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「あぁ、これね」
すっかり忘れていた。コレ見た事無かったんだっけ。そう言えば付き合ってる頃はひた隠しにしてたし仕方ないか。
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「ななななな、何で、名前知って…」
「実は調べたんだけどね」
風の噂じゃ無いんかーい!と言うか、幾ら徳川家だったとしても分かる訳が無い、辿り着け無い筈なのに。
「山崎さんって、もしかして凄い人!?」
「そんな事ないよ」
「だとしたら、監察とか、向いてるのかもしれませんね」
「監察?」
「ほら、あんパン食べながら潜入捜査とかするヤツですよ。裏で色々調べたりとか!」
「いやこの頭じゃ無理でしょ…」
今思えばこれが監察、山崎退の始まりだったのだろう。そしてこの日があの頃私達が最後に会った日でもあった。
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「寝た…完全に寝たね、コレは」
丘の上で寝そべって話してたら、いつの間にか山崎さんは寝ていた。モヒカンで普段は目つき悪いけど、寝顔が可愛いなぁ。そんな事を思いながら、周囲には此方に駆け寄る人、人々。
「護衛付きでお出掛けたぁ、結構なご身分だこってェ、」
「護衛じゃないよ。つーか、おじさん誰」
「ッ!この俺を知らないとは…さぞ甘やかされてんだなぁ」
「寧ろ何で私を知ってるの、」
「ハハハッ!とんだお嬢ちゃんだ!」
「何が目的なのよ」
「アンタの頭脳だよ、徳川なまえチャン」
そして、バーン!と、脳天ぶっ刺す仕草をしたかと思うとあっさり囲まれてしまった。
「オイ!…殺さない程度になァ!死んだら意味が無え」
「ヘイ!」
目を配らせ、山崎さんの剣を手に取る。この人だけは護らなきゃ。
「大人しくしやがれっ!」
一斉に斬りかかられ、瞬時に私も反応する。
「まさかこんな処で役に立つとはねぇ…」
「黙れガキが!」
無我夢中で私も斬りかかり、血塗られ息の無い男達を見つめる。そしてまた自分自身も傷を負った事を知らされ。意識が…朦朧とする。しっかりしろ、自分。そう言い聞かせてアイツに電話を掛けた。
誰でィ、こんな夜中に(総悟、迎えに来やが、れ…)(オイ!何があった!?)