ねぇ、好きだよ


!)
・口調バトン罰ゲームで書いた
・「日向ぼっことペロペロキャンディー」と同じ二人
・成長して高校生になった紫ネズ
・シリアス、ほぼ紫苑の独白



あの日ネズミと出会い、同じ中学に進んだ。ずっと一緒にいられると思ったのも束の間、ぼくは親の転勤で引っ越すことになった。

「また会おう、紫苑」
「うん。絶対同じ高校に行こう。ネズミ、勉強しろよ」
「もちろん」

ぼくたちはしっかり、指切りをした。





あれから4年後。
ぼくもネズミも、約束通り同じ高校に合格し、入学式の日に感動の再会をした。
成長したネズミは予想していた以上に美しく、しばし呆然と見とれてしまったほどだった。
さぞかしぼくは馬鹿に見えたのだろう、ネズミはくすりと笑みをもらし、ぼくの名前を呼んだ。

懐かしい、ネズミの、声。

沸き上がるこの想いは何なんだろう。
懐古?友情?どちらでもない。
ああ、ぼくはネズミのことが好きだったのかと気付くまで、そう時間はかからなかった。

きみはといえば、昔と変わらずいたずらをして教師を困らせ、幼なじみだというイヌカシとはくだらない喧嘩をし、ぼくを誘って一緒に授業をさぼった。ぼくが、どんな気持ちでいるかも知らずに。

ねぇ、気付いてよ、ネズミ。
ぼくはこんなにもきみを、想っているのに。

そういえば、ネズミ。気付いてしまったことがあるよ。
きっと、…いいや絶対、イヌカシはきみに惚れている。
小学生のときはあんなに男の子みたいだったのに…彼女、最近は少し女の子らしくなったと思わない?
スカートとか、短く折ったりしてさ。
きみは知ってる?昔とは違って、彼女がきみに喧嘩を売るときの表情、すごく嬉しそうなんだよ。
きみも楽しそうに応酬したりしてるけど、ねぇ、きみもイヌカシのことが好きなの?

この前、そう聞いたら、きみはものすごく怒ったよね。ふざけんな、からかうな、って。
ふざけてなんか、ない。からかってるわけ、ないじゃないか。ぼくはいつも真剣だよ。
ネズミ、きみが好き。

今日もきみは、ぼくの気持ちに気付こうともせずに、ぼくの隣で綺麗に笑うんだね。

その笑顔が好き。その仕草が好き。きみの全てが好き。
言ってしまってもいいのかな。
この関係が、「親友」という居心地の良い関係が、…壊れてしまうとしても。

もう、我慢できないよ。ネズミ。
きみが、本当に好きなんだ。

その洗練された一挙一動から、目を離すことが出来ない。

「どうした?紫苑」

ぼくの視線に気付いたのか、ネズミは小首を傾げた。

「ネズミ、」
「うん?」
「ねぇ、好きだよ」

唐突にそう告げ、ネズミを抱きすくめて唇にキスをする。
ネズミは抵抗しなかった。

「…紫苑。へたくそ」

唇を離すと、ネズミは一言そう言って笑った。

「え?」
「ファーストキスは、もっとロマンチックに演出しろよな」
「…ネズ、ミ」

戸惑うぼくに、きみはまた、ふふんと笑った。

「今さら、何だよ。おれだって、あんたが好きだ。でなきゃ、こんなに勉強するかよ」

気付いてなかったのは、ぼくの方だったの?

ネズミはぼくの胸に赤くなった顔を押し付け、ばかと呟いた。


fin.
すすすみませーん!
紫苑さんの独白メインになってしまいました…しかもネズミがまたツンデレ発動(笑)
こんなもんで罰ゲームこなしたと思うなよ馬鹿野郎!というお叱りならいつでもばっちこい!です!
紫ネズよ、幸せになれ!^^


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