カロリーメイトゲーム!?


!)
・中の人パロだけど
・シリーズものダヨってだけかも
・一応、話の舞台は収録現場


一足先に別録りの終わったネズミは、スタジオの外の廊下に設けられたベンチに座り、紫苑を待った。

自販機で買ってきた缶コーヒーで手のひらを暖め、ぼんやりと窓の外を眺める。月がさえざえと銀色の光であたりを照らし、背を丸めて足早に道を通りすぎる人がぼんやり見えた。

どれだけそうしていただろう。
手の中の缶コーヒーがぬるくなってきた頃、ネズミの腹の虫が鳴いた。

そういえば、夕飯食いはぐれちゃってたな。

鞄の中からゴソゴソとカロリーメイトを取り出す。チョコレート味。
外箱を開け、中袋を破り、カロリーメイトを一本口に含んだところで、スタジオの防音ドアがごとりと開いた。

「あっ、ネズミ」
「ん?」

まだ台本を手に持ったまま、がさがさ紙の音をさせながら紫苑が駆け寄ってくる。

「はー、おなかすいた。ね、それぼくにもちょうだい」
「ん」

袋に残ったもう一本のカロリーメイトを紫苑に差し出したのに、紫苑はそれは無視してネズミのくわえているカロリーメイトに食い付いた。

「ふ、むっ」

予想だにしていなかった紫苑の行動に面食らったネズミは反応が遅れ、カロリーメイトの大半をまんまと紫苑にかじり取られてしまった。おまけに、菓子の破片がぼろりとシャツの襟首にこぼれ落ちてきた。

「ん、おいし」
「…あんたなあっ」
「あ、ごめん、ちょっとこぼしちゃった?」
「ちょっとどころじゃないだろ」
「ネズミ、怒んないでよ、ごめんてば。取ってあげるから」
「えっ、ちょ」

もぐもぐと口を動かしながら、紫苑はネズミのシャツに手を伸ばす。そのままボタンを外そうとする紫苑の手を、ネズミはあわてて掴む。

「いい、やめろ紫苑、帰ってからで」
「だめだよ、シミになっちゃうでしょ?」
「いや、だからって、今は…」

ネズミの抗議もなんのその、紫苑は手早くネズミのシャツを肌蹴させると、菓子くずを床に払い落とした。

へくしっ

大丈夫?ネズミ、風邪?

…さっきのあんたのお節介のおかげで、寒いだけだ

そっか。じゃ、帰ったら一緒にあったかいお風呂入ろうね

そうだな…って、はあっ!?


fin.
2011.12.14

体育終わった時、廊下のベンチでカロリーメイトゲーム(notポッキーゲーム)をしようとしてた(※未遂)男子たちを見掛けたので、つい。
成功してたらどうなんだろね、ってガーコと話してて、ガーコが「ぼろぼろーってこぼれてくるよww」って言ったのがツボでした!


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