正シイ御薬ノ勧メ | ナノ
何が名前呼べよ…苛々する。絶対呼ぶもんかと強がってみたけれど、どうやら呼ばないとイかせてもらえないらしい。こうなったら此のまま山崎へなだれ込んで腰に来る言い方にしてやろう、そうしよう。先ずは興奮する息を…次は耳元で囁くのが一番イイ。


「んぁ、はぁ………さ、がるっ…イか、せてっ!」
「それ…反則っ、」


そうでしょ?こんな事しない有り得ない、と思っているであろう人間がわざと意表をつく様に言ってるんだもの。しかし効果が有り過ぎたのか下からの振動はやまないどころか、寧ろ強まるばかり。


「んゃあ…!おっ、きく…しな、ぃで、っ!」
「ンな事、言ったって…無理なモンは、無理だね」
「あぁっ、ほん、とに…イく!」


最初に私のナカがきゅうきゅうと痙攣し、そして下腹部も満たされる。本来なら気持ち悪いと感じるこの粘液もこの男のモノだと思うと愛おしい。でもそんな余韻に浸る暇も与えてくれないようで、形勢は逆転した。


「そんなに良かった?俺の、」
「ん…すっご、い、悦かった…」
「…だから!そう言う事、簡単に言うなってば」


眼を逸らさずに頬に手をあてて思った事をそのまま伝えたのがやり過ぎたみたいで。イったばかりだと言うのに…どろどろとしているまま二回戦に突入するようだ。


「んぁっ…!また、おっきく…しないでぇ!」
「だぁめ、もう一回する、から」
「イった、ばっかだからぁ!ひゃぁ、んあ!あっ…」
「やっぱりこの体勢だと顔も見やすいや。良い眺め、」


こうなったら全て見せてやる、魅せつけてやる。あんたへの想いを拗らせ、その上リミッターが壊れそうな私そのものを。



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お願いだからそんな表情をしないでくれないか…俺の下で悶え啼き喚くみょうじを見てみたいと、そう思ってはいたが最早これは範疇外だ。眼は潤み頬も耳も赤くなっているし、下は下でうねうねと締め付けが凄過ぎるし、息遣いは俺を煽るだけ。されど動きはやめずに顔を近づけキスをする。逃げる舌を追い、絡めて息も出来ないくらい。


「ふぁ、っ…あぁ!耳はダ、メェ!」
「ココ弱い、の?…うっ、あ、」


ちゅる、じゅぅっ、と生々しく耳を舐めて、直ぐ下を強く吸うとみょうじは背を揺らし弧を描く…連れてナカも収縮して今度は俺が煽られる。先程耳元で名前を呼ばれたから今度は俺が呼んでやろう。


「えっろ、…くっ、なまえっ…可愛い、」
「ひぁ!…っ、イキナリ…なっ、ぁあ!」
「す、ごい…持ってかれそ…うっ、ぐぁ…」


首元に鎖骨の辺り、それと…あ、胸の裏側とかもエロくて良いねと、あらゆる処に赤い花を咲かせる。真っ白で柔いこの肌に刻み付けて忘れさせなんかしない。俺に染めあげて、この先俺だけを求めるように…って、ちょっと待て俺今何考えた?


「そんな、ぁっ、吸わな…くても、だい…じょう、ぶ」
「何が、ただの淫乱の癖に…」
「あぁ!んひぃ、…」
「分かる、かよ、ココに…っ、俺が入って…」


子宮のあたりをグッと押して解らせる。大嫌いであろう俺自身がみょうじを埋めて満たしている事を。


「ぁん…もう、さがるっ…だ、けしか、要らないっ…からぁっ!」
「くっそ、」


まさかまさか、そんな可愛い台詞をサラッと言うなんて…恥ずかしくなってきたからみょうじの首あたりへ左腕を伸ばして少し浮いた瞬間に頭を支え、右腕は腰へ回してよいしょ、と抱いて向かい合う。よし、これで更に強く抱きしめておけば顔も見られまい。けれど耳元でみょうじの吐息が激しく耳を掠め、俺の心臓も更に煩くなっている…やばいこれは末期か。


「ぃやぁ!こ、れ…奥っま、で…んぁぅ!」
「イイ、の間違い…だろっ、?」
「んんん!すっ、ごい…イイっ!さがる、さ、がるっ!」
「何だよ煩いなぁ、」
「…す、き!だぁ…っい、すき、んぁ!も、無理ぃ…」
「あぁもう!黙って、ろよ…っぐぁ、うっ」


これ以上喋るな、喘ぐな、締め付けるな…煽り過ぎなんだよ…まぁ到底無理だろうけど。もしこれが計算だとしたらとんでもねぇ女だな。それより昂ぶった原因は絶対媚薬の所為だと言い聞かせて、さっき浮かんだあらぬ考えを早く消したかった。
決して好きな訳じゃない、いけ好かないだけ。別にヤりたかった訳じゃない、その顔を崩してみたかっただけ。欲しい訳じゃない、向こうに欲させて優越感を得たかっただけ。乾いて仕方ない心をみょうじで満たして欲しかった、それだけ…オイ最後のは何だ俺。


「あぁぅ、んっ!…いっ、しょに…イこ?…っあ!」
「ぐ、っ…ぁ………」
「あ"ぁ!も、ダメっ…そ、こ…いや、ぁっ…んんん!」


先にイくもんかと必死に堪えて、ただみょうじの顔を見据える。終わったらもう見れなくなるのかと思うと少し残念だ。まだ見ていたい、もっと色んなコトをして快楽に溺れさせて表情を歪めるみょうじを…うん、やっぱり可笑しくなってるぞ、俺…

不意に好きと言われたからか、快楽で満たされた表情が艶かしいからか…本当に前線部隊の人間なのかと疑ってしまうくらい傷一つ無いこの肌に、俺が付けた無数の痕が散りばめられている様を。なまえがイった後でまじまじと見つめると、もう独占欲しか生まれてこないや。こりゃぁもう認めざるを得ないから失神したみょうじの耳元で敗北宣言をするとしようかね。順序もクソも関係ない混沌とした胸の内を爆ぜながら、淋しそうに自身を引き抜いた。


−−−たぶん、俺も好き………


これは媚薬の所為なんかじゃない。
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