チーズケーキに恋をした


※去年(2010年)ハロウィン企画のものを再録


ひゅっと冷たい風が吹き去る。乾燥した落ち葉がカサカサと音をたてて足元を舞う。まだ秋だというのに、朝方はしんと冷え込むようになってきた。
マフラーを巻きなおし、紫苑は寒さに身震いした。

「寒いなあ…」

思わずそう呟く。吐き出された息が、空気の中を白く漂っていく。
その息の向こうに、見慣れない店舗が見えた。見慣れた街並みに、見慣れない新しい店。興味をひかれて、立ち寄ってみることにする。店のドアには『10/31 OPEN!』と書かれていた。

10/31?それって、今日じゃないか。

紫苑はわくわくしながら店のドアを開ける。ちりん、と可愛らしい音がした。

「いらっしゃいませ」

パティシエの格好をした店員さんが一人、にこやかな挨拶をしてくれる。
ドアと向かい合うように置かれたショーケースの中には、たくさんのケーキが並んでいた。

そっか、ここ、ケーキ屋さんだったんだ。

今更ながらその事に気付く。

外装がお洒落だったから、喫茶店かと思ってた。

「こんにちは。今日オープンなんですね」

ショーケースを眺めながら、話しかけてみる。

「ええ、お客さまは何歳ですか?」
「え…、16歳ですけど」
「では、どれでもお好きなものをひとつどうぞ、お客さま」
「え?」
「今日はハロウィンでしょう?当店では今日に限り、高校生以下の方にはお一人様おひとつ、無料でケーキを差し上げております」

店員さんはすらすらと話すと、にっこりと微笑んだ。
一瞬、紫苑はその灰色の目に引き込まれそうになる。不思議な輝きを持つ瞳。
思わず見とれていた。

「どうなさいました、お客さま?」

店員さんは、くすっと笑ってそう言った。はっと我にかえる。

「あ、すみません、ぼーっとしてて…。そうなんですか?すごいサービスですね」
「はい。今日はオープン記念祭でもありますから。ケーキはどうなさいますか?当店はチーズケーキがおすすめですよ」
「あ、じゃあ…そのチーズを1つ…いや、2つお願いします」
「無料サービスは1つまでですが、よろしいですか?」
「はい、もちろんです」
「お会計は、320円になります」

店員さんは優雅な手付きで2つのチーズケーキを保冷剤とともに箱におさめ、ショーケースの向こう側からこちらに出てきてケーキを手渡してくれた。

「どうぞ」

礼を行って店を出る。図書館に行くつもりだったが、まっすぐに家に戻る。



母と共に食べたチーズケーキの味は、極上だった。



灰色の瞳に、囚われた




-----あとがき-----
No.6のネズ紫です。ネズ紫です(大事な事なので二回ry)
私は紫ネズ寄りなのでネズ紫書くのは珍しいですww
ここで補足説明を…(文章力なくてすみません)
ネズミはパティシエです。22才くらいかな?
紫苑は高校一年生。16才。
この後、紫苑はチーズケーキとネズミに惚れ込んで、ネズミの店の常連さんになって、
それでネズミに「弟子になりますか?」と言われます。
(非現実的だけど、ネズミの店にはスタッフはいない。たまにイヌカシあたりが手伝いに来てるかも)
ネズミは最初、完璧な敬語と営業スマイルだけど、紫苑と師弟になった途端、原作のようなSになればいいww
そして紫苑はネズミに対してはMでも、ネズミの敵に対してはドSなのでしょうww
ネズミの店は繁盛するからたくさん嫌がらせとかゴタゴタとかあるだろうけど、紫苑が暗躍してry

このあたりでストップしときます(笑)
妄想は際限なく広がりますねーww
ほんとすみません、お粗末さまでしたm(__)m

タイトルは、さまよりお借りしました。



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