ラミー(ドイツ)の学童用回転式シャーペン。芯研器と名前シールつき。芯径は3.15mm、現行品は1.4mmで、新旧ともに公式輸入はされていません。※のちに公式輸入品になった。
筆記時、芯が0.3mm沈むことを除けばとても使いやすい製品です。
それは何も私の手の感覚が幼児並みだからというわけではなく最大軸径13.3mmと、パイロットDr.Gripやペリカン800と同じくらいであることに起因します。
また、グリップ径は約11mmで
ラミー2000とほぼ同じ太さ、長さもさほど変わらず違和感少なく万年筆に移行できるでしょう。さすがドイツ、ぬかりなし。
尾部のサイコロ状つまみを回すと芯の出し入れができ、回しきると芯を排出します。
その後つまみを逆回転、芯を前方から差し込み押し込むと、銀色のばねのような部品が芯を銜え、装填完了します。
つまみを回しきったときには黄色い部品が迫り出し、芯を押し出します。
収められる芯は一本で前装式、銃でいえば火縄銃のようなものです。
※分解画像を載せていますが、装填時分解の必要はありません。
回転式としては珍しく、つまみが45°ごとにカチカチ止まり、また、単動式の
オートポイントと違って逆回転させると芯を収納できる複動式機構です。
回転式は回し過ぎると内部の部品が傷んでしまうため、abcは最前進位置からさらに回すと空転し、部品が傷まない設計となっています。
逆に最後退位置では回転が止まり、それ以上回すと部品が傷んでしまいますが、他より丈夫で子供向けに壊れにくくしてあるのかも知れません。
芯研器もサイコロ状。
尾部に貼る名前シールは二種あり、一枚めにイニシャルを書いたら、その上から二枚めの透明シールを貼って保護します。
付属芯は58mm長一本、芯硬度は3Bくらいで黒鉛のほか赤青緑の色芯が別売りされています。
本体は107mm長までの芯を収めることができ、他社製も合いますが、カランダッシュの3mm芯とファーバーカステルの4B(φ3.05)は合いません。5Bと6Bは合います。
ゴムグリップは汚れやすく直ぐ黒ずむのに対し、木軸のほうはウレタン加工されているのか汚れにくく、いっそのことグリップも木製にすれば良かったのに、と思います。
abcには万年筆もあります。
ただ万年筆使用教育課程を持たない国には輸出しないのがラミーの方針だそうで、併せてシャーペンも輸出しないということは、彼の国ではこれも教材として支給されているということなのかな。
国内にも取扱店はあるので気になる方は検索してみてください。ここでは構造上シャーペンに分類しましたが、多くは芯ホルダとして紹介されています。
私が入手したabcはフランス輸出向けなのか外箱の説明書きがフランス語でした。