ガールズトーク

久しぶりに1日学校にいると、自分がいかに徐倫を中心に生きているのか実感する。
端と端のクラスに分かれてしまった時は本当に悲しかったが、意外にも名前に新しく友人ができるのに時間はかからなかった。
太ももの真ん中よりも上まで上げた制服のスカートを、手で抑える必要がない様にと買った大きめの薄いニットセーターで覆う。
大胆に見える太ももも、徐倫のように細くて長い脚なら良かったのに。といつもはため息をつくが、今日はどこを見ても自分の指先。徐倫お揃いのこの爪を見れば吹き飛んでしまう。

「何1人でニヤニヤしてんだ名前」
「仗助くん……珍しいね、今日は帰らないんだ」

そう言うと仗助と呼ばれた改造制服の男子生徒はニヤリと意地悪そうに笑うと、名前の前の座席に座った。

「そりゃお前もな。なぁ名前よぉ、今日はさすがに何の用もないんだろう?今日億泰と三人でボーリングいこうぜ!」
「ごめんね。今日は徐倫と週末のお泊まりなの」
「週末のお泊まりって……お前住んでるみたいに徐倫の家にいるじゃねぇか」

呆れたような仗助の声も、このモスグリーンのマネキュアさえ見ていればどこ吹く風だ。

「このあいだのは、こうやって一緒にマネキュア塗ったり映画見たりするお泊まり会だったの。今日は徐倫とお勉強のためのお泊まり会なのよ」

はぁーっと仗助は嬉しそうな名前の顔を見てため息をつく。なんとなく言いたい事は分かっている。徐倫の金魚のフンだと思われても仕方ない。むしろニコイチだと思われてる事がうれしい。
いそいそと帰り仕度をする名前に仗助はまだ諦めていないらしくボーリングの楽しさについて力説してくる。やがてどこ吹く風の名前にすっかり諦めて、また明日と言うと億泰と二人で何処かへ行ってしまった。
名前は徐倫の家へと足早に向かう。
心臓がドキドキする。今日はいつものお泊まりとは少し違う。徐倫がわざわざ含みのある言い方で、大人のお泊まりをしましょう。と言ったのだ。
あの不敵な流し目の彼女を思い出すと、心臓が口から出てしまいそうだった。












「ねぇ徐倫……流石にマズイと思うの」
「大丈夫よ名前、いつもと変わらないわ。どうせ帰ってきやしないんだから」

大きなワインレッドのチェスターフィールドソファーの上で、名前は徐倫に組み敷かれていた。
人があまり出入りしないせいか薄っすらと埃の積もった室内。沢山の古い本が天井まで収められた本棚に囲まれ、その棚と棚の間には、見慣れない生き物の剥製が並べられている。大きな一枚の木で作られた立派な文机があるそこは、彼女の父親の書斎だった。

「でも徐倫……私なんだか剥製に見られてるみたいで……」
「いいじゃない。気にしないで、このソファーの上で名前の肌を見たかったの。絶対このワインレッドが映えるとおもったんだもん」

するすると徐倫は名前の喉元をなぞってそっとキスをする。
恐る恐る彼女の背中に手を回すと、徐倫はその細くてしなやかな指で名前の胸元のリボンを解いた。

「私名前のこの小さい胸好きよ」
「やだもう…徐倫が大きいの!」

揶揄い合うようにお互いの乳房に制服越しに触れる。そうしてお互いを悪戯みたいに触り合っているうちに、溶けてしまいそうな甘い雰囲気になるのだ。徐倫がゆっくり名前のショーツを脱がせる。
サイドが紐のそれは、徐倫と前に下着屋さんに行って買ったものだ。
やっぱりこれかわいい。と徐倫は呟くと、さして興味のないもののように床の上に投げた。

「名前って昔から凄くいい香りがするの。桃みたいなあまーい匂い。私凄く好きだわ」
「私も徐倫の匂い好きよ、石鹸の香りがするの」

徐倫は少し乱暴に名前の性器を弄ぶ。外気にさらされて冷たい感触に、革張りのソファーにまで濡らしてしまったと思うと顔に火がついたように恥ずかしくなる。
徐倫と長く、柔らかいキスをする。優しくて小鳥が啄むようなキスが名前は好きだ。この柔らかくて暖かい世界にずっといたい。

「おい、何してる」

だからこそ、そこに低い似つかわしくない男性の声が聞こえた時、名前の心臓は止まりそうになった。
ぐいっと徐倫に力強くソファーから起こされる。パニックになり唖然として顔を上げると、彼女の父親が鋭い目でこちらを見ていた

「なんでもない!クソ親父!帰ってくるんじゃねーよ!!」

乱暴に吐き捨てる徐倫に必死ですくむ足を動かしてついていく。

「まって!徐倫!」

手を引かれながら、名前は羞恥に頬を染める。人に、しかも彼女の父親に徐倫との時間を見られたことはとてもショックだった。しかし名前には急ぎ解決しなければならない問題ができていた。


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