×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

[←]      [
幸せならば


 任務の遠征先でたまたま見掛けた。ヒトゴミの中を歩く、二人の姿を。
 すぐにでも人に紛れてしまいそうだったから、慌てて声を上げようとした。だけど声は出なかった。追い掛けようとも思った。だけど足が動かなかった。

 人の陰に隠れてはっきりとは分からない。
 だけど二人は手を繋いでいるようだった。
 だけど二人は、……幸せそうに笑っていた。

 ヒトゴミの中で立ちすくんだオレを邪魔そうに人が避けていく。
 これで良かったんだと、思わされた。じわりと涙が浮かんだ。悲しかったからでも悔しかったからでもなく、嬉しかったから。

「…………サスケ……」

 やがて二人は人に紛れてしまった。追い掛ける気にはならなかった。
 空を見上げると、真っ青な快晴が広がっていた。



(日記再録 投稿日 2009.08.13 Thu)
逃亡エンド


 [←]      []
絵文字で感想を伝える!(匿名メッセージも可)
[感想を届ける!]