拝啓、カミサマ | ナノ
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コンヤクシャ ガ アラワレタ!

某ゲームの戦闘シーンみたいな言葉しか出てこなかった。良いトコのお嬢様だし婚約者の一人や二人居ても可笑しくないよね、つーか徳川だし。
平常心を保て、俺…と理論的に考えてみるも結局は感情が上回る。何アイツ、イケメンだからって!とか、優男具合が半端無い…とかちょっと悔しくなってきた。自分から振っておきながらこのザマだ、もう泣いて良い?
婚約者は流石に押し返せないかもと弱気になってしまい、なるべく距離を置いて忘れようとした…だけど同じ屋根の下働いていることもあり、それは無理難題甚だしかった。
一時は気遣ってくれた副長にも見放されたかの様にあらゆる時間帯の行動をずらされなまえちゃんとの距離はより一層遠ざかる。
明日には忘れよう…忘れなきゃ…と、頭の中をグルグルと巡らせても結局朝になれば嫌でも思い出して…あぁ、彼女を壊す以前に自分が壊れてんじゃん…と溜息が溢れた。相手のことを想ってした筈なのに、気付けば自分も傷付いて…
感じていた以上に、彼女に愛して貰ったよりも俺は相当惚れていたようだ。もう手遅れかもしれないと、失って初めて気付いた重大さに、俺は心を押し潰されていた。


拝啓、カミサマ
(願わくば、此の想い………)
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