拝啓、カミサマ | ナノ
37
これは数日前、私の最初で最後の悪足掻き。もう頼れる人は銀時しか居ない。そう思い一欠片の望みを…捨てられなくてしまっていたあの写真を手に万事屋へ赴いた。


「ねぇ、銀時」
「ん?」
「もし、もしもだけどね。今度万が一、退が此処に来たら…これ、渡しといてくれないかな?」


そう云って渡したのは、モヒカン頭で目付きの悪い男と金髪でショートカットの少女が映った写真。


「何コレ、超ウケるんですけど」
「でしょ!?私もね、久しぶりに見て笑ったわよ」
「で、誰、コレ」
「五年前の私と、退よ」
「つー事は…!」
「私の初恋、だよね?銀時?」



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「ハァ!?なまえの処女説ゥ!?いや、無ェだろ」


酷ェ面して訪ねて来たと思ったら、何言い出すんだコイツは。


「それがですね、旦那…」
「言っとくけど、俺は手出して無ェからな、」


ガシガシと頭を掻く。こんな事、思いたくも無ェけど、きっとそうなんだろ。


「お前、まさか…」
「そのまさかですよ」
「………勿体無さ過ぎだろォォォ!何やってたんだよォォォ!?アレ抱かないとかお前ェ本当に男ォォォ!?!?」
「…汚せなかったんですよ、俺で。汚しちゃいけないって、」


幾らアイツの天使バージョンしか知らないとは言え有り得ない。そして、未だ未練タラッタラな俺に、こんな事言うコイツもコイツだ。こんなんじゃァ、アイツが報われ無さ過ぎる。
俺は密かに隠し持っていた数枚の写真と、そしてなまえから預かっていた一枚の写真をジミー君に投げ渡した。お前の悪足掻き、成功しちまったじゃねェか。



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旦那に、元彼に、こんな事相談するなんて俺もどうかしてる。だけど、なまえちゃんのあの一言がどうしても気になって気付いたら此処に来ていた。情けないけれど、曝け出した。手を出して無い事も、全て。


「ほらよ、」
「??」


数枚の写真を投げ渡され、其処に写った旦那となまえちゃん。数年前だろうか、旦那も、なまえちゃんも少し若い様な…つーか、こんなのを見たかった訳じゃ無ェよ!


「お前、ソレ見ても思い出さねェの?」
「え?思い出すって、何をですか?」
「ったく、そんなんだから愛想尽かされんじゃ無ェの?」


マウンテン殺鬼さんよォ、
(あ"ぁ"ー!)(あ、めっちゃ効いてる)
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