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死んだはずのあなた

どうしてあんな事をされたのか、一週間経った今日も解らずにいた。考えても考えても堂々巡りだった。初めては好きな子って言ってたじゃない…まぁそれが私だって事は彼を見てて分かってはいるんだけれど、そう簡単な事じゃなくて。せめて好きと言って欲しかった、抱き締めて欲しかった。それなのに嬉しいと思っただなんて私どうかしちゃったのかな。


「どうかしたのか?」
「いえ、どうもしませんよ」
「来週、大捕物がある。それが終わったら…」
「しませんよ?お見通しですからね、」
「釣れねぇなー」


恐らく大捕物は山崎さんが言っていた潜入先だろう。彼も帰って来られるならば確かめねばならない。隊士である私にも知る権利があるはずですよ?とにっこり微笑んだ。十四郎は私に甘いのだから…


「薬師だ。罪状は違法薬物の生成と売買、攘夷浪士と密な関わりがあると見ている」


頭はこいつだ、と差し出された写真を見て言葉が出なかった。見なければ良かった、知らない方が幸せだった。そこに写る見知った顔…これは………


「嘘…死んだはずじゃ……な、んで」
「どうした!?」


全身の震えが止まらない、意図せず涙が出てくる。強張る私を優しく抱き締めてくれた十四郎に小さく震えた声で放った。―――この人……私の…主人です、と。
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