現在ではすっかりマイナーな、しかし太芯を使うため一部に根強い愛好者を持つ芯ホルダ。
今回紹介する三菱鉛筆のユニホルダーはそのなかで最も入手しやすいと思われる製品です。
一般的に言って芯ホルダとは、直径2mmから5.6mmの黒鉛芯を何らかの方法で固定するペン軸のことで、ユニホルダは2mm芯用、ドロップ式(スプリングクラッチ式)です。
ドロップ式はノックボタンを押すと芯を銜えている芯チャック(クラッチ)が前進して芯を開放する、現在のノック式の原型となった形式。
芯を押さえているのは芯チャックのみのため、芯送りを定量ですることはなく、芯の出し具合を無段階調節できます。
軸径は前軸が鉛筆と同じ8φ、後軸が8.8φ、前軸のローレットは粗いながらも肌に食い込まず、ノックの感触は軽く扱いやすい製品です。クリップは脱着可。
画像のノーマークモデルには芯硬度表示がありませんが、通常モデルには軸とノックボタンに芯硬度が印刷されています。赤軸は付属芯も赤芯。
芯研器は
ステッドラー502(バケツ型)が適合、もちろんカッターでも研げますが、芯を削らずに使う方も多いようですね。
ユニ2mm芯の末端には芯の滑落を防ぐストッパーつき。
これがあると
koh-i-noorや
カランダッシュのような前装式芯ホルダに装填できないため、前装式を使う方は外しましょう。
三菱ユニ2mm芯は同社のユニ鉛筆とほぼ同質でありながら一本約33円とランニングコストに優れ、鉛筆より芯出ししやすくシャーペンのように芯が折れやすくもなければ細すぎて紙を傷つけることもしません。
使用量が多い硬度を芯ホルダで、他を鉛筆で揃えれば、芯が描き減るにつれて鉛筆の木部を削る作業を最小限にでき、中断することなく描き続けられます。
以前は製図用品と認識されもした芯ホルダも、鉛筆デッサンに好適なことから現在は画材の什器に並ぶようになりました。
しかし残念なことに、
ユニ鉛筆の9Hから6Bまでの17硬度に対しユニ2mm芯は4Hから4Bまでの10硬度と少なく、昨今はステッドラーも2mm芯の硬度を少なくするなど、芯ホルダ使いにとっては肩身の狭い世界になってきました。嘆かわしいことですな。
三菱はそんな芯ホルダユーザ向けに携帯用小型芯研器
ユニ2.0mmシャープナーも発売しています。
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