05
廊下から聞こえた隊士の声は騒がしかった。どうやらなまえちゃんの事みたい。
「なまえちゃん、女中辞めるってよ」
「マジかよ!?それってもしかして…」
「それは確実に俺のせいだね」
「山崎さん!?」
「すいません、そう言うつもりじゃ…」
「別に良いよ。本当の事だし」
今でも愛してるから彼女を見守りたかったけど、神様はそれも許してくれないのか。まぁ酷い事したし当然か…
「あの、これから応接間で」
「何?」
「女中異例の辞任報告が…」
「それと新人隊士の挨拶も兼ねて」
「新人隊士?」
「えぇ」
「副長がスカウトしたらしいです」
もう俺の頭はなまえちゃんが女中辞めるとか新人隊士とか、もうごちゃごちゃになってた。とりあえず応接間に向かうと、仁王立ちして瞳孔キレッキレの副長と、機嫌の悪そうななまえちゃん…
「オイ、テメェら。」
「「「ハ、ハイィィィッ」」」
「みょうじは今日、女中を辞める。理由は山崎、テメェだ」
理由は俺だと言われると公然お別れ報告をさせられてるみたいで辛いなぁ。俺は適当に返事をしたけど、その返事には予想外の答えが返ってきた。
「そうじゃねェ。こんな事言うのも何だが、一応礼を言う」
「礼を言われる覚えはありません」
「なら言わねェ。で、次は新人隊士。急だが明日から働いてもらう。オイ、」
「………えー、何か急ですがー、女中から隊士に抜擢されちゃいましたー。てへっ」
ハァァァ!?!?!?あのなまえちゃんが隊士ィィィ!?大丈夫なの?身体細いし力も無いよ?寧ろ護ってあげなきゃいけないくらいじゃないのォォォ!?!?
「暫くは研修も兼ねて俺の補佐をやってもらう。あと…」
「今までの私だと思ってっと………痛い目見んぞ、野郎共!」
前言撤回…護らなくても大丈夫そうです。
この元カノ、凶暴につき(ジロジロ見てんじゃねェよ!)(す、すみませんでしたー!!)