まあまあ、はい次の君」

なだめるようにそう言った担当上忍の先生に促され、残りの2人も自己紹介を済ました。
だが、2人が自己紹介をしていても、私はあまり集中できていなかった。

”違う班なんだからサスケくんに捨てられるのも時間の問題でしょ!”
アミの言葉が頭を巡る。いや、サスケはそんなことしない。たったさっき、お昼ご飯の時にもサクラには靡かないって言ってたじゃないか。…でも、人間の心なんて先のことは分からない。

そんな不安を抱えつつも、どうしようもないこと。きっとサスケも今頃同じことを思ってるに違いない。そう切り替えて、担当上忍の先生の方に意識を集中させた。

「はい、みんな自己紹介終わったね。ボクはヤマト。これからよろしくね。」


女子同士の喧嘩

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