正シイ御薬ノ勧メ | ナノ
この期に及んであのペットボトルの中身がただの水には見えなかった。もしそうなのだとしたら知らないフリをして飲んでしまうのも面白いかもしれないなぁ、なんて。
山崎の脚に私を知らしめてやる様に移動して、一時的に喉の渇きを癒したソレを今度は浴びたのだ。熱くなった身体に此の低温は本当に気持ち良くて、思わず声に出してしまった…まぁいいや、水の所為だもん。
どうせなら山崎にも媚薬水もどきを飲ませてみようと少しだけ残してまた口に含んでみる。お気づきだろうか、既に仕事モードとやらはとっくに消え去ってしまっているのを。あぁ、好きな人との初キスくらいまともにしたかったな、なんて考えながら。でもそんな事すらちっぽけなモノだと思うくらい熱くて堪らない。


「んぐ、飲んじまったじゃないか、」
「あら、やっぱりそうなの?なら丁度良いじゃない」


口角を上げ睨みつけてやると奴は固まってしまった。もう一度口付けを交わし厭らしい音を立てながら山崎の頭に手を回し押し倒す。


「何で俺の方が押し倒されてんのさ、」
「挿れる、から?」
「疑問符を付けたいのはこっちだよ、全く…」


ほんの少しだけ腰を上げ挿れる素振りをする。前戯も何もしてないけれど、きっと大丈夫。山崎に私を犯す気が無いなら十四郎んトコ行くから良いけどと発破をかけた瞬間、ずしり…と重いモノを感じさせられた。


「ぁあ…!んやっ、」
「そんな舐めた口…きいてて、良いの、っ?」
「んぁっ、もっ、と…ゆっくり、してぇ!」
「ヤ、だね…っく、」


その数秒で私はもっと溺れてしまった。



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そう易々と他の男の名前、出して欲しくないね。今まさに抱いているのは俺なんだから。想像より格段に柔らかかった口付けの所為だろうか…いや、ここは飲んでしまった媚薬の所為にしておこう。啼かせてみたいと常々考えていたモノが目の前に有る、この現象こそがまさに媚薬なのだと。此のまま下からってのも悪くないと感じて勢いよく突き上げた。苦痛か快楽か解らない程に艶やかな喘ぎ声がやけにリアルだなぁ…ゆっくりしてと懇願された処だが俺が無理なんだよ。もっともっと俺で満たして、それから…


「やっ、ぁ、まざき……ぁ、んぁ…!き…もちい、」
「そりゃどう、も…っ!」
「あっ、あぁっ!ら、め!…イく、」


達しそうなところ悪いけどもっと愉しませてよ。最も悪いなんてこれっぽっちも思ってないけど。


「ねぇ、名前…呼んでよ」
「ひゃっ、ぁ…やまざ、き?」
「違う…だ、ろっ…!」
「あぁっ!ダメ、ほん、っと、に…」
「呼ばなきゃ…イかせない、」


だんだん力が入らなくなってきたのか、俺の上へと埋もれたみょうじは、はぁはぁと息を上げている。纏わり付いた汗、そして密着した肌から伝わる鼓動はみょうじの方が煩い…筈だった。だってほら、今は俺の方が勝ってるって思ってたからさ。君に耳元で呼ばれるまでは…


「…さ、がるっ!」
「それ反則すぎ…」
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