レモン株式会社が輸入販売している鉛筆削り、ドイツ削器の正体はアイゼン10型でした。
なぜかレモン公式HPに載っていないのですが、そのドイツ削器が増え、金属製二種、合成樹脂製一種になっています。

　今回はそのうちのひとつ、マグネシウム合金製くさび型、040型。
発売年不詳、中国製、刃のみドイツ製。

切削角度24°、とんがり係数0.77、削りくず厚約0.2mm
60円消しゴムより小さい。

三角軸も削れます。カランダッシュ グラフウッドφ8.3mmは削れません。
削れ味はやや重いものの、標準的というか、問題なく削れ、芯先が同社10型よりうまく尖ります。
もしかしたら10型も同じように仕上がるよう改善されているかもしれません。

　削る際にこころもち上へ傾けながら削ると鋭く、下へ傾けると鈍く削れます。
三菱ユニφ7.8mmは次の如く。
上∠22°56′23″ /とんがり係数0.81
中∠23°39′48″ /0.78
下∠25°41′15″ /0.72

日本製鉛筆より細いステッドラー トラディションφ7.4mmでは差が大きくなり、次の如く。
上∠21°04′43″ /とんがり係数0.88
中∠23°42′50″ /0.78
下∠32°11′20″ /0.56


　刃を外してリセスの深さを測ると、前後ともに約1.2mm。
10型では前後で深さが少々異なっていましたが、こちらはほぼ同じでした。
アイゼン中国工場は2003年に開設され、2017年に市内移転し新調されたという。

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　くさび型40と寝台型10は基本的に同じ、刃も交換できます。
・くさび型は側面積が狭く持ちにくいけれど、鉛筆を挿したとき傾きが少なく、削る際に鉛筆を回しやすい。
・寝台型は側面積が広く持ちやすいけれど、鉛筆を挿したとき傾きが大きく、削る際に回しにくい。

　ともに小さく可搬性に優れますが、筆入れに収めるには、四隅に突起がある寝台型より薄いくさび型が適します。

　共通する欠点は削りくず容器が無いこと。
小学生が学校で鉛筆を削るときは、授業の合間にゴミ箱の上で行うなど計画的な行動を要求されます。
初歩的な自己管理能力を訓練させるにはいいかもしれませんね。
成人の場合はそんなこと考えなくてよいので、衰えていくわけです。

　注意点は切削角度が鋭い鉛筆(卓上型鉛筆削りで削った19°とか)をこの24°鉛筆削りで削り直すのが難しいことです。
先端部だけが削られるため、鉛筆が鉛筆削り内で不安定になり、削っている最中に芯が欠けやすくなるんです。
　ですので、鉛筆を鉛筆削りに挿入しても押し込まずに、芯先を刃に軽くあてて回します。
画像では、どこが削られたか見えるよう芯先を着色して削りました。

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　小学生向けですけどもちろん大人でも使えます。
刃はDUX 12N替え刃によく似ていますが、ねじ穴がわずかに違い、共用不可。替え刃が無く事実上使い捨て品。

細かいことなんですけど、日本版ブリスター包装には「アルミダイカスト製」と記されていますが、たぶんマグネシウムを基材とする軽合金。
塗装されていないようなので、本品もやがて10型のように酸化変色するでしょう。
マグネシウムは電子機器筐体としても新エネルギー源としても有望だから、アルミのように回収経路が確立されるといいですね。

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レモン ドイツ削器(アイゼン10)
KUM 300-1
M+R 0603

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