松4


バイト帰りに立ち寄った本屋で気になる本がないか吟味していたところ、とある本が目に入った。

本を手に取ると適当にパラパラとページを捲る。ページには可愛らしい花や綺麗な自然が写っている。
こういうのって何て言ったっけ。…あ、写真集だ。

雑誌みたいにペラい作りじゃなく、図鑑みたいにしっかりした作りのやつだ。そこそこ厚みもあるから見応えがある。
あ、これ好きなやつだ。
買う気はなかったのにどうしよう…!

こういう自然系の写真集って結構好きなんだよね!いや、背景や風景も好きだけど!

本を目の前にして悶える僕を見て周りから人がいなくなる。そんな僕に声を掛けようかと悩んでオロオロする店員さんが見える。
ごめん、店員さん。今僕にとって究極の選択を強いられているんだ!
あぁ、どうする?どうする俺!?

ポケットから選択肢が書かれた某カードが出せるわけでもないので本を持ったまま考える。

迷うってことは要らないんだ。
だけどなかなか本を置かない自分がいる。
あぁ、どうしよう…!

「ありがとうございましたー」

店員の声を聞きながら、僕は本屋から出た。

手元には一つの紙袋。

「あ、チョロ松兄さん!何買ったの?もしかしてやきうの本!?」

「いや、違うからね。十四松。
自然の写真がいっぱい載っている本を買ったんだよ」

「自然!?ねーねー、僕にも見せてくれる!?」

「いいけど、破いたりするなよ」





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