妄想集やら没集
続いたり続かなかったり中途半端だった意味なしオチなしだったり好き放題にやってます
没集なので名前を固定させて頂いてます
男装主について




夢見た乙女*ほろわ 05月22日

「ランサーにきいて、あたしにきかないで」

冷ややかな瞳が突き刺す。彼女はつまらなさげに立ち上がりその場を去った。


結果など、わかりきっていた。だからわざわざあたしにきかないでと。それが精一杯の自己防衛でもあった、のかもしれない。
港で釣りをしている男の背後から抱きつく。そっと掌で両目を覆い、くわえていた煙草を缶の中に棄てた。抱き寄せると此方に身を委ねるかのように、力がかかる。それを受け止めて額に唇を触れさせた。片方の腕を腰に回して、唇を唇で塞ぐ。歪む視界は決して美しくなどならない。
塞いでいた掌がおおきな掌によって退かされる。こちらを見上げる赤いふたつの目は、

「何処にも、行かねえよ」

(貴方の手で綺麗になる世界)




男装主/zero*4 05月19日

ふかふかしてて、あたたかくて。

「……ん…」
「マスター」
「、し、く…っと…」

名前が呼べなかった。けどシークレットは笑ってわた、僕、の頭を撫でる。

「もう安心だ。此処に居ればマスターは怖いことから逃れられる」
「……?」
「俺は少し休む。だから、マスター。この屋敷にいる人たちは"ナカマ"だ。マスターを守ってくれる」
「…ん」
「なんかあったら俺を呼ぶんだぞ?」
「……ん、」

シークレットは綺麗に笑って、姿を消した。
まだ僕は眠たかったから、大きな布団を掴んで目蓋を落として、眠った。



「雑種」

だれ、

「起きぬか」

目を開けたら綺麗な金色があって、綺麗で。
シークレットと同じ真っ赤な目があったけど、透明で。

「…おうじさま、?」

そう思ったから、言ったらその人は驚いたように目をおっきくさせてから、僕の頭を撫でてくれた。

「ああ、強ち間違いではないが我は王子ではない、王だ」

なにがちがうのだろう。
けれどもその人は早く起きろと僕の身体を持ち上げて髪の毛を整えてくれた。きゅるると小さく鳴るお腹。くすりと笑い飯の準備をさせよう、と僕の身体を持ち上げて抱っこしてくれた。


(おうじさまはおひめさまをたいせつにしてくれるの、)




男装主/zero*3 05月19日

時臣は有り得ないものを見ていた。
否、見ていると思いたかった。

地に伏せているのは人類最古で最強である筈の我がサーヴァント英雄王ギルガメッシュ。何故地に伏せている?そんな事庭の惨状を見れば分かってしまう。立っていた黒い男は時臣を見上げ、にんまりと笑い木の影から何かを持ちその場を蹴った。

「さあこれで取り引きは成立だ。あの男は俺が治癒しといてやるから、マスターを頼んだぞ?」

そう言って小さな男の子を時臣に持たせ、彼はギルガメッシュの元へと舞い降りたのだった。


自らの娘と同じくらいの少年の手には手の甲に収まりきっていない令呪が確かに存在していた。今は小さな寝息を立て穏やかに眠っている。あの男はギルガメッシュをひょいと軽々しく持ち上げて寝室の一室へと篭ってしまった。ではこの男の子をどうするか、時臣は考える。

―――殺してしまうか?

しかし、あの男はこの子を保護さえすれば協力すると申し出た。それはかなり有り難い。どんなイレギュラーな存在かは知らないがあの英雄王を倒した程の実力の持ち主、それに彼は宝具を使っていないと言った。それでは今聖杯戦争において最強なのはあの男ではないのかと、時臣は思う。それに嘘か真かは分からないが聖杯は要らない、と言った。

ならば利用する価値はあるのではないかと。
その男の子を持ち時臣は寝室へと向かった。




その他*現パロ絵心 04月14日

「ディルムッドの絵は固いね」

彼女は、そんなことを言った。

「カチカチで、やっぱりディルムッドの絵だよ」

くすくすと笑いながらその白く小さな手を黒く煤けた俺の手に重ねてくる。これはこうした方が良い、と白いキャンパスに黒を線をのせた。

「でもわたしは柔らかい絵が好きだな」

そう言って、俺が形どった線を無遠慮に手で歪めて、その白い手を汚す。たった数秒、たった数秒の間だけだったのに俺の絵は彼女の絵へと変化していた。いつも描きたいと望んでいた、優しい絵。頑張って、と俺と同じように煤けた手を洗いに行こうとした彼女の手を引いた。驚いたように目をぱちくりとさせる彼女を見て、ああ変わってしまったなぁ、と。


「すきだ」
(あの絵のように)





夢見た乙女*ホロワ軸 04月05日

「…あむ…」

ざらりと生暖かいものが首もとに触れる。申し訳程度に立てられた歯は痛くなどないがわりと強く吸われたから赤くなってんだろうなあ、と他人事のように思った。

「…は、…む…」

一度離して、もう一度全く同じところに噛みついて。先ほどより強い力で噛まれたが、やはり申し訳程度。

「思いっきりやって良いぞ」
「んー…」

がぶり。

ぎりぎりと肉が食い込む。本気でやりやがって、と自分で言ったのだがここまでやられるとは思っていなく顔をしかめた。本人は気付かない。
ちゅ、と軽く吸って、舐めあげ唇を離した。

今度は顔を横にして、喉仏に噛み付いてくる。お前は野生の犬か。

「……っ、く」

少し呼吸が苦しくなって苦悶の声を漏らすと容易に離れた。

「あ、ごめ」
「……いや」

アロハシャツの襟を捲り今度は鎖骨付近に歯を立てる。時刻を確認するとコイツが俺の膝に乗って既に15分が経過していた。その頭に手のひらを乗せると唾液だらけの唇を気にすることもしないまま顔をあげる。その唇に、噛みついた。
(違った表現)



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