SS


▼03/20 12:42



「痛い痛い!」
ギリギリと音を立てそうなほどに強く捕まれた右の手首。
腕を辿れば柔らかな笑みを浮かべた人物。その笑顔の裏にこんな力を秘めていたなんて驚きだ。
「あなた僕のこと好きって言いましたよね?」
「だからあれは恋愛感情じゃなくて!」
「言いましたよ、ね?」
更に強まる力。粉砕する粉砕する!
ヤケになり首を勢いよく縦に振れば彼は満足気に腕の力を弱めた。血が通っていなかったのか、指先は冷たくなっていた。じいっと指先を見つめていれば、その手を引かれ、ふわりと抱き締められた。
ちくしょう。なぜこうなった。

昼休みにある話題が持ち上がった。志々雄さんとか張さんとか瀬田くんとか本条さんとか、要するに学校で有名なグループの中で誰がいいか、という話題。
友人たちは志々雄さんがいいだの張さんがいいだの、白熱した議論を展開していた。
はっきりいってそこまで興味のないあたしはお弁当の煮豆を意味もなく掴んだり放したりを繰り返していた。
「で、あんたは誰がいいの?」
急に話を振られ、箸から煮豆が飛び出して机に転がった。
「あたし?」
「うん」
「あたしは‥‥別に」
「誰がいいの?」
「え、うーん‥‥瀬田くんが好きかな‥‥可愛いし」
これだ。これだよ。この発言をどこで聞いてたか知らないけど、本人がいきなり現れた。そして何を勘違いしたか「じゃあ付き合いましょう」って。あたしの手首を握る案外大きな掌はあたしから拒否権を奪ったんだ。


(気が向けば続けようかな)

▼02/19 01:05

「雪だるまー、雪だるまー」
「あ、宗次郎」
「こんにちは」
「なにやってるの?」
「雪だるまですよ。雪が降ったから何だか嬉しくて、つい」
「そっか。まだまだ頭を大きくしなきゃね」
「え?もう完成ですが」


なんかめっちゃ頭ちっちぇえ!!



(体1メートル 頭10センチメートル)

▼02/16 01:12

「ははっ、ざまあないですね」
「‥‥五月蝿いです」
「だから僕にしなさいって言ったに」
「‥‥」
「今からでも構いません。あなたが望むなら、」

僕と

一緒に

逃げましょう




(よくわからないー!)

▼02/07 17:24

「ほらまたうたた寝してる」
「う〜‥‥だって眠いんだもん」
「風邪流行ってるんですから、気を付けてくださいよ」
「でも風邪ひいたら宗次郎が看病してくれるでしょ?」
「僕まで風邪ひいちゃいますよ」
「そしたら二人で一緒に寝ようね〜」
「はあ‥‥ていうか熱あります?おでこあっついですよ」
「ないよ〜」
「ありますって。ほら早く布団いきましょう」
「やだー、宗次郎も一緒に寝よー!」
「酔っぱらいじゃないですかもう‥‥」
「宗次郎添い寝してよ〜」
「わかったからわかりましたから、袴を脱がさないでくださいってば!」
「宗次郎の体温が恋しいよ〜」
「もう‥‥ああ!どこ触ってるんですか!」
「宗次郎が怒鳴った〜」
「怒鳴ってないですよ!脱げばいいんでんしょ脱げば!」

(やけくそ宗次郎)

▼01/30 23:47

「ヒール、高いですね」
「新品なの」
「へえ」
「えへへ、宗次郎と身長同じくらいになっちゃった」
「‥‥別に構いませんよ」
「そう?」
「ええ、キスしやすいってもんです」

▼01/24 19:59

(宗次郎とプリクラを撮ろう 1 )

「えー、嫌ですよプリクラなんて‥‥」
今日は宗次郎とデート。
せっかくだからプリクラを撮ろうと言ったんだけど、なんだか乗り気じゃなさそう。
「いいからいいから」
「撮られる瞬間ちゅーしちゃいますよ」
「ふざけてないでほら行こう!」
「仕方ないですねえ」

▼01/20 21:43

(もしも宗次郎が泥酔したら)


「・・・まさか酔った?」
「酔ってませんよすみませんね。どうせ僕は縮地しか能のない男ですよ。女性に間違われることもあるし、昨日やっと暇をもらえて八ツ橋買いに行ったのに売り切れてるし、猫にニボシをあげようとしたら引っかかれるし。なんなんでしょう、死んだ方がいいのかな。ああそうですよね、僕みたいな人間塵同然ですよね。はあ、生きる希望が見いだせない。明日からどうやって生きていけばいいのかな・・・ごにょごにょ・・・」
「卑屈で陰湿!!!」


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