拝啓、カミサマ | ナノ
18
「で、具体的に何するんだ?」
「……考えて、ない。」
「俺もでさァ。土方さん殺るならすぐ思いつくんですがねェ。」
「お前はもっとまともな事考えられねぇのか…」


結局あの後も全然思いつかなかったのか、部屋に塞ぎ込んで早一週間。幸い大きな事件も無く、女中時代のツケ、と言わんばかりに有給を取らせた。昔のアイツなら復讐とか報復とか、そんな事を言う奴とは思わなかった。しかし山崎がアイツにした事が事だけにアイツを止める理由なんて俺には無ェ。
なるべく逢わせまいと山崎の行動時間も伝え、俺は柄にも無くボディーガードの様だった。夜になると妙に綺麗に映る月明かりが少しばかり不気味で…ふと向こう側の影が動き、バンッ!と障子が開く。


「…!」


良からぬ事を考えついた顔だと、嫌な予感がした。


「土方さん!」
「な、な、な、なんだよ。」


ちょっとこっち来て、と部屋に入れられ無駄にテンパる俺…らしくねェ。


「土方さん!私と、」
「あぁ?」
「私と…結婚しませんか?」
「………お前、頭でもぶつけたか?」
「いえ?いつも通りですが…変、ですかね?」
「正気か?」


そう尋ねながらも俺の心は嬉しさを覗かせていた。夢でも良い…この時間を少しでも味わっていたかったから。しかし閉められた障子の向こう側に人影を感じ、あっさりと夢はぶち壊れた。監察と付き合っていたからか、はたまたコイツの勘が良いだけなのか、相楽は袖からメモを取り出し俺に見せた。夕方辺りから退の気配が凄い。ちょっと小芝居に付き合って下さい、と。そんなモン、現実に成れば良い…そんな想いが頭を過ぎり俺は少しばかり笑い返した。



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仏頂面で瞳孔開きっ放しの、あの鬼の副長が動揺してる…そりゃぁ誰だってこんな事言われたら無理ないか。すかさず袖からメモを取り出し、銀時に見せた様に小芝居を始めると副長は口角を上げニヒルに笑った。


「駄目、ですか?」
「…後悔、しねぇな?」


含み笑い気味なのはさておき、その表情から本気さも伺えた。鬼の副長が成せる業なのか、と感心しつつ彼に続く…勿論、と。


「………其処まで言うなら、良いぜ」


さぁ、宴の始まりだ。


貴方への最初で最後の賭け
(で、内容は?)(…これから考えます)(やっぱりか…)
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