しろくてあまいふわふわ


!)夜柑さま宅、ココアケーキの夜の夏休み企画へ提出



「ね、あれ食べようよ、ネズミ、」

からり、ころり、と軽やかに下駄の音を鳴らし、紫苑はネズミの浴衣の袂を引く。
すいすいと人波の間を泳ぐように進む紫苑に引っ張られ、ネズミもからり、ころり、と紫苑と同じ音をさせながら歩く。

今日は夏祭り、紫苑もネズミも揃いの浴衣を着ていた。
ちらり、ちらり、と行き交う人が振り返って二人を見る。
麗しいネズミと可愛らしい紫苑の和装ツーショット、注目を集めぬはずがない。それに気付かず上機嫌な紫苑とは対照的に、ネズミは唇を真一文字にひき結び、不機嫌極まりなかった。

自身への注目なら慣れっこ、空気のように無視できる。でも、紫苑の艶やかな浴衣姿は衆目に晒したくない。誰かが紫苑に惚れてしまったらと、腹立たしいことこの上なかった。
そんなに心配なら紫苑を連れ出さなければいいのだが、紫苑の喜ぶ顔は見たいし…。

「ネズミ、ほら、りんご飴!美味しそう!」

ネズミの内心の葛藤など露知らず、紫苑は無邪気に屋台を指差し、わぁ、と歓声をあげる。

「…あんたまだ手に持ってんのがあるだろ」

紫苑の手には、子供のようにあれもこれもと買い集めた、焼そばやらたこ焼やら、おまけにかき氷まであった。
ネズミはげんなりとそれらを眺め、先にそっち食えよ、と言った。

「かき氷、融けるぞ」
「ネズミうるさい。ぼくの母さんより、うるさい」
「なんだと」

きみはぼくの保護者か。

以前口論した時に投げつけられた言葉を、唐突に思い出す。もともと不機嫌だったネズミは思わず腕を振り払い、紫苑に引っ張られていた袂を取り返す。

「ネズミ?…あ、眉間に縦皺」

驚いたようにネズミを振り返った紫苑は一瞬目をみはった後、すぐにいたずらっぽく微笑み、またネズミの袂を掴む。

「なに、怒ったの?冗談だって。じゃ、座って食べよっか」

紫苑に袖を引かれたまま、臨時設置されたパイプ椅子に座る。

紫苑はつるつるとあっという間に焼そばを胃におさめ、ぽいぽいとたこ焼を自分とネズミ口に交互に放り込む。もぐもぐと口を動かしながらも視線は楽しそうに屋台を物色している。
ごくん、とたこ焼を飲み込んだ紫苑は再び、ちょいちょいとネズミの袖を引いた。

「うん?」
「やっぱりネズミ、次はリンゴ飴じゃなくてあれにしよう」
「は?」

うんうん、とひとりで頷き、紫苑はネズミに融けかけたかき氷を押し付け、立ち上がる。

「買ってくるね!ネズミもいる?」
「え、だからなにを」
「あれだよ、あれ。ふわっふわの」
「わたあめ?」
「そ。ネズミどうする?」
「…ああ、おれはいいよ」





ん、おいしいよネズミ。ちょっと食べる?

そうだな…じゃあ少し。紫苑、ちょっとこっち

え?…て、わ、ネズ、ちょ、

うん?

髪の毛!かき回さないでよ!てか、早く離れろって!あつい!

ふふふ、さっきかき氷食ったからおれ、寒いの




夜柑さん!素晴らしい企画をありがとうございました!夏っていいですよね、ときめきますよね!浴衣だいすき!
お祭りも屋台もわたあめも大好きです。わたあめ好きなので即、このお題に飛び付きました!
でも素敵なお題に見合う文が書けなかったのが心残りでございます…力不足申し訳ないです!
あ、ラスト、ネズミは紫苑の髪の毛に顔うずめてます。もっふー、って感じでww
誰かイラスト描いてくださいませんか…(´д`*)
あ、灰色文字の会話文には続きがありまして…(ぐだぐだになるので切りましたが)…一応ここに載せときます。

「かき氷、ぼくは食べてない!」
「いいじゃん、わたあめ食ってんだろ?ま、おれはこっちの白いふわふわの方が──」
「ぼくはわたあめじゃない!」
「でも、あまい」
「あまくない!てか本気で恥ずかしいよネズミ!みんな見てるし!」
「べつに、おれは気にしないけど?」

…むしろネズミは、見せつけてやれくらいに思ってるはずです。冒頭から嫉妬してましたしね(笑)

ではでは、だらだらと長く失礼いたしました!
高校生以下のみなさまは、もうすぐ夏休みも終わりですねー
大学生はこれからやっと夏休みですねー
社会人さんはもう働いてらっしゃるのかしら?盆明けましたし…

残暑厳しいですがどうぞ体にお気をつけてお過ごしくださいませ!

お題は、夜柑さんによるお題サイトめまいくらくらさまよりお借りしました。


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