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諦めてドMの道に目覚めなさい1/4


 嫌い、とか、言っちゃった。
 確かに「サイテー!」とは思ったよ。思ったけど……そんなこと言うつもりは無かったのに。ほのめかしてみれば、くらいのことはアドバイスされたけど、私が言ったのは完全に断定だ。ああぁ、どうしよう、サスケ君に合わせる顔が無い。



 あんなことがあって数日。流石にサスケ君も、会いには来ない。私も会う勇気が無いし、それに会ってどうするの、という感じでもある。だってあれは、サスケ君が悪いよ。そうだよね? それとも私があんなことを言わずに、もっと柔軟に対処すれば良かったんだろうか。いやいやそれってつまりあのまま言われるままにあのいかがわしいホテルに入っていかがわしい事をするってことになるじゃないか。それは無い。好きじゃなくても、できるものなのかなぁ……。少なくとも私は、無理だよ。ちゃんと段階を踏んで、お互いの気持ちを確かめた上で、したいよ。……こんなこと言うからめんどくさいって思われるんだろうけど。でもだって、大事な大事な行為だよ? サスケ君にとっては、違うのかもしれない、けど……。

「…………」

 連日考えすぎでぐるぐるしている。ちょっと胸が気持ち悪くなるくらいには。今までの比じゃないくらい凹んでいるし、溜息の回数だって多いし、気分が悪くて食欲までなくて。おかげで授業は全く頭に入らない。当てられていることにも気付かなかったり、友達には顔色悪いから早退すれば、とまで言われる始末。どうすればこの状態から抜け出せるだろう。気晴らしに遊びに行こうか。それともひたすら寝ていようか。どちらにしても、やっぱり考えてしまって、苦しむんだろうけど。

 実は誰にも相談していない。相談できない。まず『ホテル』なんて単語を発するのが恥ずかしいし、サスケ君の言葉や行動の真意もさっぱり分からないから、どう説明したものかも分からない。学校での空き時間はほとんど机に伏して、心配する友達にはへらへら笑って誤魔化している。相手をする元気も無かった。

 このまま会わないでいたら、自然消滅してしまうんだろうか。それとももう、別の女の子と遊んだりしてるんだろうか。

 ずっと前に友達経由で手に入れたサスケ君のアドレスは、一度も使われないまま電話帳に鎮座している。サスケ君から聞かれたことはないし、交換しようって言っても要らないって言われた。だからサスケ君から私にメールが来たり電話が来たりしたことは無くて、私たちって、むしろ付き合ってすらないんじゃないかなぁ、なんて思って目頭が熱くなる。伏せて枕にしている腕の袖でさりげなく拭いて、深く溜息を吐く。もしサスケ君からメールが来たら、きっと嬉しくて、保護した上でメモリーカードにバックアップ取るよ。





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