モノノ怪 飽和する世界 番外 | ナノ
R18
溶けた理性
女主
鬼と同化して以降、私の夜は一変した。
夜は寝るものであったはずなのに、今となっては寝苦しい。身体の芯がむず痒く、最初は月夜に力を増殖させる鬼に中身を蝕まれているのかと思った。
しかし、朝になればケロリとして、また普段通りになるのだから人間であった私の部分が蝕まれているわけではないようだ。それなのに、毎夜毎夜、月が満ちれば満ちるほどに神経が研ぎ澄まされ、蝕まれてゆく。
年端もいかない童女ならば何が蝕まれているか分からず、身体の中から発生するむず痒さを持て余していたことだろう。残念な事に、私はもう大人で、そういう事を知っていた。だからこそ、最初はまさかと疑った侵食される感覚が、情欲のものだとすぐに理解した。
私は、己に備わったそういった欲は随分と希薄であったと記憶している。年に一度の薬売りが来た時、その中でも必ずではなくたまたまお互いに気が向いた時に致すだけだったし、自分で慰める程の欲もなかったから、長い事そういったことと縁遠い時期もままあった。
それなのに、今はどうだ。欲望が、身体の中の疼きが、膨れ上がって毎夜苛まれている。
「西明、そろそろ、宿をとりましょう」
夕暮れ時、空には僅かに欠けた月が浮かび上がっていた。まだ明るい空だというのに、もう月が出ているのが妬ましい。
「……そうだな」
旅を共する薬売りとは、金銭の面から見ても宿泊は同室である。それが当たり前のように布団は2組敷かれ、隣り合って眠った。
私にはそれがとても息苦しかった。肌を、熱を、味を知っている男が隣に居て、悶々と欲を持て余す己に嫌悪した。
人間だった頃はいつだって求めてくるのは男で、私は自分から求めたことは無かった。自分には過ぎた欲求だったからだ。当時はそばに居るだけで満足であったし、肌と肌を触れ合わせ、いつもは落ち着いている男の獣のような性を受け入れるのは私には少々辛い部分もあったのだ。
それが、今では待ち望んでしまうのだ。あの腕に抱かれ、中にあの熱い欲を打ち付けて欲しいと望んでいる。
望んでしまっている。
けれど薬売りはこの旅が始まってから一度たりとも私を求めてこなかった。私は鬼なのだから当然だろう。モノノ怪を斬らなければならない男が、どうしてモノノ怪を抱けるのか。
だから私はこの疼きを持て余す。隣に眠る男の寝息を聞き、よく利くようになった鼻で男の匂いを感じ、じっと堪えるのだ。
湧き上がる肉欲に乾く喉や、触れてもいないのに濡れる下股が情けなくて泣きたくなる夜もある。
今夜もまた、中から疼く感覚に歯を食いしばるのだろう。夜が酷く憂鬱だ。
夕餉を食べ、風呂にも入り、灯りも消えた部屋で個々の布団に潜り込む。贅沢はない簡素な部屋であるが、旅人である我々にとっては雨風凌げ、飯も湯も寝床もある有り難い空間だ。
目を閉じて眠るだけ。そう、それだけなのに、また敏感になった嗅覚は隣に寝ている男の匂いを嗅ぎつける。たちまち身体の内から湧き上がる、潤いながらも枯渇したような感覚に深く息を吐いた。
私も薬売りも風呂に入ったと言うのに、それでも感じる薬売りの香りに腹の奥底がジワリと疼く。堪えるには苦しいとすら感じるこの欲望を身体を丸めて押さえ込むしか手立てが見当たらない。これは私が生きる限り、永劫に続くのだろうか。毎夜こんな劣情に苛まれてしまう己の卑しさに泣きたくなる。
なんて汚らわしい存在になったことか。ただ鬼になっただけでなく、男とまぐわいたい欲求に身を焦がすとは、下劣にも程がある。
人間の頃に戻りたい。色欲に溺れた自分なんて嫌だ。
「西明」
背を向けた方から名前を呼ばれて、一度息を深く吸ってから振り返る。夜ではあるが、ほぼ満月に近い今、部屋は随分と明るい。
「苦しいのですか?」
薬売りの問いに、羞恥心が爆発したような気がした。身体が熱くなり、情けなさやら惨めさが胸に押し寄せてくる。
「毎夜、苦しそうにしている」
毎夜、気付かれていたということか。勘違いをしてくれているから助かるが、それは、私が毎夜いやらしく疼く身体を抱きしめ、一人で欲を堪えているのに気付いていたということだ。自慰こそしていないけれど、なんて恥ずかしい事だろう。
「大事ない。起こしてしまっていたのならば、済まなかった」
「西明はまだ妖怪を取り込んだばかり……隠の力が増す夜になれば、あの鬼の力も増すでしょう」
のそりと起き上がる薬売りは夜なのだから当然寝巻きだ。普段はきっちりと閉ざされている鎖骨の辺りが出ていてひどく艶めかしく、生唾を飲み込んだ。
釘付けになってしまいそうな目を逸らして、口を一文字に閉ざす。気を抜けば、熱い吐息が出てしまいそうだ。
「西明」
「大事ないよ、薬売り。起こしてしまい済まなかった。明日からは、金はかかるが別々の部屋にしよう。その方がお前も眠れるだろう」
「独りで、堪えると?」
「朝には元に戻る。本当に、心配するようなことではないんだ。それにこの約ひと月、夜にあまり寝なくとも寝不足という感覚はない。鬼の力のおかげだ。だから、生活に支障はきたさないよ」
薬売りの気配が近づくのを感じて、思わず起き上がり距離を取る。今触られては、堰き止めているものが溢れ出てしまいそうだ。
「西明……」
「夜は神経が過敏になってな。だから、触らないでくれ」
薬売りが思案するように顎に手をやり、はたと表情を変える。夜だと言うのに昼間のように見える鬼の視界は、知りたいないものまで見せてくるから嫌だ。
「西明、少し、失礼」
先に非礼を詫びる言葉を告げられては、拒絶出来なくなる。
伸びてくる手が頬に触れた。それだけで身体はピクリと跳ねて、声を殺そうと噛んでいた口の代わりに、鼻から熱い息が漏れる。
するりと頬を撫でる手に、思わず口が開いた。
「は……ぁ……」
「嗚呼、なる、ほど」
「くすり、うり……」
「欲しかったの、ですか」
カアッと顔が熱くなって、咄嗟に手を払う。
「私の意思ではない」
「……。そうでしょう、ね」
薬売りは知ったような言葉を吐く。
お前に、何が分かるというのだ。こんな、獣のようにまぐわいを求めて、常に欲望にギラギラとする卑しい生き物になった気持ちなんぞ、お前に分かるわけもないだろう。
子を成すためでも、まして愛を、癒やしを、安寧を求めるためでもない。ただ欲望のままに男根を咥えこみたい。激しく抱かれたい。卑しく乱れたい。そんな感情を持つ事がどれほど私の人間としての自尊心を崩しているか、知るわけもないだろう。
「ですが、堪えるのもつらい、でしょう?」
「こんなものに負けたりはしない」
「三大欲求の1つですよ。ずっと争い続けるのは、酷かと」
ただ頬を撫でる手なのに、背筋がゾクゾクとする。暗闇の中、薬売りの美しい顔が近くにあって、表情はよく読み取れたが無表情だという事しか分からなかった。
夜着から覗く白く細いその喉に食らいついてやりたい。その肌の隅から隅まで余す事なく触れたい。あの獣のような本性を暴き出して、果てる時の情欲に溺れた顔を見てみたい。きつく抱き合いたい。いつもは腹の上に放たれる白を、脈打つ男のそれを、内に感じたい。
「西明……」
流水の様に耳に流れ着いたひんやりとした声音にハッとする。目の前に薬売りの顔があって、その表情は同じ無表情であるが、私の姿勢と、薬売りの姿勢はまるで違った。
薬売りの背に布団があり、私が薬売りに跨り覆い被さっている。
慌てて退こうとすれば、腰を掴まれ制止された。
「構いません、よ」
慌てる私をよそに、薬売りはとても落ち着いている。まるで私の中を見透かした様に、組み敷かれてもどこ吹く風だ。
「西明の、したいように、してみると良い」
「世迷い事を」
私が今、どれほど苛虐心を持っているか分からないのか。お前を鬼の私が汚してしまいたいと思っているのに、気付かないのか。
「俺はそこらの弱い生き物とは、違いますぜ」
だから、好きな様にしてみると良い。そう言われて、また生唾を飲んだ。
こんなに綺麗な男を前にして、まして、体を交わした男を、全てを知り尽くされた男を前にしてどうして自制が効くだろう。鬼の力で押さえつけて、男を困らせてやりたい。
ごくりと嚥下して、男の薄い唇に、自分のそれを押し付ける。閉ざされた唇に、開けて欲しくて舌を這わせれば、くすりと笑ったのが伝わってきた。それでも開かない唇に、焦ったさを感じる。
「口を、開けて欲しい」
薬売りがまた笑った。恥ずかしさが腰から脳髄へと伝い、鳥肌が立つ。
薄く開けられた唇に、薬売りがしていた様に舌を入れてゆく。温かいそれに、他人の色香に、頭がクラクラした。口付けだけでこんなになるなんて、童になった気分だ。
「んぅ……は……」
いつものように深くしようとして、お互いの八重歯が邪魔をする。そうか、私の八重歯も、鬼のようになっているのか。それを思い出し、相手の唇や舌を傷付けないように口付ける困難さを知った。
それでも口付けが心地良くて、夢中になる。こんなに心地よいものだっただろうか。唇を食み、歯をなぞる。ツルツルした歯だ。今までこんなに自分から舐めたことはなかったから、新しい発見ばかりで、頭がのぼせてしまう。
「ん……西明……」
口の端からテカテカと光る唾液を零し、私を見上げる薬売りは変わらない表情。それに比べて私は息が上がっていた。
「口吸いだけで、満足なんで?」
私の頭を撫でながらクスクスと笑う薬売りに、子供扱いされたのだと理解する。けれどこれより先は、きっと薬売りを傷付けることになる。モノノ怪が、モノノ怪を狩る者を汚そうとしているのだ。
私に甘い薬売りだ。私のこの欲が収まるまで付き合うつもりなのかもしれないが、それでは薬売りが辛いだろう。
「嫌だったら言ってくれ」
「まるで女子になったような気分だ」
薬売りは尚もクスクスと笑う。その首元に顔を埋めて、香りに酔いしれながらも、首に唇を寄せる。
舐めて、吸う。中を流れる血潮を感じて、ほんの少しだけ歯を立てた。このまま顎に力を入れて、その血を啜りたい。腹を満たしたい。その時薬売りはどんな顔をするだろう。痛みに顔を歪ませるだろうか。きっとその顔もまた愛おしいだろう。痛みに悶えるお前を見てみたい。私の前で崩れない無表情を崩してやりたい。
「西明」
名前を呼ばれてすぐに体を起こす。口元に僅かに鉄の味がして、血の気が引く。
私は、なんてことを……。
「済まない。済まない、薬売り」
「ああ、どうぞ、そんな気になさらず。俺も、西明に噛み付いたことがありますから」
だからどうぞ続きを、と腕を引かれ、薬売りを下敷きにして倒れこむ。僅かに張りを感じた下半身に、体が勝手に震えた。
この後はどうすればいいのだろう。いつもは薬売りが私を抱いていた。同じようにすれば良いのだろうか。しかし私は女で、薬売りは男。感じ方は違うかもしれない。
男の帯を解いて、上半身を寛げる。肩に、先ほど私が掴みかかって押し倒したからだろう鬱血痕があった。痛かったに違いない。
首筋に滲む血に、圧迫されできた跡に、自制がなければ私の力は男を傷つけてしまうのだと実感した。気を付けなければと思う反面、もっと傷つけてしまいたいという狂気が腹の奥底から滲み出てくる。
「西明?」
動きの止まった私を訝しく思ったのだろう、薬売りは小首を傾げた。何でもないと伝えて、男の胸の突起物に指と舌を這わせれば、男はクスクスと笑った。
「俺は、女では、ありませんぜ」
「なんとも無いのか?」
「まぁ、そこに気持ち良さはない、ですね」
「そうなのか……」
では、どうすれば良いのだろう。私の時は上半身の後に、下半身に触れてきていた。では、私が男の下半身に触れるのか?
雄の匂いの元に手を添える。布越しにも隆起しているのが分かって歓喜に身体が震え、自分の下腹部がグズグズになっていく。浅ましい己を、いっそ潔いとすら思えた。
「くす……」
薬売り、と言おうとして、やめる。男から許可は出ているのだ。1つ1つ確認する必要は、きっとない。
布を解いて、男のそれを見る。もしかしたら、真面目に見るのは初めてかもしれない。いつも翻弄され、分からないままに体を貫かれていたのだ。それが今、形をしっかりと目に入れてしまっている。
「こっ……」
「こ?」
こんな物が私の中に入ってきていたのか。口から溢れそうになった言葉は、驚きのあまり音にもならなかった。春画は誇張表現ばかりだと言っていたが、それにしてもこんな……。
驚愕と、雄の匂いに刺激されてクラクラする頭とが思考を放棄してしまう。固まっている私を薬売りはただ見上げていた。
「西明」
これに打ち付けられたらどんなに気持ち良いのか。そんな考えばかりが頭を埋め尽くしていて、恥ずかしくなる。それしか考えられなくなっているなんて、思春期でもあるまいに。
男のモノを受け入れる為にも服を脱ごうとすれば、制された。
「もう少し、刺激が欲しいの、ですが」
「しげき…?」
「俺は、西明に、何をしていたか、覚えてますか?」
言われて、思い出すのは指使いと舌使い。いいところを擦られる刺激と、ねっとりと嬲られるようなそれを思い出して、腰が痺れる。
それを、薬売りが求めているのか。
男の物に手を添えると、ピクリと動きがあった。手を引っ込めると、そのままと言われ、また手を添える。
「握るように、上下に擦って」
言われた通りに手を動かす。すると、男の物は少し硬さが変わった。
「いた…くはないのか?」
「ええ、気持ちよい、ですよ」
あとは、口だ。口をどう使えば良いのか分からず、先端に唇を寄せる。先は柔らかく、唇にフニャリとくっついた。棒のようではあるが人の身の一部なのだなと改めて思うと同時に、雄の匂いを間近で嗅ぐことになったからか、もっと欲しいと自制が薄れてゆく。
「西明っ……」
口にしたことのない味が口内に広がる。鼻腔も口腔も犯されているような、それでいて私が犯しているのだという満足が胸に沸き立つ。
「もう、良いです、よ」
頭を撫でられて、夢中で貪っていたのだと気付く。男のそれを口にして、もっともっとと欲しがるとは、なんて最低な生き物なのだろう。この男の精を口で味わいたいとすら思ってしまっていた。
促されるままに、男に跨る。自分で男のソレを入れろ、ということなのだろう。
自分の下股は見られないように、僅かに寛げて男の上に腰を浮かせる。自分で入れた事が無いから、まして自分で慰める事もろくにしてこなかったからか、男のいきり勃ったソレをなかなか自分の中に招き入れられない。
ヌルヌルする自分の股を滑らせて穴に入れられずにいると、男は私の頭をポンと撫でた。見れば、笑みを浮かべている。
男の指が股に触れ、ゾクゾクと悪寒が走り背筋が反り返る。割れ目を見つけた薬売りは、そこに自身を宛てがった。
腰をゆっくりと落としていくと、身体の中に、男のソレが刻まれる。
もっと、もっと刺激をと、快楽を求める体は勝手に腰を上下に動かす。まだだ。まだ足りない。もっと、もっと欲しい。
「んっ…くすり、うり…」
腰が勝手に反り返る。男の手が胸に伸びてきて、乳房をわし掴んできた。痛いはずなのに、心地よい。もっと激しくお前を感じたい。もっと強くこの身に刻みたい。
「そう、ですか。では攻守交代と、しましょう」
男は何を思ったのか、上体を起こして、私の腰を掴んで持ち上げた。
「えっ、あっーー!」
ゆっくりとではなく、躊躇なくズブリと一気に貫かれ、目の前に星が飛ぶ。気道から喉まで空気がひゅうと抜け出て、頭の中が白くなった。
「イけた、ようで」
男が姿勢を変え、繋がったままの私は床に転がされた。中の物が擦れて、また頭が真っ白になる。呼吸もままならない。こんな刺激、知らない。
「いっ…た…?」
「意識が飛ぶほど、気持ちよいという事です」
「まっ…あっ!!」
男が抜こうとして、また一気に打ち付けてくる。快感に声が溢れ出た。背筋を走り抜ける快楽。なんで苦しく、心地よいのだろう。
「こういうのが、お好みでしょう?」
「なんっ、ひあっ!」
今までの情事はなんだったのかと思うほどに、男は苛烈に攻めてくる。欲しかった刺激は、あまりにも強くて、あまりにも甘やかだ。
口が勝手に喘ぐ。抑える余裕すらない。己の甘ったるい声が部屋に響いていて、嫌なのに、それすら耳を犯しているようで刺激となる。
「もっと、あっーーー、もっとーーー」
自分の声が何か言っているけれど、ドロドロに溶けた思考は言葉を理解出来ない。それなのに、粘膜の擦れ合う音は脳幹を浸食してゆく。
「知りませんよ」
男の荒い息を首元に感じる。噛み付かれ、痛みもあるがそれすら快楽に昇華し全身が粟立つ。もっと、もっと。もっと刻みつけて欲しい。全身、くまなく。この腹を裂いてもいい。それすらも今の私には絶頂に成り得るだろう。
四つん這いにされて、後ろから突きあげられる。奥の奥まで届くそれに、内臓が圧迫されてひゅっと息が漏れた。
獣になったようだ。いや、私は鬼になった時点でもう獣だったのかもしれない。人間の時には一度たりともしなかった体位で奥の奥を貫かれる。ガクガクと震える腕では姿勢を保つことも出来ずに布団に頭を擦り付る。
「どこに、出して欲しい?」
耳を噛まれ、甘ったるい声で囁かれる。心はあの熱を中に感じたいと叫ぶ。腹の中に熱が欲しい。男の証を中から塗りつけて欲しい。
卑しい考えに、けれどそれ以上にこの快楽に涙が出た。こんなに薬売りを中に感じられている。抉るような、体を貫くような苦痛の中に生まれる狂気に似た愉悦は全身を犯してゆく。
「ひっ」
一層奥を狙うように密着する身体に喉から音が漏れた。
痛い。痛い。痛い。
痛いのに、好い。
目を見開いているはずなのに視界が映らない。つま先から脳天まで駆け抜ける痺れに呼吸を忘れてしまう。
「西明っ」
奥に捩じ込まれた男のソレが脈打っている。初めて感じる動きに、身体が痙攣した。
どくり、どくりと動く男のソレに中が満たされていく。
布団に頭を擦り付けている私の上に、男が密着してきた。背から回された腕は私の胸を包んできて、まだ敏感な肌は素直に反応をしてしまう。
「西明……足りませんか?」
「ん……」
満たされた下腹部と胸にくる刺激から満足に声が出せないでいると、男は耳元で囁いた。
俺はまだ足りない。と。
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