拝啓、カミサマ | ナノ
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あれから二ヶ月、今日は新入隊士の顔合わせである。威勢の良い子達居ると良いなーなんて期待に溢れながら、私は洗濯物を干している。


「あのっ!すみませんっ!」
「へ?」
「こちらの女中方とお見受けいたします!自分っ、!貴女に一目惚れしてしまいました!」
「あらあら、」
「オイ!入隊早々人の女誑かすたァ、良い度胸してんじゃねェか。今日はテメェの命日だな…」
「ヒィィィ!」
「ちょっと!怯えさせてどうすんですか鬼副長!つーかアンタもしれっと自分の女みたいに言わんでください!!お!れ!の!女ですってば!!!」
「やめてくださいよ二人共。ごめんね、部屋こっちだから」


手招きで応接間へ案内すると中には大勢の子達が見えた。それから隊服に着替えようと一度部屋に戻る。



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少し眼を離すと直ぐ口説かれるんだから。本当、昔っからこの子は…
洗濯物を終えたかと思いきや今度は着物から隊服に着替えだした。


「相変わらず、だね」
「ま、容姿には自信ありますからねー」
「…すげぇ嫉妬すんだけど、」


くいっと顎を引き寄せ口付ける。なのに可笑しい…ちゅっ、と軽めに抑えた筈なのに。


「んっ、」


俺は壁に追いやられ、もっと深くと云わんばかりに彼女は舌を這わせる。クラクラして、ぼんやりと何も考えられない。そして最後は唇をなぞり…


「続きはあとで、ね?」


あぁもう!こう言う事は俺がしたいのに。しれっとやるなんて、小悪魔め。
あれ以来普段は以前の少しおっとりしてて、ふわふわで、可愛らしいなまえに戻っていた。かと思うと一度隊服に袖を通したら攻撃的になり、更には妖艶さを増して俺を挑発する。だけど、ギャップ萌えな処も否めない自分。


「さぁ行くわよ、山崎」
「アンタも“山崎”でしょうが、全く」
「ふふふ、」


あぁ、本当に。どうやったって勝てる訳無いじゃないか。それでも…笑いながら今日が始まる。


拝啓、カミサマ
(今日も俺達は、元気でやってます)
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