■ ■ ■
今日も俺は酒を呑む。勿論自分の金ではない。ちょっと飲み友達に呼ばれたから先に呑んでいるだけだ…あ、来た。
「ちぃーっす!」
ガラガラガラガラ
「オイィ!閉めんなァァァ!呼び出したのてめぇだろォォォ!?」
「いや、ちょっと幻影が見えたから。天パの幻影が…」
「幻影じゃなくて俺ェェェ!」
「はいはい。おやっさん、コレ」
「何だい嬢ちゃん、こんな金」
「どうせ銀時の事だから呑んでるでしょ?その分よ」
「にしても多すぎやしねぇかい?」
「ま、余ったらまた呑ませてあげて」
「オイオイオイどうした頭でも打ったか?」
「打ってないわよ」
「んじゃー何!?呼び出しといて何なのォ!?」
「んー、人生相談?」
コイツが俺に?やっぱ頭打ったんじゃね?どっから話して良いのか分かんないんだけど…と、有りふれた前置きをしつつ話始めた。
「ハァァァ!?ナニソレ…」
「だから…この間銀時と会ったでしょ?その後の話よ」
「ちょちょちょ、タンマ!え!?職場の人間!?」
別に職場恋愛くらい良いんじゃねェの?と俺は思うんだが…駄目なの?
「駄目だから相談してんじゃん!クソ天パ!」
「クソ天パ言うな!お洒落パーマと呼べ!」
「上司が煩くて…まぁその上司、私がこんな人間ってのを知ってて言ってる訳であってですね、うん」
お洒落パーマ無視?まぁ良いか。
「で?職場の男は食うな、って言われてるってか?」
「そーゆー事、風紀が乱れるからって」
「とんだ頑固親父だな、ソイツ」
そういや俺はなまえが公務員って事くらいしか知らねェ。ただの飲み友達だし深く探るつもりもねーけど…公務員ってそんなにお堅いのか?
「親父って程歳は上じゃないわ、同い年よ」
「同い年の上司ィィィ?」
「うん、まぁそこは良いとして…こっからが本題ね、そのヤった男が………」
「んだよ早く言えよ、」
「良過ぎて…」
「ちょっと待て話が読めたぞ…」
「さすが銀時っ!」
「さすが!じゃねーよ!お前の事だから良過ぎてどうしよ!?でも上司に止められてるし!でもでもォォォ!?ってとこだろ、どうせ」
「おー、さすが!その通り!」
ガラガラガラガラ…
「あ、いたいた。探しやしたぜ姉貴。悪ィですが仕事で、ってあれ?旦那?」
「姉貴ィィィ!?て事は弟ォォォ!?」
「姉貴、旦那とナニ用ですかィ?」
「ただの飲み友だけど?」
「なら良いや。場合によっちゃァ斬るんでそこんとこ宜しくでさァ」
「宜しくでさァ、じゃねーよ!何!?お前弟いたの!?つーか何で総一郎君ンンン!?」
「あーもう!面倒だから今度会った時話すわ!じゃ!」
頭が追いつかない。そして総一郎君から放り投げられたソレを着物の上から羽織るなまえ…
「オイオイもしかしてお前公務員って…」
腐れポリ公だ、コノヤロー!
(終わったら呑むぞ!)(大概にしてくだせェよ)