ハリポタ 僕らの時代 番外 | ナノ
弱点
僕の友人は朝に弱い
僕らの時代
定時に目が覚めるのが癖になっているのは、少し年寄り臭いような気がする。
それでも目覚ましが鳴る前に起きてしまうのは、もはや習慣だ。
僕と部屋のパートナーは生憎な事に相性が合わなくて部屋の居心地は最高に悪い。
談話室で寝たほうがぐっすり眠れると思うくらい、最悪だ。
そんな訳で相手が起きるより早く起きて、煩わしい会話をする事無く朝を迎えるのが僕の習慣になっている。
さっさと着替えて、午前中の教材を持って部屋を出た。
時計を見るといつもよりも少し早い時間。
でも、そろそろ起こしてもいい頃合いだ。
談話室に向かう途中にある友人の部屋を二回ノック。
扉が開いて、顔を覗かせたのはリドルの部屋のパートナー兼僕の知人でもある人。
「おはよう」
「おはようナチ君。トム君はまだ寝てるよ」
「だろうね」
まだ眠たげなリドルのパートナー。
それでも僕の訪問を察知して扉を開けてくれるのだから良い人だ。
さて、部屋の中。
ベッドの上で毛布に包まって顔まで隠している人。
それは勿論リドルな訳で。
「おーはーよー」
と声をかけても無反応。
肩だろう部分を揺すってみたら、拒絶するように身を動かす。
「昨日何時に寝たの」
「かなり遅かったよ」
そう答えたのはリドルのパートナー。
君、本当に人が良いよね。
「リドルー?」
「んー」
「起きなきゃ朝食を食べられないよ」
「んー」
「いらないじゃない。ほら起きて」
被る毛布を剥ぎ取れば、目を擦るリドル。
「一限無いし……」
「無くても起きる。生活リズムを率先して崩そうとしない!」
「食欲無い」
「朝食を食べないと頭の回転が鈍るんだよ?ほらほら、起きて」
「ナチは僕の何なの」
「友達でしょ?」
「友達に生活管理されたくないんだけど……?」
「だったら、ちゃんと朝起きる」
「起きる起きないは僕の自由じゃないか」
リドルはパチリと目を開けて、紅い瞳で僕を睨んだ。
その表情もちょっと不貞腐れた言い方も、少し幼く感じる。
起きたての証拠だね。
まぁ、これだけ返答が出来ているなら、脳が起きた証拠だ。
「それなら起こす起こさないも僕の自由でしょ?」
ニコリと笑って言えば、上体を起こしてベッドに腰掛けたまま口を尖らせる。
「横暴だ」
「目覚まし時計の代わりだと思ってよ」
「朝から疲れさせる目覚まし時計なんてごめんだね」
そう言って、一つ溜め息。
ついつい口元が緩んでしまう。
こんな対応すら楽しめてしまう僕は、大概君に弱い。
〜戯言〜
お互いの弱点。
ネタを御提供くださった大和様、誠にありがとう御座いました!
- 6 -
[
*前
] | [
次#
]
←
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -