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  朝ごはんの準備です










早朝6時半。フツフツと沸くお味噌汁の匂いが厨に漂っている。それを深呼吸で嗅ぐのがとても好きだったりする。
今日のお味噌汁は豆腐と、粟田口の皆さんが育ててくれた大根、人参、白菜だ。ほんの少しのごま油で野菜を炒めた後にお湯を入れ味噌を溶かすのがちょっとしたおばあちゃんの知恵で、これがまた自慢できる程の美味しさになるコツである。
この本丸はわたしの霊気で充満しているとかで、約2日程で野菜が収穫出来るらしい。この野菜達も、新鮮なうちに皆さんが収穫してくれる事もありとても美味しいのだ。
今日の朝ごはんは、野菜たっぷりのお味噌汁と高菜とたらこ入りのだし巻き卵、それにほっかほかの白いご飯に昨日の夜に漬けた長芋のたまり漬け。焼き魚に大根おろし。小狐丸さんとこんのすけさんには、おまけで油揚げの煮物だ。
粟田口の皆さんのおかげで、わたしの野菜欲しい欲はとても満たされている。ご飯食べてくれる組の皆さんも美味しそうに食べてくれるから、ウィンウィンって奴である。

「大将、人数分の卵焼きはもう出来たぜ。」

薬研さんはわたしと同じく三角巾を被って、割烹着を着ながらご飯作りを手伝ってくれている。
この量ひとりでやるのはしんどいだろ、俺も手伝うぜ
と言ってくれたのが始まりで、今は僭越ながらわたしが料理を教える先生だ。
…とは言っても、わたしも自分で食べる分作るくらいで、フルコースとか作れるわけじゃないし免許をもっているわけじゃないんですけどね?


「薬研さん、ありがとうございます。あ、すごく綺麗に焼けましたね!素晴らしい!100点あげます!」
「あんだけ丁寧に教えられたらなぁ。さ、あとはもう運ぶだけか??」


ふんわりと綺麗に焼きあがった卵焼きはほかほかと湯気をあげる。薬研さんは料理を教えれば直ぐに吸収する。そしてわたしよりうまく作る。教えるたびにふむふむとメモもちゃんと取るので教え甲斐がある。
うーん、これは食べるのが楽しみだなぁ。きっとご飯食べる組の皆さんも喜んで下さるだろう。

「あーるじっ!!もうご飯できたぁ〜?ボクお腹空いちゃった!」
「あ、主様。もう、お運びしますか…?」
「がうーっ!」

とんっと控えめに腰に衝撃が走る。
内番服に身を包み、ピンク色のシュシュで長い髪を1つにまとめた乱藤四郎さんはわたしの腰に手を回し、嬉しそうに笑う。
その背後から着いてきたのは五虎退さんと、虎さん5匹だ。

「ふふ、今日の卵焼きは絶品なんですよ〜?乱さんも、五虎退さんも楽しみにしててくださいね。
…虎さん達もちゃんと虎まんま作ってますから、一緒に食べましょう」

乱さんの頭を撫でながら、五虎退さんにも薬研さんの卵焼きを自慢する。
ちょっとだけ恥ずかしそうに目を背けるのがなんだかとても可愛い薬研さん。
ちなみに他の短刀の皆さん方には先にお茶やお茶碗を並べてもらっている。あとはこのおかずやお鍋を持っていくだけだ。


…誰の手も借りずに布団から出て、こんな風に料理が出来るまで掛かった時間は約数日間、とても申し訳ないと思いながら日々を過ごしていた中で、色々な事があった。










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