Pale blue | ナノ

「チッ…油断した」
「まさか分身すらできなかったナルトが影分身できるようになってたなんて」

あれからそれぞれ縄抜けして拘束から抜け出した私とサスケは変化したナルトを探しに外を歩いていた。

「そろそろ集合時間だな…仕方ない、切り上げるか」
「あれ、サクラ?」

ベンチに座るサクラもこちらに気付く。

「もう!サスケくんたら!シャイなアンチクショーなんだから!心の準備はできたぁ?私はもうバッチリなんだけどなぁ!」
「心の準備…?」

隣りにいる私など見向きもせずにサスケに言い寄るサクラ。
私が疑問を口にしたところでこちらに気付く。

「悪いわね、なまえ!サスケくんは私がいただくわ!」
「はぁ!?えっ、いやいやいや、ちょ、ええ?嘘でしょ!?」
「なわけあるか、バカ…落ち着け」

慌てる私に呆れ顔でそう言うサスケ。
考えてみればそうだ。さっきまでずっと一緒にいたのだから、サクラのよくわからない言動もきっとナルトの仕業だろう。

「ナルトのヤローはどこだ」
「まーたまたぁ、話そらしちゃってー…ナルトなんてほっときゃいいじゃない!サスケくんにいつも絡むばかりでさ!やっぱりまともな育ち方してないからよアイツ!ほら、アイツ両親いないじゃない!?」

その一言に私とサスケは反応せざるを得なかった。私もサスケもナルトも、好きで両親がいないわけではない。できることならずっといて欲しかったに決まってる。

「いつも一人でワガママしほーだい!私なんかそんなことしたら親に怒られちゃうけどさ!いーわね、ほら!一人ってさ!ガミガミ親に言われることないし!だからいろんなとこでワガママが出ちゃうのよ!」

サクラの言葉に耐えきれなくなった私が口を挟む。

「あのさあ、こっちだって好きで両親いないわけじゃないよ」

少し声のトーンを落としてそう言うと、サクラは少し怯んだ。

「ちょっと…どうしたの急に…何本気になってるのよ…」

慌て始めるサクラを余所に、続いてサスケが口を開く。

「孤独…親に叱られて悲しいなんてレベルじゃねーぞ…お前、うざいよ」


孤独のつらさ

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