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パイロット ペチットワン
2008/11/10 06:00



 女学生狙いの小さな、オトナの書き味が売り文句の万年筆。
 万年筆は通常、インク未装填で売られていますが、これはインクカートリッジが装填された状態で売られ、インク色は万年筆としては珍しく14色もあります。
本体5g+キャップ3g、首軸径10.8mm、胴軸径最大13.35mm、軸長89mm(本体のみ)、キャップをつけて127mm。

 字幅はシャーペンやゲルインクボールペンでいうと0.7mmくらいなのでそれほど細くはありませんが、A罫に記すには十分な字幅です。
ペン先には当たり外れがあるようで、手持ちのは書き味がガリガリしてあまり良いものではありません。
 専用インクカートリッジは3本百円。インクは浸透性を高めるためか、散りやすい傾向にあります。

 ペチットワンのペン先とペン芯は、およそ20年前に発売された使い捨て万年筆Vペンが原型になっています。Vペンはタイムプルーフがついたロングセラーです。
左の緑色のペン芯がペチットワン、右がVペン。ともに爪楊枝のような不織布の細い棒がペン芯中心を通り、インク漏れを防いでインク供給を安定させます。
 ペチットワンはどう見ても万年筆なのにパイロットはこれをサインペン(ファイバーティップペン)に分類しています。
その理由がこの不織布なのですが、同様に不織布を利用したペン芯を使った万年筆を、パイロットはインク漏れしないと言って1960年代に売り出していたのだから万年筆でいいと思います。

 「フリクションいろえんぴつ」というボールペンを売り出す同社の分類法はちょっと特殊というか、商売っ気が強いですね。

 不織布ペン芯にインクが染み込んでいるために、色を変えるときは十二分に洗浄を行わければ色が混じります。
 インク色を変えるくらいなら、それと同色の本体を買ってもらおうというのがパイロットの戦略でもあるのでしょう。
 左のプラチナ萬年筆プレピーのように事務用品然としておらず、右のB7メモに収まる小ささでかわいいけれど、首軸と胴軸間にある段差が疎ましく、前方を握って書くのに適した万年筆です。
専用什器に並べられた色の豊富さから思うに、集めて楽しいものかもしれませんね。


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