デザインベーシックは六角軸鉛筆を初めて製造した鉛筆会社であるファーバーカステルが発売している木軸製品のうちの一ツ。このブログ並みに特徴のない品名ですな。
本品にはヒマラヤ杉が用いられていますが、前軸が樹脂のため木材による滑り止め効果には応えられない製品。
パイロットや三菱鉛筆は積極的に滑り止めとして用いているのに対し、カステルは木材を装飾と考えているのかもしれません。
スリーブはフルスライドながら作動が渋く、芯が書き減るにつれて後退することはありませんが、ノック一回あたりの芯繰出量が1.25mmと長いため、筆記中のノック回数を抑えようとした設計意図が感じられます。
しかし、繰出量が多いと芯折れが発生しやすくなるため、必要以上に筆圧がかかると内部機構ごと引っ込んで芯折れを防ぐ筆圧吸収機構を具えています。
員数合わせになりがちな付属消しゴムを3.8φ×33mmにし、同社のグリッププラスには及ばないものの、従来に比べ実用的な消しゴムとなっています。
クリップ先端は幅広くて生地に差しやすく、クリップ基部は棒状で弾力があり、秀逸な形をしたクリップです。
とはいえ樹脂製のため、生地を挟む力は弱く少し心許ないのが残念。
樹脂製前軸は意外にも滑らず、軸径は11.2mmと少し太く加えて芯径も0.7と、私には扱い易く申し分ない製品です。
木軸はやわらかく、傷つきやすいのが難点ですね。私有のベーシックも細かい凹みが随所にあります。
軸以外の部品はほとんどが樹脂製、チャックすらも樹脂製。金属製でなければ信頼しない人間もいますが、チャックが樹脂製でも不安は感じません。
未輸入品には金属軸ベーシックがありますが、内部は樹脂製のままなんじゃないかしらん。
ベーシックシャーペンのノックボタンには、同形状の油性ボールペンと見分けられるよう芯径0.7が成形され、ポケットに差したままペン先を見ずに判別できます。
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