黙れアバズレ。 | ナノ

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たまには酔った勢いってのも悪くないかもしれない。人は見かけによらないって言うし、そもそも今迄見た目に騙されてきた方だから。少し酔っては居たけれど更に酔っているフリをして話す。伸るか反るか引かれたら終了、次を探すだけだ。

「性欲強めの女、嫌い?」

一言賭けてみたら思いも依らずノッてきた。お互い微笑んだのが合図と言わんばかりに私は少し後ろを着いて行き、男は無言でホテルに入る。

「んっ、」

入った途端にわざと音を立てて口付けを交わされた。今までで一番唇が柔らかくて熱くて。そしてこの男慣れてる…

「ちょっと!シャワーくらい、」
「だめ、このままする…誘ってきたのはあんただろ?」
「んん、くる、し、っはぁ、」
「何?やっぱ怖いの?」

怖くは無いけれどさっきと人が変わったかと思えた。獣の様に激しいキスかと思えば反面手付きがしなやかで優しくて…首から胸元へゆっくりと包み込まれたかのように。唇も舌も指先も、全てが私をおかしくする。

「ここまで来てやめるなんて言わないよね?」
「言わないっ。だからもっとアナタで私を狂わせて!」


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“狂わせて”…そんな言葉を聞いたのは初めてに近いだろう。更に興奮を増し口元が緩んでゆく。ただ目の前で喘ぎ声を紡ぐ女が、一心に俺を乞うこの目が妖艶で俺を煽る。

「どこが良いか、言ってくれなきゃ解んないよ?」
「んぁ、ぜん、ぶ…きもちぃ、」

柔らかく強く徐々に核心に迫り一点を突くと声色が変わったが解らないフリをして敢えてそこを避けた。

「やだぁ…避けない、でっ」

今度は女が上体を起こしたかと思うと俺の手を掴み誘導する。綺麗な顔を歪めひたすらに快楽を求める…そんな女がこの上なくやらしくて堪らない。俺も我慢の限界でそろそろ良いよね?と上辺ばかり問いかけをしながら指を抜き返事を聞く前に貫いた。

「はぁっ、あっ…おっき、すぎっ」
「くっ、」
「そこばっか、ヤダぁ…」

一瞬一瞬の反応が楽しくて嬉しくて奥まで貫いては緩急をつけて快楽に誘う。

「も、ダメ…イか、せてぇっ」
「俺も…無理、かも…」

その言葉通り俺も限界で二人同時に果て息を切らす。一回じゃ勿体ないかと思っていたのも束の間、女が発した言葉に途轍もなく興奮し口元の緩みを抑えるのに必死だった。

「これでっ、終わったなんて…思わないで。夜はまだまだ長いんだから、」
寝る暇なんて何処にもない

(これから朝まで二人きり)

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