実に愉快な髪型ですね
ウォーゲーム2日目です、今日の参加者は事前に告知した通りスノウ姫、ドロシーさん、ナナシさん、私の4人。アルヴィス君は自分が面子に入っていない事に不満のようです。

「アルちゃん昨日思っきし暴れたやん!!今日は自分らに暴れさせて!!」

ところでこの二人いつのまに愛称で呼び会う仲(ナナシさんの一方通行ですが)になったんでしょうね。


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「……結局ギンタとジャックは帰ってこなかったな!今ごろ、どこで何をしてるんだ。」

「あの二人の事だから、またどっかで修行よ!!安心なさいな!!」

「そっ。今日は私達にまかせて!!」

どっかで修行ですか…、そういえばキャプテンはゲームに参加必須とかのルールはないんですね。
修行の指導者はおっさん亡き…失礼、無き今、あのガイラさんとかいう人でしょうか?
そう言えばおっさんが犬になってそろそろ3日以上経過するんですがそこのところどうなっているのでしょう。

「帰ってこないといえば………そろそろエド、人間になってもいい頃じゃないの?」

同じことを考えていたスノウ姫がエドに問いかける、エドの答えは至ってシンプル、最近寝不足だそうです。日の当たる中、彼の周りだけなぜか暗転し、スポットライトに照らされているように見えました。

会話に区切りがついた所でポズンが話を切り出します。

「それではあなた方を本日の舞台へお連れします。用意はいいですね?アンダータ!砂漠フィールドへ!!!」





はい、アンダータで一瞬にして砂漠フィールドに到着しました、ナナシさんは広いと驚いています、ドロシーさんは暴れがいがあると楽しそうです。

「出でよ!!チェスの兵隊!」

ポズンの合図でチェスの兵隊が砂の中から現れます、全身黒ずくめのマイラ、氷の城で会ったロコちゃん、髪型が愉快で先日のレノと見た目が被ってるフーギ、それとドヤ顔で謎のポーズを決める厨二病っぽいピノ。
あの人達、砂の中で待機していて暑くなかったのでしょうか。

初戦はナナシさんを押しきってスノウ姫が出るそうです、準備運動も万端です。
相手はフーギ、クラスはルーク。
ポズンの宣言で試合開始です。

「君だろ?レスターヴァのお姫様、スノウってのは。」

「そだよっ。なんか文句ある!!?」

「逃げ回ってるっていうから、もっと弱々しいと思っていたけど元気いいね。お姫様と戦えるなんて、光栄だよ。」

エンリョなくやらせてもらいますか。と、腕のARMを発動させ、フーギの周りに風が巻き起こります。彼は礼儀正しく風使いのフーギと名乗ります、自称するのはどうなんでしょうか。そのままスノウ姫に『ウインドカッター』、風の斬撃、日本的に言えばかまいたちのようなものを飛ばして攻撃します。

それをスノウ姫は軽く避け、『アイスドアース』で反撃をします、も、フーギの竜巻であっさり防がれます。

「ほうっ。スノウちゃん、案外やるやんけ!!」

「氷使いね。ギンタンが初めて会った時は自分自身を氷りづけにしてたらしいから。」

そんな事もありましたね、で、その後ギンタ君とキスしちゃうんですよね、暑い砂漠がさらにヒートアップしそうなので黙っていますが。大分前の事のように感じるのは修練の門にいたからでしょうか?

「自分はルベリアの仇の為に戦うてる。あのコは…このメルヘヴンをたばねる国のお姫サマや。まだ小さいのに戦う理由が大きいわ……」

「そうね、私達が、サポートしてあげなくちゃね。

でもギンタンはあげなーい。おほほーっ」

ププーだあ、と語尾につけてドロシーさんが笑います、ナナシさんも同じこと考えているのでしょう。大人げないです。

スノウ姫の戦いに集中しましょう。彼女はフーギ相手に肉弾戦を仕掛けています、結構やりますね。只、砂漠フィールドに風使い、と相手に戦術が多そうな分やや不利にも思えます。昨日のフィールドなら余裕で勝てたでしょう。
彼女の持ってるARM次第ではどうにでもなるでしょうが。

「そろそろ終わりにしよう!!お姫様!!!『ウインドカッター』!!!」

ウインドカッターを地面に当て、その衝撃で砂が舞い上がり、スノウ姫の目の前に壁が出来上がります。
これでは敵がどこから来るかわかりません。
スノウ姫が怯み、動きが止まったところで砂の壁からフーギがとび出てきました。

「おやすみの時間だよ。スノウ姫…」

スノウ姫の腹部にまともに一撃が入りました、こんな時になんですが嫌な思い出が甦ります、今はそんな事無いと思いますがあの時は気絶したんですよね。
そんな訳でそのままダウンしてしまうかと少し心配しましたがスノウ姫は『ユキちゃん』という巨大な雪だるま(ドロシーさんが言うには『スノーマン』というガーディアン)を出してクッションにします。砂とはいえ地面に叩き付けられる難は逃れました。

「まだ寝ないよフーギ!!あきらめないっ!!」

スノーマンから離れ戦闘再開です

「見事だね!スノウ!!でも次で終わりだ!!ネイチャーARM『ウィンダールヴ』!!」

『ウィンダールヴ』でアイスドアースを防いだ竜巻を次々に産み出します、計4個。

「なんちゅー数の竜巻や!!?あんなモンくろうたらスノウちゃん……!!」

「吹き飛ばされればマシ、最悪粉々になります、ですが…」

「ですが?」

「彼女はあきらめてないようですよ」

だって彼女は怯ず、まだ戦う意思を表情に出していますから。

「君と戦える事に光栄を感じたのはウソではない。しかし…最後に勝つのは私だ!!スノウ!!!『トルネード×4』!!!」

竜巻がスノウ姫に向かい、囲みます。そのまま彼女は見えなくなりました、ナナシさんが声をあげます、「スノウちゃん」、と。
彼女は何か策を思い付いていそうでしたのでまあ大丈夫でしょう、死を目前にあんな表情普通しません。
ナナシさんは女の子に甘いですから、こう言う時は冷静さを欠いてしまうのでしょう。そこが彼の良い所なのでしょうけど。

竜巻が弱まり、砂埃がおさまりはじめます、魔力を酷使したのかフーギは肩で息をしながら喋り始めます。

「どこかに吹き飛ばされたか……砂の底に沈んだか、どのみちスノウは…
なんだアレは!!?」

さて、完全に視界が鮮明になりました。
スノウ姫がさっきまでいた所にスノーマン×4がスクラムを取り、さらに念を押したのでしょう地面に面する箇所が氷で囲まれています。

「ありがとユキちゃん達っ。」

スノーマンが消えると、スノウ姫が何事も無かったかのように現れました。
ドロシーさんの解説によるとスノーマンを壁にして竜巻を防いだとの事、便利ですね、アレ。

「さ て と!!!これでフィニッシュ!!!いくよフーギ!!」

スノウ姫がフーギに向かい、そして

「もっかいユキちゃん!!!」

先程よりも巨大なスノーマンをフーギに落とします、流石にこれをまともにくらってはダウン以外の道は無かったようです、ポズンが勝利宣言をし、第一試合は見事スノウ姫が勝利をおさめました。





「ふぃー、緊張した〜」

「お疲れ様ですスノウ姫」

「ありがとう、ミツキ」

「いや〜一事はどうなるかと思うたがスノウちゃんなかなかやるやん!」

「ま、これで一勝ね。次は誰が出る?」





「向こうはミツキが出るようですね、ピノ、出ますか?」

「ああ、俺が出るよ。ロコちゃん」

ピノと呼ばれるルーク兵が出ることを表明すると、ロコはちゃんづけされた事にたいして意を唱える。

「ちゃんづけはやめてくださいと言った筈です」

「俺が昨日のゲームに出ていればウォーゲームが終了してたって事、あの女を使って教えてやるよ。」

「ちょっと聞いてますか?」

「ほうっておきなさい、ロコ。」

ロコとマイラの言葉なんぞ聞こえないのかふふふ…と変な含み笑いをしながらピノは試合位置に進んだ





はい、私です、ミツキです。2回戦は私が出ます。相手はピノとかいうドヤ顔ナルシスト。仮面ごしなのになぜドヤ顔なのがわかるのかが不思議な位です。
所定位置に付き、顔を合わせます。
延々と含み笑いをしています、気持ち悪いです。

「俺はダイスの運命のせいで昨日の試合に出る事が叶わなかった、今日はお前を使ってそれが間違いだった事を証明してやるよ。」

うわっ…
正直に言います、うざいですね、この人

「そうですか、まあ、精々証明出来るよう頑張ってくださいね」

ポズンが試合開始の合図を出します
さて、さっさと片付けましょうか
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