111に駆けつけて


!)設定
・紫ネズ現パロ
・二人とも高校一年生
・季節は初冬くらい
・お友だちサイトのリアタイのネタにたぎって思わず。



昔から、青空の下が好きだった。
だが、黒髪と対照的な白い肌は、いくら日に当たっても焼けることはない。
1日の大半を外で過ごしているにも関わらず、ネズミの外見は儚げなままだった。


111


今日もネズミは、登校してまっすぐ、晴天下の屋上に向かった。
肩に引っ掛けた鞄を、コンクリートの床にどさりと落とす。
午前中の授業に出るつもりはなかった。
階下の始業前のざわめきを他人事のように肌に感じながら、予鈴のチャイムを聞き流す。

まだ朝の空気は冴えて冷たいが、風は凪ぎ、体をすくませるような寒さはない。
目を閉じ天を振り仰ぐと、冬の柔らかな陽射しが体を暖めてくれるのを感じることができる。

襟元のマフラーを少しゆるめ、ネズミは屋上の端に設けられている柵の方へゆったり歩いた。
胸あたりまでの高さしかない柵から身を乗り出し、眼下の道路を見下ろす。
遅刻を取られまいと疾走するクラスメイトがちらほら見えた。
この時期になると、進級に必要な出席日数が危うい生徒がクラスに数名は出てくる。
出席日数は余裕で足りているネズミは、憐れなクラスメイトたちを心の中で嘲笑い、柵に頬杖をついた。

ふと、おかしいくらいゆっくりと走ってくる生徒に目がとまった。
黒いアスファルトに鮮やかな白髪が映え、とても綺麗だった。

あいつ、誰だっけ。

長い睫毛を伏せ、暫し記憶を探る。ネズミはいまだに、クラスメイトの名前をほとんど覚えていなかった。人間嫌いなわけではなく、ただ他人に興味がないのだ。

ああ。紫苑、だ。

紫苑…花の名前。
初めてのホームルームの自己紹介の時の記憶が蘇る。
その名を聞き、窓から入ってくる淡い光を受けて柔らかく煌めく白髪を眺めながら、あの白い髪に薄紫の可憐な花を飾れば、さぞかし美しいだろうと思った憶えがある。

ちゃんと思い出せたことに満足してネズミが微笑んだとき、無機質な本鈴のチャイムが鳴った。
紫苑はようやく校門に辿り着いたところだった。今からどれだけダッシュしても、教室に入る頃にはチャイムは鳴り終わっているだろう。つまり、アウト。

紫苑は諦めたのか、大きく息を吐き出し、脱力して天を振り仰いだ。
その時、まったくの偶然に、紫苑は屋上のほうへ視線をやった。ネズミと目が合う。紫苑は驚いたようにびくりと肩を震わせ、目を見開く。
そして、また走って校舎のほうへ向かい、ネズミの視界から消えた。

はて、とネズミは首を傾げる。
どうせ遅刻なら、ゆっくり歩いて行けばいいものを。
そもそもあいつ、真面目に授業を受けていたじゃないか。出席日数の危ない馬鹿な輩ではない。
なのになんで、必死こいてもたもた走ってたんだろう。

くすり。
自分とは違う思考回路の持ち主の行動が可笑しくて、ネズミは久しぶりに笑みをこぼした。


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次は紫苑視点に切り替わって続…くのかな。
実はこれ、秋さんのリアタイのネタだったり…
素敵な現パロネタにほわあああって萌えて…気付いたら手が滑ってましたはわわわわ。
まだ許可いただいてないんです。
えっと、今からいってきますすみませorz

タイトルは、さまよりお借りしました。


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